決勝戦前半は序盤ドイツが優位を保ったものの、じりじりとブラジルがペースを取り戻し、終了間際に決定的チャンスを2度迎えた。が、2度とも惜しくも点にはならなかった。この調子なら、ブラジルの後半に期待がもてると思ったとおり、後半、リバウド、ロナウドの個人技で2点をもぎとった。最初の1点はドイツのGKカーンのミスともいえる。神の手から水が漏れたのだ。 特筆すべきはブラジルの守備だろう。高さのドイツといわれたが、一歩もひけをとらないどころか、完璧とはいえないまでも、結果的にはドイツの高い攻撃を抑えた。さらに、カーンの陰に隠れて、その存在が注目されたことのなかったブラジルのGKマルコスの堅実な守備もすばらしかった。マルコスのいいところは、派手さはないが、ミスをしないところだ。 終わってみれば、ブラジルの優勝。あの南米予選のもたもたぶりが嘘のよう。地区予選の好調が必ずしも本戦に結びつかないのだ。一方のドイツも地区予選ではひどかった。両者とも、1次リーグ、決勝Tで調子を上げた。W杯では、チーム全体の運というか各選手個人の調子の上げ(がり)方で結果が左右されることがよくわかる。最後に、フェリペ(ソラリ)監督の手腕も忘れてはいけない。ご存知の通り、この人、磐田の監督だったのだから驚きだ。 さて、これでW杯も終了。いろいろあったけれど、おもしろかった、の1語に尽きる。日本代表についていえば、これを機にどれだけの選手が海外へ進出できるかだろう。中田、小野以外にレギュラーをとれる選手が出てくるのかどうか。終わってしまったW杯の戦績など、これから先は糞の役にもたたないのである。海外クラブからオファーがないようだと、日本代表の将来は暗い。Jリーグだけでは世界に通用しない。いくら協会が海外のチームと強化試合を組んでも効果はあまりない。日本のサポーターもW杯をみて、フレンドリーマッチの位置付けが理解できたと思う。フレンドリーマッチをいくら積み重ねても、実力はつかない。海外リーグで真剣勝負の経験をつむことの方が大切なのだ。日本代表の課題については、この先、ゆっくり書いていくとする。 ともかく、ブラジル優勝、おめでとう! ワールドカップ万歳!
W杯3位決定戦は、韓国が2−3でトルコに負けた。 ところで、準決勝で韓国とドイツが戦う前、ドイツの新聞は「ヒディングのロボットも電池切れ」と、疲労した韓国がドイツに負けることを予想した(テレビ報道で知ったのだが)。「ヒディングのロボット」とはずいぶんと悪意ある表現だが、このオランダ人監督が韓国チームに与えた影響の強さの表現としては、当たっていないこともない。 日本チームもトルシエ監督によって変わったといわれている。韓国代表は「ロボット」と呼ばれたが、日本代表は「トルシエ・チルドレン」である。「チルドレン」には「主体性がない・自立していない」という意味と「育てられた」という2つの意味がこめられている。ヒディングとトルシエ、両者が与えた影響の度合いは、成績に比例して、トルシエはヒディングに及ばない。 サッカーというスポーツは監督の影響を強く受けるもののようだ。そして、監督と選手の間には独特の人間関係が築かれるようだ。監督は契約期間中、それこそ、選手と親子のようにもなり、契約終了後、静かに去っていく。サッカーの監督にはプロそのものの、仕事人そのものの清清しさがある。 次期日本代表監督には、岡田、西野の日本人監督候補に加えて、ドゥンガ(ブラジル)、ジーコ(ブラジル)、ベンゲル(フランス)、ジャケ(フランス)、メツ(フランス)・・・とサッカー界の有名人の名前が挙がっていたが、最近、ヒディング(オランダ)を呼べという声も出始めたらしい。
FIFA会長が今回のW杯を「最高の大会ではなかった」とコメントしたそうだ。試合内容については確かに全試合が満足のいくようなものでなかったかもしれない。 理由はやはり日程的な問題だという。欧州各国のリーグ戦、カップ戦が終了して間もなくW杯に突入し、コンディション調整がうまくいかない選手が多かったらしい。気候的な問題は世界大会なので理由にならないが、サッカーという競技は選手の消耗が激しいものだけに、かわいそうな面もある。主力選手にけが人が多くそれがチームの成績に影響した。選手層の厚い国(チーム)が勝ち残ったということか。 審判問題も課題として残った。審判制度に問題があるという。サッカーがそれほど盛んでない国の審判を重要な試合に登用して失敗したというのが結論のようだ。 W杯はオリンピックと違うのだからプロフェッショナルを徹底するという方向でいいのだろう。
2002年06月26日(水) |
なんとなく勝っている |
サッカーW杯準決勝はブラジルがトルコを1−0で下した。この試合、なんとなくいつのまにかブラジルがゲームを支配し勝ってしまったという感じ。試合終了後のトルコの選手の唖然とした表情が印象的だ。負けたことが信じられない、というような顔だった。 見ているほうも同じだ。勝ったとはいえ、ブラジルは再三の決定機を外したり守備にもミスがあったり、ロナウドは動かないしポストプレーも決まらない。さほどいい出来とも思えないのに、それでも、トルコに得点を与えず、ロナウドの個人技で奪った1点を守り通した。 ゴール前ではむしろトルコのほうが組織的だったのだが、選手がやや消極的で、しばしばシュートチャンスを逃したことが悔やまれる。 これで決勝はブラジルとドイツ。意外な組合せである。どちらも下馬評は低かった。最初の予想では、私もこの2チームが決勝に出てくるとは思っていなかったが、ベスト8からの予想は当たった。私の予想ではブラジルの優勝である。
