Sports Enthusiast_1

2009年01月31日(土) 相撲協会は無法集団

何度も当コラムで書いている通り大相撲は芸能であるから、八百長問題は存在しない。評論家諸氏の朝青龍の優勝はない、という予想に反し、朝青龍が優勝したとしても、不思議はない。角番横綱が奇跡の「復活」をすることは前例に事欠かない。

一般の格闘技(スポーツ)の世界においては、肘に故障を抱えた選手が練習もしないで本番で勝ち続けるということはあり得ない。でも、相撲は格闘技の枠組みにはおさまらないから、「奇跡」「完全復活」でもなんでも起こり得る。

芸能団体が財団法人であることもかまわない。日本の伝統、農耕神事の流れを汲む芸能がエンターテインメントとして生き続けることに異論があろうはずがない。

しかしながら、この公益法人が法律を犯す人間で構成されていることは許しがたい。さらに、外国人力士2名に大麻汚染の罪をかぶせ、疑惑がもたれていた日本人力士を公表しなかった疑いが残る。人種差別の疑いが払拭できない。国際問題である。朝青龍のガッツポーズ云々どころの話ではない。

現在の相撲協会には、農耕神事を起源とした伝統芸能(=文化遺産)を継承するという設立及び活動の意義は見出せない。相撲協会は、芸能団体、興行団体にすぎない。公益法人改革法が施行されたところだ。相撲協会が一般財団法人または公益財団法人のどちらを選択するのかは不明だ。

いずれにしても、あたかもスポーツであるかのように外見を装い、客集めに「横綱」を人為的に延命させ、犯罪、不祥事、人種差別を行う団体を税制面で優遇する理由はみつからない。この機に解散をし、株式会社にしたほうが、透明化と内部改革が進むと思う。



2009年01月29日(木) 2009年 暗い旅 (第2章)

アジア杯予選イエメン戦(ホーム)を2−1で辛勝した日本代表だが、続くアウエーのバーレーン戦は1−0の敗戦。中継がなかったので試合内容はつかめない。報道では、FKを頭であわされた失点というから、前の試合と似た形のようだ。

Jリーグ開始前の公式戦は、代表選手にとって厳しい。同情すべき点は多い。日本代表がアジアで全勝を続けられわけもない。関係者、サポーターは、いくつかの敗戦を受け入れなければならない。ブラジル代表でも、南米予選で格下に負けることはある。重要なのは、敗戦が意味するものを分析し、負けの常態化を回避することだ。

アジアのサッカーは、地勢的要素に規定されて、いくつかにグルーピングできる。1つは、日本、韓国、北朝鮮、中国が属する東アジア。2つ目は、台頭著しいタイ、ベトナムを中心とする東南アジア、3つ目は、サウジアラビア、イラン、イラクと強豪がそろう中東、4つ目はインド、ネパール等の南西アジア、5つ目がウズベキスタン等の中央アジア、そして、最後の6番目が、オセアニアから移動してきたオーストラリアである。6分類されるが、オーストラリアのように1カ国のところもあるし、中東のように多くの国が集まるグループもある。

実力Aランク国は、オーストラリア、日本、韓国、イラン、イラク、サウジアラビアの6カ国。その下のBクラスに、ウズベキスタン、中国、バーレーン、UAE、シリア、オマーン、クウェート等が続く。Cクラスに、香港、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、イエメン等、Dクラスに、インド、ネパール、スリランカ、カンボジア、タジクスタン・・・と、大雑把に括れる。

日本が負ける可能性が少ないのがC、Dクラスで、このたび日本が負けたバーレーンはBクラスの実力を持っているから、敗戦を受入れる必要がある。もちろん、このクラスに負け越していては、「W杯ベスト3」は夢のまた夢であるし、日本はアジアの強国ではなくなる。

そこで、対バーレーン戦の戦績が重要となる。FIFAランキングは、日本が34位、バーレーンが89位。このたびの日本の敗戦で、対戦成績は日本の6勝2敗と大きくリードをしているものの、岡田監督就任後は2勝2敗で五分となった。つまり、岡田監督就任前は日本が4戦4勝と圧倒していたのだが、岡田監督になって4回試合をして日本はアウエーで2敗を屈したことになる。このことは、日本代表に異変が起こったと考えられるし、バーレーンの実力が上昇したとも考えられるし、その両方が起きた可能性もある。もっとも、ジーコジャパンの時代、負けなかったものの辛勝であったから、来るべきときが来た、という見方もあろう。

世界のサッカー界、とりわけ発展途上地域であるアジアは、全体にレベルアップをしており、日本が進歩しなければキャッチ・アップされる。岡田監督就任後、アジアBクラスのバーレーンという特定の相手にこの戦績だから、日本代表の実力の向上の速度は、アジア全体の底上げの速度から比べれば鈍いという結論が得られる。

