日本のプロ野球（ＮＰＢ）が開幕して１月が経過した。概ね２５試合程度を消化した時点での順位は以下のとおり。

セリーグ順位表　
　　　　　 　　 勝率　勝差　本塁打 盗塁 打率 防御率
１ 広 島 　　 .708 　– 　　30 　 19 .257 3.14
２ 阪 神 　　.654 　1 　　19 　 12 .301 4.34
３ 巨 人 　　.625 　2 　　28 　 25 .297 3.90
４ 中 日 　　.480 　5.5 　16 10 .269 4.14
５ ヤクルト 　　.292 10 　 29　 11 .276 5.83
６ ＤｅＮＡ 　 　.217　11.5 17　 13 .244 5.51

パリーグ順位表
　　　　　　　　　勝率 勝差 本塁打 盗塁 打率 防御率
１ オリックス　　 .667 - 19 18 .257 2.39
２ ソフトバンク　 .636 1 18 25 .290 2.81
３ 楽 天 　 　 　.480 4.5 16 8 .267 3.99
４ ロッテ 　 　　.478 4.5 18 7 .245 4.06
５ 日本ハム 　 　.440 5.5 21 23 .230 4.21
６ 西 武 　　 　 .320 8.5 10 17 .226 3.32

（2014年04月26日現在）

◎４位中日を境に３強２超弱のセリーグ

セリーグは勝率５割前後の中日を境に、広島、阪神、読売の３強と、ヤクルト、ＤｅＮＡの２超弱にはっきりと分かれた。筆者の予想したとおり、読売投手陣がほぼ崩壊状態で、少なくとも独走状態には至っていない。いまのところ“飛ぶボール”とホームの狭い東京ドームを活かした“ドームラン”の連発で、辛うじて３位を維持している。

３強による競り合いがしばらくは続くだろう。３強のうち優位にあるのは筆者が開幕前に首位と予想した阪神。西岡のケガで若手の上本が出場チャンスを生かし大活躍、４番のゴメスも実績どおりの活躍だ。ベテランの福留を先発から外して若手に切り替えれば戦力アップという、ノビシロとやらがまだ残っている。

広島は新人投手２人が序盤に勝ち星を重ねたが、シーズンは長丁場、これから疲労もたまるだろうし、このまま順調に勝ち星を重ねられる保証はない。前田に次ぐ投手に不安が残る。

前出のとおり、読売は菅野以外計算できる先発陣がいない。これも開幕前の拙Ｂｌｏｇで書いた通り、内海・杉内のベテランが下降線にあり、ＦＡ移籍の大竹が二番手という惨状。先発ローテーション６投手から勝敗の確率を大雑把に展望すれば、菅野・大竹・セドンで２勝１敗、杉内・内海・今村？で１勝２敗の５割ペース。セドンがこければ、５割を切る。しかも、ブルペンが大混乱で、山口・西村が不調、マシソンも回復傾向にあるものの安定感がない。「勝利の方程式」の適用は、今シーズンは無理。

この先、先発候補として、若手の沢村、宮国、小山らの台頭に望みをつなぎたいところだが、沢村以外は難しそう。今後の読売の先発陣は、沢村の復活がカギとなろう。

ブルペン陣は笠原、江柄子、高木京、青木、久保、香月では、「勝利の方程式」に参加できそうな陣容とは言い難い。読売は投手陣の世代交代に完全に失敗した。筆者は２位と予想したけど、３位確保がやっとかもしれない。

読売の打線はいまのところ好調だが、キューバ代表の主砲、フレデリク・セペダ外野手（３４）の入団が決定。だが現在１軍の外国人選手出場枠は満杯な上、指名打者でプレーしてきたので守備位置も不透明だ。好調のアンダーソンを外して国家の威信を背負って来日する大物セペタを優先するようだと、チーム全体にひび割れを起こす可能性もある。読売がキューバから輸入すべきは、豪速球の先発投手だったのではないか。

◎大谷二刀流の継続で日ハムは下位に低迷

パリーグはオリックスが絶好調。筆者のシーズン前の予想は、(1)ソフトバンク、(2)ロッテ、(3) 西武、(4) オリックス、(5)楽天、(6)日本ハム――だったから、いまの順位には驚いている。

二年目の日ハム大谷は、今シーズンも二刀流を継続したが、昨シーズン同様、この変則的起用法によってチーム全体がリズムを失っている。大谷は打者なら一流、投手なら超一流、二刀流なら並程度の成績で終わる。

投手、野手それぞれにフィジカル面の違いがあるわけで、両方をこれ以上強化することは無理。さらに、それぞれの心理的圧迫を背負うことはいくら強靭なアスリートといえども、まず耐えられない。

肉体・精神の両面でキャパを超えたままプレーを継続すると、いずれどこかに変調をきたすか、故障が生じる。大谷は日本プロ野球界の至宝なのだから、日ハムは大事に扱ってほしい。もちろん、一日も早く大投手として育てて、ＭＬＢに送り出してほしい。