韓国、ついに力尽きる。準決勝でドイツに0−1で敗退した。相変わらずサッカーが下手なドイツだが、1対1で圧倒的な強さをみせ、韓国の反撃を封じた。韓国は前のスペイン戦、イタリア戦、ポルトガル戦に比べ運動量が減った分、ドイツに余裕を持って守られたようだ。奇跡は4度起こらなかったといっては失礼だが、韓国の驚異的な粘りも4試合は続かない。W杯で優勝するにはやはり、「運」というか「風」というか、説明できない力を必要とするようだ。逆にいえばそれだけ過酷なことなのだろう。 ドイツの勝利は常日頃私が口にする、欧州ゲルマン系サッカーの強さを証明したことになる。思えば、ポルトガル、イタリア、スペインと欧州ラテン系サッカーが韓国に負けたのである。韓国・日本など、アジア勢はゲルマン系サッカーが苦手なのだ。 明日はドイツと決勝を争うチームが決まる。私は決勝がドイツVSトルコであることを望んでいる(その確率は低いかもしれないが)。ドイツ国内のトルコ系移民のことを考えてのことだ。もちろんトルコがドイツに勝ってほしい。
今回のW杯最大の話題は韓国の進撃とそれに伴って発生した審判問題かもしれない。韓国の試合に関しては、テレビで見る限り、ポルトガル戦は問題なし、イタリア戦はホームの利で許容範囲。スペイン戦となると「あれっ」という範囲に入ってくると私は思う。スペインのヘディングシュートはファウルなし、センタリングはオンライン(インライン)であることはビデオで見る限り明らかだ。 ミスジャッジが1試合に2度起こるということは考えにくい。大統領観戦試合では最初からホームの勝ちが約束されていたのか。そんな雰囲気が審判団の中に暗黙のうちに醸成されていたのか。 結論としては、首相、大統領などがサッカーの試合をみにくることは好ましくないというところだろう。サッカーがスポーツを越えてしまう可能性が高いからだ。かつて、スペインリーグ、レアルマドリードVSバルセロナが政治行動の場となったのをテレビで見たことがある。分離主義者がピッチになだれ込んだのだ。幸い、その試合の観衆は政治行動に同調せず、冷静を保った。しかし、次の試合ではどうなるかわからない。観衆が暴徒に変わる可能性をだれも否定できない。韓国でもそうだし日本でもその可能性がある。 国威発揚、ナショナリズム、一体感、サッカーのエネルギーを政治的に領導する勢力はどこの国にも存在する。だから、できるだけ、政治とサッカーを切り離す努力をするべきだ。サッカーがもたらす熱狂は、一つ間違えば、惨事となる可能性を秘めているからだ。サッカーの試合には政治家よ、しゃしゃり出てくるな、といいたい。
2002年06月22日(土) |
理不尽そして非情なるもの |
けさの朝日新聞に、細川周平氏(東京工業大学助教授)のサッカーに関する小論が掲載されていた。この小論は、私がサッカーに抱いてきた感情にもっとも近いものの1つであり、かつ、サッカーの本質をもっとも的確に論じたものの1つだといえる。 細川氏は、≪なぜ日本代表が「夢と希望を与えた」というような大盤ぶるまいの寛大さで讃えられるのかわからない。選手の頑張りを見るだけで感激できるのかわからない。「皆で一生懸命応援できてよかった」というサポーターが信じられない≫と、サッカーファンおよびサッカー報道がつくりあげる現状に疑念を向ける。まさにそのとおり。この疑念の本源には、サッカーというスポーツが理不尽さ、不条理さ、非情さを本質とするものだという、細川氏の鋭い洞察がある。私はこの洞察に全面的に同意する。 細川氏の主張を大雑把にまとめると、サッカーの結果は諸要素の合成によって導かれる合理性によって導かれるものではなく、運に委ねられたものだということになろう。もちろん、世界の一流プロチームと草チームが戦えば結果は明らかだが、少なくとも、世界各地の予選を勝ち抜いてきたナショナルチームが戦うワールドカップでは、勝負は「ときの運」なのだ。私もそう思う。 サッカーでは、まちにまった1点が入ったとき、歓声とともにストレスは解消されるがそれも一瞬のこと、次はリードをいつ失うのかという心配に変わる。リードしていてもされていても同点であっても、観戦中は悲観論が己を支配する。サッカーは、人の及ばない神の姿をボールに代えて見ているのに等しい。そして、勝利、あるいは敗北、はたまた引き分け、あるときは、突然死(Vゴール)、罰(PK戦)などという過酷な体験を経て勝敗が決まる(PK戦とは、決着を回避した者に与えられる罰である)。 だれもしらない神の意思の化身であるボールが主審の笛とともにその手に収まるときこそ、まさに「審判のとき」である。「審判」は、どんなに受け入れがたいものであっても、現実としてわが身に受け入れなければならない。応援するチームが勝っても負けても、やりきれない思いが沈殿する。だから、フーリガンならずとも、暴れてみたくなるというものだ。暴れることができない私のような小心者は、はやく忘れようと努めるばかり。私はサッカーに興味はないの、サッカー、あれは労働者のスポーツさ・・・。 