とはいえ、この戦績をもって日本がW杯アジア最終予選を突破できない、と断言できるわけではない。重要なのは2月のオーストラリア戦(日本ホーム)で、この勝負に勝てば、2010年W杯南アフリカ大会まで、日本はアジアBクラスの国にキャッチ・アップされなかったことの傍証となる(もちろん、サッカーに「絶対」はないので、日本がオーストラリアに勝ったからといって、南アフリカ大会に日本が絶対に行けると断言できない。最終予選が終わるまでは、何もわからない)。

そんなわけで、この敗戦を深刻に受け止めない態度と、日本代表の実力低下として深刻に受け止める態度の両方がある。筆者は、岡田ジャパン(日本代表)の実力向上の速度は鈍いと思うものの、2010年W杯アジア最終予選までは、アジアのAクラスから転がり落ちるほどではないと思っている。つまり、2010年に南アフリカに行くのは、日本とオーストラリア、そして、韓国とサウジアラビアの4カ国となると予想する。

しかし、2010年以降も現状が維持されるとはとても思えない。日本は、アジアの強国の座から転がり落ちる可能性の最も高い国の1つである。中東勢のうち湾岸諸国は、アフリカとの強い結びつきにより選手を輸入し続けるだろうから、代表のレベルは今後も向上する。その一方、日本は、若年層から才能のある人間を鍛え上げなければならないわけで、代表強化に時間がかかる。

いずれにしても、日本の代表強化の基盤は、Jリーグにある。Jリーグのレベルアップが代表強化の鍵を握る。そして、代表の方向性を高次元で定めることのできる代表監督の人選が重要である。2002年日韓大会開催で築いた日本サッカーの遺産は、2010年以降までは残らない。



2009年01月20日(火) 暗い旅の始まりか

アジア杯予選の初戦、2−1で日本がイエメンに勝利した。前半8分に岡崎が決めたものの、前半はその1点のみ。後半開始直後、セットプレーでイエメンのアルファズリに1点を奪われる。後半21分、中村憲のCKを岡崎がファーに流し、詰めていた田中達が決勝点。

ポゼッションでは日本が70%近い数字を残したものの、相手の守備を崩しきれず、時間ばかりが経過した。ホームで、世界ランキングで100位以下の相手に対して、格の違いをみ見せられない。若手中心とはいえ、強さ、早さ、組織力が見えてこない。シーズン前、選手の調子が上がらない点は同情できるものの、このままならば、国際大会でいい成績を上げられない。コンディションづくりの難しさを克服するノウハウが必要だ。岡田ジャパン――若手がこの調子だと、主力の登場する、W杯予選のオーストラリア戦も黄色信号。

2009年、波乱の船出だ。



2009年01月17日(土) 今年のスポーツ界は

だいぶ遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。

年末年始は日本を離れていたので、その間のスポーツイベントをぜんぜん見ていません。大晦日の格闘技、元旦のサッカー天皇杯、さらに駅伝、高校サッカー等々と、いろいろあったようですが、まったくコメントできません。

ただ、サッカーといえば、ホーチミン滞在中、ベトナムがタイに勝って、東南アジアのチャンピオンになった瞬間、市内の中心地にいたため、大騒ぎを目撃することができました。ホーチミンの若者が単車で暴走して大変でした。

筆者は、東南アジア諸国の中では、タイが実力ナンバーワンという認識だったのですが、ベトナムの台頭の結果−−大げさにいえば、東南アジアのサッカーにおける、歴史の転換点に居合わせたのかもしれません。

さて、来月、日本代表がオーストラリアとW杯アジア最終予選を戦います。2月といえば、Jリーグ開始前、選手たちのコンディションは上がらないでしょう。相手のオーストラリアのAリーグのカレンダーはわかりませんが、日本チームでシーズン中の選手といえば、俊輔を筆頭とする海外組に限られます。

日本の最大の不安は、全員がJリーガーで固められている守備陣。フィジカル面で、オーストラリアの圧力に耐えられるかどうかがポイントになると思います。

岡田監督が、W杯3位以内という目標を掲げたそうですが、筆者の期待は、W杯(他国開催)で勝ち点3。こればっかりは、筆者の存命中に達成してもらわないと。南アフリカ大会を逃すと、次は・・・(笑い)。ホームでオーストラリアに負けるようだと、南アフリカに行けても、グループ予選未勝利敗退の可能性のほうが高いと考えたほうが自然です。

英国プレミアのマンチェスターユナイテッドとチェルシーの試合をテレビ観戦した限りでは、世界のトップクラスとの差は広がるばかりのように思えます。

オーストラリア戦、岡田ジャパンに完勝してもらわないと、"岡田の大風呂敷”と笑われてしまいます。


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