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2006年08月27日(日) 大久保はJリーグを舐めている

熱戦が続くJリーグだが、C大阪の大久保のプレー態度は許しがたいものがある。闘志を前に出すというよりも、審判、相手選手に礼を失する。大久保の態度は、ボクシング界の亀田ファミリーに似ている。
昨日(26日)の浦和戦、1−0でリードされている局面で、相手DFとの競り合いに負けた大久保は、相手選手ともつれながら肘を使った。肘は幸いにも相手DFの顔面に当たらなかったが、汚いプレーである。もちろん、一発レッド。抗弁の余地はない。
この試合、C大阪は前半温存していた名波を後半から起用し、さあ反撃だ、というところだっただけに、このプレーが水を差した。一人少なくなって、浦和に追加点を許したものの、後半41分、名波のためから藤本が得点した場面があった。11人対11人なら、浦和を慌てさせる場面をもっと多くつくれた可能性もある。
さて、大久保といえば、スペインに行く前から試合態度が悪いことで有名だった。大久保は高校サッカーの名門・長崎K高校の出身だ。K高校には名監督といわれるK監督が指導者として長年指揮をとっている。大久保もK監督の教え子に当たる。大久保の試合態度の悪さはおそらく、高校時代のK監督の指導が悪かったためだろう。K監督はサッカーに勝つことばかりを教え込み、相手選手に対する尊敬の念の必要性を教えなかったに違いない。何度退場を食らっても改まらない、こういう危険な選手は、実力があっても、代表に値しない。退場者が出れば、数的不利となる。大事な試合にラフプレーで退場となれば、チーム、監督にとって致命的だ。筆者が代表監督ならば、大久保のようにラフプレーや審判のクレームで何度も退場させられている選手を代表に呼ばない。
スペインで使いもにならなかった大久保がJリーグで再起を誓う気ならば、何点とるかよりも、サッカー選手としての基本を習得してから出場すべきである。C大阪の首脳陣も大久保の再教育に努めてほしい。



2006年08月17日(木) オシムジャパンに公式戦の試練

簡単には勝てない。それが世界のサッカーだ。16日、日本はイエメンとアジア杯予選リーグでイエメンと新潟で戦い、2−0で勝った。
イエメンは最初から引分狙い。5バックと2ボランチの7人で固いブロックを形成して、自陣のスペースを消してきた。攻撃は3人だが、前線に残るのは1トップのFWのみ。
新生日本代表はまるで足に重りでもつけているかのように動きが鈍い。2トップの巻、田中への楔のボールは、相手が数人寄ってくるのでコントロールできず、基点になれない。サイドからのクロスには、イエメンDFが強いヘディングで跳ね返す。日本のパスは横、後で回るものの、相手を崩すに至らず攻撃的な形がつくれないまま、前半0−0で終了。ここまでは、ジーコジャパンと変わらない展開だ。
前半終了時点でトップ下の遠藤、左SBの駒野のコンディション不良が発覚し交代。遠藤は運動量が少なく、前に出る意欲が感じられないので、オシムサッカーから脱落する可能性が高い。遠藤の資質の問題なので、代表落ちは仕方がないかもしれない。代わった羽生が動き回ってスペースをつくり、全体が活性化してきた。得点はFKからだったけれど、引いた相手に対しても、運動量の重要性が認識できたことが成果。
さて、こういう試合を見せられた後、ドイツ大会のことをふと、思い出した。かりに、日本が予選リーグ第1戦の豪州に勝ち、2戦目のクロアチアに引分け、最終戦のブラジルに引分ければベスト16が可能だったとしたら、ジーコジャパンは、イエメンのような陣形を敷くのだろうか。将来、そういう局面が来たとき、オシムは引分け狙いを選択するのだろうか。守備的という形容を越えた陣形だが、反則でない以上、これも許されている。もちろん、引分け狙いで引分けられる可能性は高くないといわれるが、強豪相手に焦りを誘うという意味で有効な作戦だ。勝点1を巡る攻防として、日本がしてはいけない作戦ではない。サッカーは難しい。



2006年08月13日(日) 佐藤勇は、リベリーになれるか

日本代表がいよいよ公式戦を迎える。アジア杯予選・イエメン戦に向けた代表メンバーの発表があった。初代表の中では、佐藤勇、羽生といった千葉の選手が注目される。佐藤勇は千葉では攻撃的ボランチ。豊富な運動量を誇り前線の選手を追い抜いて、ゴールに絡む。長い距離を走りぬけ、ノーマークでミドルシュートを打ったり、ゴール前に飛び出してヘディングシュートを放つ。
佐藤勇に似たボランチとしては、W杯ドイツ大会フランス代表のフランク・リベリーを思い出す。アフリカ系の選手が多いフランス選手の中では珍しく西欧系でしかも小柄。一見、さえない選手のように見えながら、今大会「最大の発見」と賞賛された。所属はマルセイユだから、国内リーグでプレーしていた。リベリーも運動量が豊富で90分はもちろん、延長120分走れるスタミナがある。攻撃参加のタイミングも抜群で頭がいい。フランス代表の攻撃パターンは前線ワントップのアンリに「おまかせ」が多いが、その中で唯一得点が期待できる選手だった。
新生日本代表のボランチには、鈴木、長谷部、阿部、遠藤、さらに選外には小野が控えており競争が激しいポジションだ。千葉の阿部とコンビで代表定着が理想となろうが、それにはJリーグ、代表戦でなんとしても得点がほしい。
国内の海外代表との親善試合ならば、相手は引いてくるケースが多い。そんな試合では佐藤勇のような運動量豊富な選手の得点チャンスが高くなる。佐藤勇が代表のボランチに定着する確率は、低くないとみた。