サッカーほど、爽快さ、夢、希望、未来、前進といったおよそポジティブな精神に反するものはない。サッカーほど、努力、献身、自己犠牲が報われないものはない。そして、サッカーほど「わからないもの」はない。だから、人はサッカーに夢中になる。 もし、人が夢や希望や努力や未来といった「物語」を求めたいのならば、サッカーにではなく、なにかほかのスポーツにしたほうがいい。サッカーは必ずや裏切るからだ。もちろん、裏切らない時もある。が、サッカーには「常勝」などあり得ないし、「右肩上がり」という「成長」もない。 いまから10数年前、日本人はすべてが「右肩上がり」であると確信していた。一生懸命努力すれば報われ豊かになれると確信していた時代だ。だが、その確信はバブル崩壊で破綻する。いまの日本人は、努力しても無駄だという虚無感に支配されている。ところが、サッカー日本代表が「右肩上がり」を実践して見せてくれた。日本人はそこに、過去の「栄光」を見た。しかし、いっておくが、それは幻影以外のなにものでもない。「予選落ち」から「予選突破」、つぎは「ベスト8入り」などという「成長」を、ゆめ確信してはいけない。ホームのW杯で運よく「ベスト16」か、次はアジア予選で勝てるかどうかだな、でちょうどいい。サッカーには悲観論こそがよく似合う。 なお、朝日新聞の「敗北を抱きしめる日本人」というタイトルは、この小論の本筋にはそぐわない。細川氏の主張は≪サッカーに頑張りではなく、運に委ねられた私たちの弱い人生を見いだそう。理不尽であるがゆえに、運命を愛することを学ぼう。執念深い運命論者にとっての希望は、そこにこそある≫という部分に集約されているからだ。 今回のサッカーW杯では、日本の予選突破という「勝利」と、ベスト8入りを果たせなかったという「敗北」とが同居している。前者には、過去の「右肩上がり」の幻影をみる不遜な「大人」の、そして、後者には、敗北を抱きしめているさびしい「若者」の、それぞれの思いが重なっている。両者はまるで立場を異にしているようでいて、実はサッカーからもっとも遠い存在であるという一点において同一なのだ。皆でなにかを共有したい(しなければいけない)という集合主義的観点において共通なのだ。だから、不遜な「大人」とさびしい「若者」で構成されているいま現在のサポーターが、「執念深く」サッカーを愛するとは思えない。彼らにとっては、ワールドカップは格好の一過性の夢だからだ。サッカーが日本に根付くのはまだまだ、遠い先の話なのだ。
サッカーW杯、日本代表は16強入りをはたしたものの、トルコに敗れベスト8に残るまでには至らなかった。先のフランス大会では勝点すら上げられなかった日本代表が、予選を第一位で通過したのであるから、快挙と呼べるかもしれない。しかし、フランス大会と自国開催の今大会を同じ位相で比較することは難しい。 もちろん自国開催のチームがすべて予選通過するとは限らないが、ホームというものの認識があまりない日本では、W杯という土壌で単純に比較してしまうようだ。サッカーにかぎらず、日本のマスコミには、スポーツにおける<ホーム・アウエー>の関係を早く理解してもらいたい。これが国民的に了解事項となれば、たとえば、次回のW杯で日本が予選敗退してもショックはすくなくてすむし、今回の大会の「特殊性」も理解できるだろう。 さて、以前このコラムで書いたことだが、今回のW杯は監督にとっても選手にとっても、もっとも「おいしい」大会だった。また、それが両刃の剣であることも確か。負ければそれだけ、責任を問う声が強くなるからだ。このプレッシャーを跳ね除けた面は評価できる。だが、結果論ではなく、それ以上にホームの立場はサッカーにおいて優位なのである。 本大会の日本代表が幸運だった面はもう1つある。それはヒデ(中田)という抜群の才能をもった選手を得ていたことである。彼だけでなく、この世代に優秀な選手が多いことはそのとおりだと思うが、ヒデの存在は日本代表にとって飛びぬけて大きなものだ。彼に比べれば、かつての三浦、ラモス、中山、名波らは及ばない。極論すれば、ヒデの国際サッカーにおける位置と日本代表のそれがシンクロしていると言っても言いすぎでないくらいだ。 さて、トルシエである。彼はプロの監督としての仕事をまっとうし、結果を出した。彼は本大会のもっとも有利な条件である、ホームの意味を知っていた。やはり経験豊かである。しかも、うまく選手をコントロールできた。プロの監督としてやるべきことを、しっかりとやったのである。
2002年06月19日(水) |
トラパット―ニの弱気 |
