2014年05月13日(火) |
細貝の落選は納得できない |
サッカーW杯ブラジル大会の日本代表選手が発表された。W杯日本代表選手は以下のとおり。
GK=川島永嗣(スタンダール・リエージュ)、西川周作(浦和レッズ)、権田修一(FC東京) DF=今野泰幸(ガンバ大阪)、吉田麻也(サウサンプトン)、森重真人(FC東京)、伊野波雅彦(ジュビロ磐田)、長友佑都(インテル・ミラノ)、内田篤人(シャルケ)、酒井高徳(シュツットガルト)、酒井宏樹(ハノーファー) MF=長谷部誠(ニュルンベルク)、遠藤保仁(ガンバ大阪)、青山敏弘(サンフレッチェ広島)、山口蛍(セレッソ大阪)、斎藤学(横浜F・マリノス)、本田圭佑(ACミラン)、香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)、清武弘嗣(ニュルンベルク) FW=大久保嘉人(川崎フロンターレ)、岡崎慎司(マインツ)、柿谷曜一朗(セレッソ大阪)、大迫勇也(1860ミュンヘン)
バックアップメンバー(予備登録)は以下のとおり。
【GK】林卓人(広島)、【DF】駒野友一(磐田)、水本裕貴(広島)、【MF】中村憲剛(川崎F)、細貝萌(ヘルタ・ベルリン)、【FW】豊田 陽平(鳥栖)、南野 拓実(C大阪)
この選考は日本の最強メンバーの選出というわけではない。あくまでもザッケローニ・ジャパンである。代表監督であるザッケローニのサッカー哲学とサッカー観に基づくものなのであって、違う監督にかかれば違った選考結果になっただろう。
選考方法は23人枠のうちGK3名を除いたフィールドプレーヤーを4−4−2のシステムに仮想し、各ポジション2名を選ぶ基本どおり。まあ、実際の試合でのフォーメーションは4−2−3−1だったり、3−2−4−1だったりするから、基本どおりにはならないけれど。
今回の選考については「攻撃的」という評価が一般的だ。確かにそのとおりなのだが、DFの顔ぶれをみると、GKを基点とした守りのセンターラインは今野、吉田、森重、伊野波、長谷部、遠藤、青山、山口となり、CB吉田、CMF(セントラル・ミッドフィールダー/ボランチ)長谷部は故障明け。リーグ戦から長期離脱してのいきなりのW杯モードだ。CB今野はJ1リーグで常時出場していないしCMFとして出場も少なくない。CB伊野波はJ2、ベテラン遠藤はフィジカルに問題がある。まともなのはCB森重、CMFの青山、山口だけ。そういう意味で、日本のセンターラインは脆弱そのものだ。
そのうえで、細貝萌(ヘルタ・ベルリン)の落選が気になる。彼はCMFのポジションでブンデスリーガ13−14シーズンにて、全試合に出場した正真正銘のレギュラーだ。ヘルタではまさに欠かせない存在だった。実績でいえば、長谷部、遠藤、青山、山口をはるかに上回る。日本のキャプテン長谷部よりもドイツでは格上なのだ。ところがザッケローニのランキングでは、細貝はJの青山・山口よりもランクが下。長谷部をとるか細貝をとるか――ということなのか。
また、SBの内田もやはり故障明け。リーグ戦から長期離脱しての復帰組で不安が残る。SBは4人が海外組なので内田がだめでも賄えるという解釈なのか。細貝は右SBもできる。
日本がブラジルで苦戦するとしたら、守備の乱れもしくは崩れによる。先制されると当然日本は追う立場となるから、堅守のギリシア、伝統的に守備が固い南米コロンビアから勝つのは難しい。初戦のコートジボワール戦、攻め合いになれば、フィジカルで強いコートジボワールに分がある。アフリカチームは概ね組織に難があるので、コートジボワールを混乱させて、先制、逃げ切りで勝ち点3をとることが予選突破の必須条件だろう。その場合は日本の守備陣の奮闘しかない。初戦のアフリカ勢を突破し勢いを得た、南アフリカ大会の再現が望まれる。ただ、南アフリカのときのカメルーンとブラジルのコートジボワールとではやや、状況が異なるが。
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