2006年08月12日(土) 好調、三都主

浦和の三都主が絶好調だ。親善試合で2得点、きょうのF東京戦でも2得点。得点の内容がいい。きょうは右足と頭で2得点だ。
ジーコジャパンでは、三都主はジーコの「通訳」として代表に選ばれた、と揶揄された。とりわけ、不得意の左SBでは世界各国から狙われ、三都主の良さがまるで発揮できなかった。ジーコジャパンでは、三都主と俊輔は同じ左寄りトップ下で競合した。俊輔を優遇したジーコ監督により、4バックの左SBにコンバートされたわけだ。
三都主はもともと攻撃型の選手だから、左SBは無理。3バックの左サイドハーフでも攻撃より守備に専念する試合ではその良さがでなかった。筆者はジーコジャパンの時代、三都主は前で使えと散々、このコラムで書いてきた。
さて、オシム新監督になった途端、三都主が生き生きしだした。なんでドイツで暴れなかったの、といいたいくらいだ。「通訳」を「解任」されて、本職のサッカーに専念できるようになったのか。
三都主の良さは、なんといってもスピード。正確なフリーキックも蹴れる。バイタルエリアで右足、頭も使えば攻撃の幅がさらに広がる。
日本代表では、MFの左にはルマンの松井、俊輔がいるが、古い井戸としては、三都主の方が俊輔よりもオシムサッカーに合っている。三都主、俊輔、松井がどのようなポジションで代表入りするのか。オシムは3人をどこでどう使うのか。日本代表に新しい、楽しみが増えた。



2006年08月09日(水) オシムジャパン

日本代表vsトリニダードトバゴは2−0で日本の勝利。オシムジャパンは鮮やかに初戦を飾った、と言いたいところだが、相手が弱すぎたので参考にならない。こういう親善試合は亀田興毅の「かませ犬」と同じで、真剣なファイトと言うわけにはいかない。勝って当たり前。
ただ、ジーコジャパンにはないスピード、前の動き、速いボール回しといったコンセプトが垣間見えたので、その意味で及第点だ。とりわけ、短期間で高度のコンビネーションを構築した手腕はさすがと言っていい。ジーコが4年間かかってなしえなかったことを、わずか1週間程度で選手に徹底させたことになる。この先、海外組が代表に合流しても安心して試合が見られる。
オシムジャパンのもう1つの特徴は、代表選考基準の的確さだ。代表選考の基準としては、スピード、運動量、ファイティングスピリットが最低条件だといわれるが、さらにセンス(頭の良さ)も加わるのだろうか。
攻撃面の課題としては、この試合で皆無だった強いシュートが打てるFW、豪快なミドルシュートが打てるMFの不在だ。長谷部にはミドルシュートを打ってほしかった。
笑えるのは、TV解説のM氏。これまでジーコのサッカーを絶賛していたのに、オシムに代わった途端、オシムのサッカーを褒めちぎっている。こういう解説者の存在が日本サッカーをダメにする。だれもがわかっていることだが、オシムはジーコの否定者だ。ジーコ支持者はオシムと絶対に相容れない。解説者として専門家を気取るならば、ジーコ支持者としてオシム批判をしなければ理屈に合わない。常識ある人間ならば、節操というものがあるはずだ。解説者というのは、実況に花を添える存在か