きのうの韓国vsイタリアでは韓国の勝利に審判が荷担したという見方がイタリア側から出ているようだ。敗戦の言い訳としてはもっともだと思うが、とんでもない言いがかりとはこのことだ。イタリアの敗因はほかでもない、トラパットーニの弱気の虫だ。 1点リードでトップのデルピエロを外しボランチの選手を入れたのだ。逃げ切れると思ったというよりも、逃げねばならぬ、という弱気である。こうなれば韓国はほぼ全員攻撃態勢である。ホームの応援もある。本来FWのチャブンクン(伝説的な韓国の名選手)の息子・チャドゥリを右サイドに入れ、強引とも思われる攻撃に出た。 さらに、イタリアが韓国選手のフィジカルの強さを恐れたことだ。怒涛のような攻撃に耐え切れず、トッティがPAでシミュレーションの反則を犯し二枚目のイエローで退場。これも弱気の結果である。監督の弱気の采配が選手に伝染したともいえる。この試合の審判は、1対1の勝負に寛容である、というか、サッカー本来の肉弾戦と反則をしっかり区別する力がある人だった。トッティがまともに勝負に出ていれば、反則(PK)を取ってくれたかもしれない。 トラパット―ニは鬼才といわれているらしいが、この試合に限って言えば、凡庸以下である。交代でデルピエロのツキまで、逃してしまったのであるから。彼の判断を誤らせたもの、それは韓国のパワーにほかならない。韓国の驚異的な粘り、闘志、気力・・・。こういう試合はもしかしたら、生涯に一度見られるかどうか、というものである。私にとってのベストマッチの1つである。 * * これでベスト16の決勝Tが終了。予想は、ドイツ×パラグアイのドイツ、イングランド×デンマークのイングランド、ブラジル×ベルギーのブラジルを当てたのみ。8試合中5試合を外した。米国、韓国、セネガルのベスト8進出は賞賛に値する。アイルランド、日本は応援という意味で勝利を予想したが、スペイン、トルコの勝ちは順当だろう。 準々決勝は、○ドイツ×●米国、○スペイン×●韓国、○ブラジル×●イングランド、●セネガル×○トルコ、 準決勝は、○ドイツ×●スペイン、○ブラジル×●トルコ、 決勝は、○ブラジル×●ドイツ とみたが、どうだろう。
前半、日本はコーナーキックをトルコに決められ、その後トルコの守備を崩せず、負けた。トルコは余裕のベスト8進出。この試合に限っては、力の差を感じた。 予想以上にトルコのコンディションがよかったのか、日本のシエイプアップに問題があったのか、その両方かとも思われるが、決勝Tで流れが変わったようだ。なお、日本が攻撃のシステムを変えたこと(三都主、西沢の起用)が敗因になるかどうかについては、私は関係ないとみた。 日本のベスト16は健闘。とりわけ、ホームの力が大きかった。これからは、アウエーの試合経験を増やし、スピード、パワーのある選手を育成してほしい。日本はこの大会で予想以上の結果を残したが、欧州勢と比べると、個々の代表選手の力不足は明らかである。個々の力だけではサッカーは勝てないが、フィジカル、センス、スタミナ、テクニックの面でもっと力をつけてほしい。 さて一方、韓国は延長Vゴールでイタリアに勝つという予想外の結果を出した。奇跡に近い。それにしても、韓国選手のスタミナ、気迫、パワーは驚異的だ。これで、ポルトガル、イタリアという欧州の2強を破ったことになるのだから、価値あるベスト8進出といえる。この試合の経過はここに書くまでもない。とにかく、韓国チームのネバーギブアップの精神、監督の捨て身の采配、選手の体力、パワー、精神の充実、そして、サポーターの魂の応援・・・サッカーのすべてにおいて、イタリアを上回った。もちろん、共催国の日本をも上回った。アジアのトップはまちがいなく、韓国である。韓国と日本の差は、大きい。テレビのある解説者が、「日本も韓国のように戦ってほしかった」という言葉がすべてを言い尽くしている。
決勝Tの予想が早くも外れてしまいました。セネガルが延長でスウェーデンに勝ち、スペインがアイルランドにPK戦で勝ち。スペインはともかく、セネガルはすごい。スウェーデンの堅守を崩せないと思っていたのですが。ここまでくれば、実力は紙一重、勝ち負けは運不運ということなのかもしれません。 そして、きょうは、強いと思ったメキシコが米国に負けるというこれまた、予想に反する結果に。 ブラジルVSベルギーは2−0でブラジルの勝ち。結果から見るとブラジルの圧勝、順当勝ちのようですが、ベルギーのほうが終始押していました。とくに前半、ウオルモッツのゴールかと思われたヘッディングシュートが反則で幻に。あれがファウルかと思われるシーンでした。ベルギーが多かったチャンスで決めていれば、という一戦でした。セレソンが底力発揮と言いたいところですが、チームバランスがいま一歩、と言ったほうが正確でしょう。
2002年06月15日(土) |
1次リーグを総括する |
まず、予想と結果の比較です。A組はデンマーク、セネガルで、フランス、ウルグアイとした予想は大外れ。B組はスペイン、パラグアイで大当たり。C組はブラジル、トルコでここも大当たり。D組は韓国、米国で米国の2位を当てたけど、ポルトガルが外れました。1位韓国とは驚きです。E組はドイツ、アイルランドで大当たり。F組はアルゼンチンを外しました。スウェーデンが1位とは。G組はメキシコを外しました。クロアチアは残念。H組は日本を外しました。ロシアが・・・。 というわけで、予想が当たったのはB組、C組、E組の3グループのみ。やはり、ワールドカップは何が起こるかわかりません。 番狂わせはA組のフランス、D組のポルトガル、F組のアルゼンチン。あれっというのが、クロアチア、ロシアでしょうか。でもクロアチアはメキシコにやられたのだから、仕方がないでしょう。ロシアはホームの日本にやられました。 * * さて、次に、改めて決勝トーナメントの予想に行きましょう。 ○ドイツ×●パラグアイ、○メキシコ×●米国、○アイルランド×●スペイン、○イタリア×●韓国。 ○イングランド×●デンマーク、○ブラジル×●ベルギー、○スウェーデン×●セネガル、○日本×●トルコ。 準々決勝は、 ●ドイツ×○メキシコ、○アイルランド×●イタリア ○ブラジル×●イングランド、●日本×○スウェーデン 準決勝は、 ○メキシコ×●アイルランド、○ブラジル×●スウェーデン 決勝は、 ●メキシコ×○ブラジル ブラジルの優勝と見ます。 * * トルシエ・ジャパンについては、選手選考からフラット3、攻撃力のなさなど、散々文句を言ったけど、予想に反して1次リーグを突破。私のコメント、指摘はことごとく外れてしまいました。ホームの力はすごいもの、ということを改めて知った次第。
