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2006年04月21日(金) |
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Agnus Dei |
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明け方に近い真夜中。
七里ガ浜のセブンイレブン。 砂の浮いた駐車場。
CBのシートに跨ったまま携帯の液晶を見つめる。
青白いバックライトの中で女が微笑む。 僕は携帯を閉じ、ジーンズの尻ポケットにしまった。
夜中に徘徊する癖が抜けない。 蛍光灯やナトリウム灯に輪郭を縁取られた街を走るのが好きだ。
真っ暗な海の気配。 厚い雲の向こうに光る月。
幾重にも色を重ねた油彩のような夜が好きだ。
彼女はこの海を知らない。
僕は教えない。
彼女はこの空を知らない。
僕は教えない。
ヘルメットをかぶり、セルを押す。 一瞬迷ってから江ノ島方面にバイクを向けた。
あと、ほんの少しで夜明け。
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2006年04月18日(火) |
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サイカイ |
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サイが死んでからなんとなく、ここで日記を書くことを罪悪のように感じてた。 かといってこの場所を放棄した途端サイとの関係が一気に消えそうで、月一くらいの割合で雑文を残してみたりもしてた。
昔ここで知り合った女の子と久々に話をしてたら、もう一度ここで何かを綴ってみたいとふいに思った。
君はたった二年で眩しいくらいキレイになり、 あの娘は冷たい地面の下でキレイなまま眠り続ける。
僕の頬には大きなシワができた。
もう一度言うよ。
この場所がEden。
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2006年04月05日(水) |
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架空の湿度 |
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桜の散る夜の 静寂の雨の中
瞳の中に星が 放物線を描く
しんしんと降り注ぐエーテルの その架空の湿度が 僕と君の体をべったりと濡らす
君は嘘ばかりつく キレイな嘘だからしかたないね
君は嘘しかつかない 本当にキレイだからしかたないね
ただの勘違いにどんなに美しい名前をつけても無駄だよ
桜の散る夜の 静寂の雨の中
瞳の中に星が 放物線を描く
桜の散る夜の 静寂の・・・
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