2006年08月06日(日) 川淵 VS.オシム

サッカー日本代表のメンバー選定が手間取っている。その理由は、サッカー協会が決めた、ごちゃごちゃの日程にある。
まず、A3(東アジア3国のカップ戦王者・リーグ戦王者の戦い)の試合が東京で、8月2日、5日・8日に組まれている。A3には、Jリーグ王者のG大阪とナビスコ杯王者の千葉が出場している。しかも、7日にU21代表が中国代表とアウエーで試合をする。
さらに驚くなかれ、A3が終わった翌日の9日に、日本vsトリニダードトバゴの親善試合が東京で組まれていて、しかも16日には、公式戦(アジア杯予選)である日本vsイエメンが新潟で組まれ、2週間後の9月1日に同じくサウジアラビア戦が9月1日にサウジで開かれ、6日にイエメン戦がイエメンで予定されている。重要なのは、公式戦のアジア杯予選であって、親善試合のトリニダードトバゴ戦の位置づけが不明だ。A3に出場したG大阪、千葉の代表級選手は、いくらなんでも、翌日のトリニダードトバゴ戦には出場できない。代表監督が新しくなった初戦に日本を代表する2つのクラブの主力が出られない代表戦(親善試合)をなぜ、この日に入れなければならなかったのだろうか。
川淵会長はジーコ監督と組んで、代表戦を各方面に売り込んだ。その結果、メーンスポンサーはキリンが取得し、テレビ放映権の方は、テレビ朝日が主力となった。「日本代表ブランド」が協会に多額の資金を呼び込んだことは言うまでもない。もちろん、協会が資金を捻出するために、メーンスポンサーを決め、試合をテレビ局に売ることは構わない。しかし、滅茶苦茶の日程で、代表運営を混乱させるようなものであれば、せっかく育てた「代表ブランド」の威力が消滅する結果をもたらすことは、日韓以降ドイツに至る過程で明白になったはずだ。
普通の神経の代表監督なら、こんな日程に反発するのだが、前監督のジーコは川淵会長と金儲けについては意志一致ができていた。協会のいうがままに代表選手を集め、「日本代表は世界クラス」だとマスコミに話し続けた。
さて、筆者が代表監督ならば、この強行日程をどう処理するか考えてみた。
まず、親善試合のトリニダードトバゴ戦だが、千葉・G大阪の選手を除いた若手中心で戦う。勝敗はもちろん、こだわらない。集められる有望な若手を緊急合宿で召集し、オシムサッカーの理念を説く。そこまでだ。
重要なのは公式戦の16日のイエメン戦だから、G大阪、千葉を含めた現状で最強のメンバーを召集する。合宿開始日がいつからか知らないが、海外組を含めてもいいのではないか。
トリニダードトバゴ戦を落としたとしても、騒ぐに値しない。そこで、オシムの危機をキャンペーンするマスコミがあったとしても、そんなものはイエロージャーナリズムだと規定して無視すればいい。
この先、川淵ゼニゲバ路線とオシム正統派路線が抜き差しならぬ対立を生む危険を孕んでいる。日本代表の先行きは不安だらけだ。



2006年08月02日(水) 日本のプロボクシングが死んだ日

◎「八百長説」に軍配

亀田興毅が勝った。八百長ではないが、不正ジャッジだ。だれが見たって亀田の負けにもかかわらず、3人のジャッジの2人が亀田に勝ちをつけた。あり得ない判定だ。2006年8月2日は、日本の国際式プロボクシングが死んだ日として記憶されるだろう。これまで、数々の世界王者を輩出してきた日本のボクシング界に最大の汚点を残した。
そればかりではない。この試合の措置をもって、亀田興毅のこれまでの試合が八百長であったことが実証されてしまった。本当に残念だ。まさか、そこまではというのが、筆者のスタンスだった。一方、巷の有力ブログは亀田の試合は八百長だと主張した。結果的には筆者の見方が甘かったことになる。常識的なボクシングファンならば、これから興行される亀田兄弟の試合を見ないだろう。
試合はランダエタが亀田から1回にダウンを奪い、11回にはダウン寸前まで追い詰めた。2−10回は双方がラウンドをとったのだが両者僅差(おそらく1ポイントの差)なので、1回と11回のポイントが試合を決するはずだ。
試合前、筆者が当コラムで予想したとおり、亀田の方が体力的には優位だった。TV観戦でも、亀田のパンチの重さの方がランダエタを上回っていたと思われた。しかし、手数、正確さ、有効打数において圧倒的にランダエタのほうが上だ。亀田はランダエタを2階級上回っているので、ランダエタは亀田をKOできなかったが、同級ならば亀田はもっと早く倒されていただろう。
これほど明白な試合だ、「亀田伝説」も一段落し、ボクシング界も平静さを取り戻すのだな、と思った矢先、大観衆の目の前で、「汚い手」が使われ、世界チャンピオンがつくられた。「汚い手」をだれがどう仕組んだかは、証拠はないけれど、だれもがわかっている。TBSよ、そこまでやるか!

◎こんな「判定」でいいのか

最後に言っておくと、亀田ブームで青少年がボクシングに興味を持ち始めたという。そんな副次的効果があったのだ。しかし、注目度の高いこの試合で、疑惑・不正・ペテンが行われた。つまり、プロボクシングが胡散臭いことを白日の下に晒してしまったのだ。誠に残念だ。
スポーツは、談合や裏金や賄賂がない世界、実力がすべての世界であり、すがすがしい非現実世界、非日常世界を見せてくれる面をもっている。普通人ができないパフォーマンスを天才達がファンの前で演じてくれる、それが最大の魅力だ。健全な青少年の目の前で、「負け」が「勝ち」とされるたならば、スポーツに対する信頼が損なわれる。亀田ブームがボクシングに目を向ける青少年を増やしたのならば、それを裏切ったのも亀田ブームというわけだ。ボクシングは胡散臭いものだ、でいいのだろうか。


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