2002年06月14日(金) |
タレントは豊富だが、チームは二流 |
日本がチュニジアに完勝してベスト16を決定。チュニジアは精彩を欠き日本の危なげない勝利。一方、韓国では、韓国vsポルトガルが予選突破を賭けて激突。たいへんな試合だったけれど、それ以上に皮肉な試合だった。米国がまさかのポーランドに3点と大量リードをされているという展開。それを知ってか知らずか、ポルトガルは2人の退場者を出し韓国に1点をとられ敗れ去った。ドローならば韓国、ポルトガル両方とも予選突破であったというのに・・・ 9人になってからのポルトガルの捨て身の攻撃はすごかった。決定的チャンスが3回あった。9人で1点返したとしたら、それこそ奇跡だったのに。 この試合、審判はアルゼンチン人。南米の審判は・・・と言いたいところだけれど、この試合に限っては、公平な笛だった。もちろん、ポルトガルの選手達はそう思わないだろうが。 こうまで乱戦になった理由はなんだろうか。私見では、韓国の強い当たり、しつこいチェックだろう。ポルトガル選手がタックルで倒されるシーンが続出した。もちろん、正統な当たりであるから審判は笛を吹かない。この状況にポルトガルが冷静さを失った。アジアの無名選手に倒され動きを封じられ、プライドが高い彼らは無意識にか意識的にかわからないが、反則に出た。もちろんアウエーのプレッシャーもきついのだろう。 ポルトガルは選手もベンチも、アメリカが大量リードされていることは知っていただろう。知っていながら、自分達のほうが格上であることをみせようと焦ったのである。優勝候補にあげられほどの才能がありながら、自分達のプライドに溺れ、冷静さを失い、無用な一対一の勝負に勝とうとした。韓国だって、いや、ワールドカップはそれほど甘くない。まして相手はホームの韓国である。 フィーゴは大好きな選手だし、ポルトガルに勝ち残って欲しかった。けれど、彼らは負けるべくして負けたのである。ポルトガルはタレントは多いが、チームとしては二流である。
2002年06月13日(木) |
アズ―リー、のこった。 |
イタリアがメキシコと引き分けてベスト16入り。辛うじて残った。クロアチアがエクアドルに負けたので勝点1差。トッティに代わって出たデルピエロの得点、まさに救世主とはこのことか。それにしても、メキシコの調子がいい。リズムに乗ったパス回しは素晴らしい。メキシコはボルゲッティの得点。このFW、なかなかのもので本大会の注目株。 このグループの予想はイタリア、クロアチアだったから、ここも外れ。 * * ブラジルに次いで、トルコもベスト16を決めた。ここは私の予想通り。 残るは韓国が入っているDグループ、そして、日本のH組だけ。段々ゲーム数が少なくなって、なんだかさびしい気がしてくる。ずーと、リーグ戦を続けてくれたらいいのにと思うが無理か。
優勝候補におしたアルゼンチンが予選敗退。イングランドに0−1で惜敗したときにこの結果は予測できたが、スウェーデンが予想以上に手強かったということか。フランスに次いで、いやスター軍団という意味ではそれ以上のアルゼンチンの敗退は、サッカーが改めてチームスポーツであることを教えてくれた。 いい代表チームをつくることはいま、より困難な状況にある。スター選手は外国のリーグに所属しているため、ワールドカップ前の数試合のテストマッチで調整しなければならない。優秀な選手であればあるほど試合数が多く、けがや故障を抱えている。日本・韓国にたどりついたときには、満身創痍という選手も少なくない。とはいえ、こうしたハンディはどこの国も同じだ。そうなれば、コンディションづくりに成功したチームが勝つということになるが、それはどのスポーツでも同じか。無理なく調整できる国、つまりホームが優位。今回W杯の優勝は日本韓国のどちらか、次回の優勝国はドイツに決定だ(笑)。 * * スペインVS南アフリカは3−2でスペインの勝ち。すでにベスト16を決めているスペインは主力を温存。南アは引分けでベスト16なので、あんまり熱の入らないゲームになるのかと思ったら、大逆転を狙うパラグアイが健闘して結果的に南アを追い詰め、南アがこの試合を落として、総得点差で予選敗退が決定した。 実況アナの、南アはパラグアイの勝利を知らないのでしょうか、という心配の声、最後まで届かず。試合終了直後、南アの選手たちは予選突破と思っていた感じがしてなんだか哀れであった。選手には情報が入っていない、ということらしいが、そんな馬鹿なという気持ちがする。2−3で負けても大丈夫と南アのベンチ・選手が思っていたとしたら、初歩的情報戦における大きなミスといわざるを得ない。それにしても、いろいろあるのが今回のワールドカップ、アンビリーバブル!
フランスが負けた。予選リーグで勝ちなし。得点なし。前回優勝は地元の利、フロックといわれかねない。大会直前のジダンの負傷、メンバーの高齢化、監督の才覚などの面で、王者の座は守れないと思った人もいただろうが、私も含めて、予選敗退はだれも予想しなかったのではないか。 思えば初戦がすべてだったのかもしれない。セネガルというチーム、いや、フランス人にとって「セネガル」がどういう意味をもつものなのか――が、われわれのような他国民には、理解できなかったのだ。フランスチームの民族構成(アフリカ系移民の選手)、フランスと旧植民地国との関係、フランスリーグにおけるアフリカ系選手と欧州各国リーグの関係・・・フランスがアフリカと密接な関係にあることが、もしかしたら、前回の優勝と今回の敗退の両方をもたらしたのだ(としたら)。 いま思えば、セネガルから喫した敗北は、フランスチームに想像以上の打撃を与えたのではないか。 同じくグループAのウルグワイも敗退した。今日のセネガル戦は不思議な展開だった。3点とられて3点とってのドロー。結果からいえば、バランスが悪いのだけれど、追い上げた気迫を評価すべきだろう。ニュースに何度も流れたシーン、あのヘディングシュートが入っていれば・・・と惜しまれる。 さて、アイルランドの調子がいい。エース、ロビー・キーンの離脱で厳しいと思われたが、こちらは敢えてロビー・キーンを外したマッカシー監督の手腕が光る。サッカーがチーム力で戦うことを、改めて、教えてくれた。強豪のひしめくグループEでの予選突破は立派なものだ。 同じグループEでは、不調といわれたドイツが勝ち残った。このチーム、GK、カーンの存在が大きい。いかつい顔は強い意志を感じさせる。私はこういうタイプの選手を嫌いではない。キーパーというポジションには向いている。 どれも厳しい試合ばかりだ。まさに、サバイバル。ワールドカップは面白い。
2002年06月10日(月) |
「引き分け」の味わい |
昨日は日本がロシアに勝って、日本中が大騒ぎになった。日本中がこんなに盛り上がったのも久しぶり、というか過去になかったのではないか。サッカーのおもしろさ、魅力が浸透してきたことは、1ファンとして、うれしいの一語に尽きる。 さて、まだ予選リーグが終わったわけではないが、忘れないうちに書いておきたいことがあるので、中途半端な時期ではあるけれど、書いてみた。 「引き分け」についてである。私は、Jリーグが「引き分け」をなくし「延長Vゴール」というローカルルールを採用していることを一貫して批判してきた。かりに、このW杯の予選リーグに「Vゴール」が採用されていたとしたら(絶対に採用されることはないのだが)、予選リーグはこんなにも盛り上がることはない。いま日本中のあちこちで、勝利3、引き分け1の勝点計算が話題の中心だ。そればかりではない。肝心のゲームでも「引き分け」のゲームプランもあることを知ったと思う。勝ち残りの決勝トーナメントでは、VゴールやPK戦の決着が当然。しかし、リーグ戦では「引き分け」があり、それがサッカーの深さ、面白さを増すのである。 サッカーはカタルシスのスポーツである。人間の文明進歩の象徴である手を奪われたこの競技では、ミス、ハプニングが連続する。点もなかなか入らない。その結果が引き分けに終われば、われわれ観衆の欲求不満は頂点に達する。だが、それがサッカーなのだ。「勝ち」があって「負け」があって、「勝ち」に等しい「引き分け」があって、「負け」に等しい「引き分け」がある。格上の相手に引き分ければ、勝利にも等しい、アウエーで引き分ければ勝利にも等しい、そしてその逆も・・・というわけで、かくも複雑な気分を共有することこそが、真のサッカーファンなのである。
メキシコvsエクアドルの中南米対決はメキシコが2−1で勝利。メキシコは、スピードあり技術は高く守備は安定しているといった具合で、なかなかのチームだった。なかで9番のボルゲッティが光った。ゴールを決めたが、後半30分で途中交代。最後まで見たかった選手である。 一方のエクアドルは初出場ということもあり、経験不足なのか、実力を発揮できなかったように思う。FWにいい選手がいた(が名前を覚えられなかった)。 このグループ、メキシコが一歩抜け出した。さあ、次は日本対ロシアである。 * * 日本が勝った。歴史的な勝利である。といっても、この勝利はホームならではのものといえる。つきもあったし、判定も有利だった。 勝利の分析をしよう。まず審判がドイツ人だったことだ。ドイツの審判だと聞いて不思議な安堵感があった。ドイツはロシアが嫌いである。ドイツ人はロシアより日本のサッカーのスタイルのほうが好みである。南米の審判のような独善性もない。ホーム優位の笛は欧州のお約束である。 二番目は、ロシアの弱点は精神力だといわれていたが、そのとおりだったことだ。ロシアの若いFWは大歓声の前に萎縮して、力を出し切れなかった。決定的なシュートを外したりもした。 三番目は、ロシアのパス中心の戦略が体格に劣る日本には脅威ではないことだ。ロシアがパワープレーに転じていたら、わからなかった。 最後に、モストボイの欠場も日本優位に働いた。カルピン〜モストボイのセルタコンビが健在だったら、ロシアの攻めはあんなに右(日本の左)に偏ることはなかっただろう。日本が左を固めたことが勝因の1つである。 いろいろあるけど、「ホームの力」が一番である。
アズ―リーが負けた。相手はクロアチアである。古代、バルカンの住民はローマ帝国の傭兵として帝国のために戦ったというが、この試合、まさに傭兵の叛乱である。 ゲームは前半、そして後半の立ち上がりからイタリアが優勢、ビエリが先制ゴールしイタリアペースかと思われた。ところが、クロアチアが持ち前の馬力で徐々にイタリアを圧迫、ついに、1点を返すや間髪をいれずにラバイッチのビューティフルゴールで逆転。体力と馬力が精密機械を粉砕したような展開となった。イタリアも惜しかった。後半終了間際のトッティのFKがゴールポストに、ロスタイムにはゴールと思われたシーンがあったが、副審のアピールで反則に。 このグループも混戦模様。メキシコも含めて三つ巴。予想ではイタリア、クロアチアとしたのだが、ここも怪しくなってきた。
サッカーW杯の予選リーグの組み合わせが決まったのは昨年のこと。私はそのとき、優勝までを次のように予想しBBSに掲載した。2001年12月2日の予想の原文を再掲してみよう。 * * A組1位フランス、2位ウルグアイ、B組スペイン、パラグアイ、C組ブラジル、トルコ、D組ポルトガル、米国、 E組ドイツ、アイルランド、F組アルゼンチン、イングランド G組イタリア、クロアチア、H組ベルギー、ロシア。 決勝トーナメント1回戦は、○ドイツ×パラグアイ、○イタリア×米国、○アイルランド×スペイン、 ○ポルトガル×クロアチア、○フランス×イングランド、○ブラジル×ロシア、○アルゼンチン×ウルグアイ、○トルコ×ベルギー 準々決勝○イタリア×ドイツ、○ポルトガル×アイルランド 、(ここで私の好きなチームが当たってしまうのだ。)、○フランス×ブラジル(前会の決勝と同じ)、○アルゼンチン×トルコ。(残念ですね、みけさん・hideさん) 準決勝は○ポルトガル×イタリア、○アルゼンチン×フランス 決勝は○アルゼンチン×ポルトガル、 で優勝はアルゼンチン。 (ホームの韓国・日本、ともに予選通過ならずとみましたが・・・) というわけで、予選リーグの予想ははずれそうな可能性が高い。とくにフランスが敗退するとなると、早々とすべて狂います。トホホ(涙) * * 今日は注目のイングランドVSアルゼンチン。結果は1−0でイングランドの勝ち。観戦して最も疲れた試合の1つ。アルゼンチンが何かやってくれるだろう、と期待し続けて90分が終了してしまった。ふー。疲れてなにも書けません。
初戦敗けたもの同士、フランスvsウルグワイは0−0の引き分け。フランスは主砲アンりを一発レッドで失い、試合の大半を10人で戦わざるを得ない状況に追い込まれた。しかも、この試合、負けたほうが予選リーグ敗退が決まるというもの。お互い反則が多く、レッドが1枚、イエローもかなり出た。 私はウルグワイのファンである。この国にはレコバ、ダリオ・シルバなど、個性的なタレントが多い。伝統的に守備が強く、一時はブラジル、アルゼンチンと並んで南米の三強と呼ばれたこともあった。ここ数年は戦力を落とし、今回も南米予選最下位、アジアとのプレーオフで出場国となった。 さて、一人多いウルグワイだが、攻撃はカウンター狙い一本。積極的な攻めは見せなかった。フランスとは引き分けて最終日の対セネガル戦に全てを賭けるという作戦なのか。というわけで、一人少ないフランスが終始優勢。なんだが理解に苦しむウルグワイの戦いぶりである。結果、両チームともこの試合での予選敗退は決まらなかったものの、依然苦しい。とくにフランスは2試合を通じて無得点。最終日、総得点差で予選敗退もあり得る。
2002年06月05日(水) |
やったぜ、アイルランド |
ドイツvsアイルランドは1−1。ロスタイムでアイルランドが追いついた。ロビー・キーンの一発である。それまで、チャンスをことごとく、ドイツのキーパー、カーンの好守に阻まれていた。厚い壁を最後に破ったのだ。アイルランド万歳。ドイツの予選リーグ突破を阻んだ。それにしても、タフな試合であった。 アイルランドは別として、今日は日が悪い。ポルトガルがアメリカに負けた。テロ事件の後という時局、こういうときのアメリカは強い。ポルトガルが予選敗退など、考えたくもないのだが。 また、HグループのロシアVSチュニジアは2−0でロシア。0−0の引き分けがベストだったが、さすがロシア。しっかり勝点3をとったか。
私の予想は、ベルギーの2−0勝利だった。この予想は外れた。日本代表、ゴメンナサイ。 苦手、欧州のゲルマン系チームと引き分け。あわよくば勝利というところまでこぎつけた。ホームとはいえ、勝点をあげたことは、歴史的快挙かもしれない。それにしても、ベルギーはしぶとい。負けない。 この試合、完璧とさえいわれたベルギーの守備にほころびが出た。コンディション維持がやはり難しいのか。こうなると、Hグループは混戦になる。 さて、日本代表。あいかわらず守備の連携が悪い。ラインを上げるタイミングというか、ゴール前のオフサイドトラップは読まれているようだ。クロスボール、ロビングボールは遠くへクリアしたほうが安全なのではないか。それから、フリーキック対策も甘い。日本はゴール前の混戦に弱いのかもしれない。 次はロシアだが、ベルギーよりは勝機があるとみている。モストボイの調子が悪いようだし、細かいパスを回す相手だけに、プレスがかけやすい。
イタリアが初出場のエクアドルを一蹴。フランスの二の舞にはならなかった。それにしてもイタリアは不思議なチーム。どこに力の源泉があるのかわからない。確かにビエリはパワーあふれるFW、点取り屋の本領を発揮した。でも印象としては、ローマ帝国の密集軍団を思わせる組織力が持ち味か。いつのまにか、イタリアが勝ってしまった、という試合だった。 ブラジルはラッキー。トルコは不運である。ビデオで見ると、あれでペナルティーはひどい。審判のミスジャッジである。トルコを応援しているのに、残念である。 * * ところで、またもチケット問題が発生。FIFAという組織、別名サッカーマフィアというそうだが、トラブルの元となっているバイロム社との関係は「真っ黒」という噂だ。フーリガンを取り締まる資格はない、というよりも、チケット問題でフーリガンを育成しているようなもの。サッカーもきれいごとでは済まないのが実情だろう。とはいうものの、マフィアが壊滅できないのと同様、FIFAの改革もむずかしそう。とにかく、現時点では、トラブルがゲームに及ばないことを祈るしかない。
と呼ばれるF組初戦はアルゼンチンが1−0でナイジェリアに勝利。これまた、レベルの高い試合だった。アルゼンチンは私が優勝と予想したところ。大好きなベロンがいるからだ。オルテガのスピードあふれる、右サイドラインからの攻撃が光った。決勝点はベロンのCKをバティが決めたもの。まるでお約束どおりのよう。でも、圧勝というわけではない。さすが、ナイジェリアである。 野球と違って、サッカーには勝利の方程式など存在しない。なにが起こるかわからないのだ(ま、野球の場合でも方程式が崩壊することはあるけれど)。野球の場合にはその確率が何%かであるのに対し、サッカーは確率を計算することすらできない。 * * このグループの第二試合はイングランドVSスウェーデン。結果は1−1の引き分け。人気者のイングランドのベッカムが出場(後半すぐに交代)した。 試合は前半とばしすぎのイングランドが後半息切れして、しぶといスウェーデンに追いつかれた。それにしても厳しい試合である。ガチンコの白兵戦、テレビ観戦なのに、骨と骨がぶつかり合う音が聞こえてきそう。欧州勢のサッカーの真髄を見た。このあたり、前にも書いたように、日本サッカーに欠けている激しさ、「ゲルマン系」と私が表現しているプレイスタイルである。もちろん、「ゲルマン系」といっても人種を指しているわけではない。イングランドの場合、アフリカ系イングランド人が多いし、今回出場を逃したオランダも旧植民地出身者を含んだ多国籍軍である。それでも、イングランド、オランダで好まれるプレイスタイルが色濃く残るのである。スウェーデンもしかり。 この試合を見ていると、サッカーとは「高い・強い・速い・激しい」である。無論、「巧い」がないわけではないが、「巧い」はベッカム一人というのが実情なのかもしれない。11人がベッカムでも勝てないし、ベッカムがいなくても勝てない。サッカーは不思議なスポーツである。
2002年06月01日(土) |
がんばれアイルランド |
日本におけるサッカーW杯の開幕戦、アイルランドVSカメルーン。結果は1−1の引き分け。試合経過としては、前半は圧倒的にカメルーンの優勢、アイルランドはこのまま押し切られるのかと思ったところが、後半7分、ホランドのミドルシュートで同点に追いつく。さすがしぶとい。アイルランドはご存知の通り、中心選手のロイ・キーンが監督と衝突したとかで戦線離脱、日本でいえば、ヒデが抜けたような状態での本戦突入である。 私はアイルランドを応援している。理由はいろいろあるけど、一言でいえば、この国に親密さを感じているからである。アイルランドは予選で好調だった。とくに強豪オランダを撃破しての二位(一位はポルトガル)である。予選の調子を維持していけば、大会の予選通過も不可能ではないけれど、それも、ロイ・キーンがいての話だった。ところがところが、アイルランドは強い。まず、体力・スピードが終盤にきても落ちない。ロイ・キーン不在を感じさせなかった。 いい試合であった。両方ともミスがない。後半からやや引き分けを意識した展開のようにもみえたが、とりわけ、守備の良さが光った。 * * 次の試合、ドイツVSサウジアラビアは8―0という大差でドイツの勝ち。これは実力の差というより異常である。アジアのレベルは低いと言われているが、この点差ほど低いとは思いたくない。ただ、解説者が指摘していたように、プレスがなく、しかもボールのでどころにチェックを入れないようなサッカーでは欧州勢に通じない。戦術、とりわけ、守備の意識のないサウジアラビアというチーム、リーグ戦全敗は避けられまい。 ドイツはけが人が多く調子もよくない、と聞いていたのだが、この試合だけではわからないけれど、この勢いで予選を突破するかもしれない。
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