妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2013年09月30日(月) |
『ウォーム・ボディーズ』(映) |
【監督:ジョナサン・レヴィン アメリカ】
色々ゾンビ映画ありますが、ゾンビ視点で、そのゾンビの青年が人間の女の子に恋をするっていう話し。
自分の名前も生きて間のことも何もかも忘れてしまった、Rがある日出合った女の子ジュリーに一目ぼれして、その関係が他のゾンビたちにも影響を与え始めてゾンビが人間に戻っていくっていうだけなんですが、散々無情なゾンビ映画観てきたあとだとシンプルに感動します。
ま、食われたジュリーの彼氏の立場!と思わなくもないが。
ゾンビ映画のひたすら被害が拡大してあとは滅亡するのみみたいなところから、どう回復するのかっていう問題に、それは愛だ!という形で答えたこの映画は脱力するほど甘いけど、主演の二人が可愛いから、ま、いいかという。
Rとジュリーって名前からして、ロミオとジュリエットを意識してるんだけど、悲劇的結末ではなくあくまでもみんな納得のハッピーエンド。
あのガイコツ集団は、ゾンビの成れの果てだったんでしょうかねぇ。 どうせならガイコツ集団も助けてあげてもらいたいですが、それこそ甘いですか。
2013年09月26日(木) |
『ペンギン・ハイウェイ』(小) |
【森見登美彦 角川文庫】
どきどきしてはらはらして、モリミー史上最も切ない初恋物語。 夏休みに読みたかったです(ないけど)
小学4年生のアオヤマ君と不思議なお姉さんと、街に突然現れたペンギンたちと不思議な「海」。 摩訶不思議な光景はいつもの森見小説だけど、主人公アオヤマ君の視点から語られるそれらはわくわくの冒険譚でいつものダメ大学生とは大分印象が違う。
萩尾望都のコメントどおり、読み終わるとアオヤマ君を抱き締めたくなる。
『郵便少年』のアオヤマ君と同じなのかな。やっぱり。 あのアオヤマ君は3年生だった。
2013年09月16日(月) |
『サイド・エフェクト』『ウルヴァリン SAMURAI』(映) |
【監督:スティーブン・ソダーバーグ アメリカ】
あ、『マジック・マイク』の監督だったのか。あと有名どころでオーシャンズシリーズ。 サスペンススリラーにあたるんですが、意外性に乏しいというか、あんまりはらはらしないというか。 出演者は豪華ではあります。
うつ病により自殺未遂を起こしたエミリー(ルーニー・マーラ)が精神科医バンクス(ジュード・ロウ)に処方された薬の副作用で、夫(チャニング・テイタム)を殺してしまうという話し。 本当に副作用のせいなのか、エミリーはうつ病だったのか、などがサスペンスの内容。 バンクス医師のファーストネームがジョンなので、ジュード、またジョン医師だよ(ワトソン以来の)、と妙におかしい。 最近出まくりな気がするチャニングがわりとあっさり死ぬので、そんな簡単に死ぬような肉体じゃないだろ!という気持ちになる。
精神病がらみのサスペンスにしてはもやもやしない終わりだとは思います。
+++++++ 【監督:ジェームズ・マンゴールド アメリカ】
壮大なスケールのヒーロー映画が続く中、今回の舞台は日本で、ウルヴァリン自身も不死身とは言え飛んだりビーム出したりするわけではないので、規模としては大きくはない。 でもそのハードボイルド感がウルヴァリンの魅力と言うことで。 今回ほぼ、日本なので任侠感もあるようなないような。
確かに不思議な日本満載と言えるけれど、日本ロケしただけあって景色は今までの映画の中ではかなり忠実。 その忠実な中にちょっとチガウヨ、という日本解釈が入りファンタジーな日本が完成していてそれだけでも面白い。 日本人エキストラ使えばいいのに!ってちょいちょい思うくらいモブの人たちのセリフがおかしい。おかしいというほど変じゃないけど、あってるけど違う!という気持ちになる。 せめて原田役の人、もう少し日本語できる人……。
ZEROの内容はあまり関係なく、これ一本でも楽しめる。
今回はあまりミュータントが出てこないし、敵に一人いるミュータントともそれほど直接対決しないので、本当にウルヴァリンの物語だなぁという印象が強い。
遠慮しないで忍者はもっと手裏剣とかクナイ投げてもらっていいのになぁ。 ヤクザに関してはすげぇ根性だな!の一言に尽きる。
エンディング後のシーンでキターっ!てなりました。 次回作も楽しみです。
2013年09月11日(水) |
『マン・オブ・スティール』(映) |
【監督:ザック・スナイダー アメリカ】
映画化ではマーベルに押され気味のDCヒーロー。 ダークナイト三部作が終わって、次はスーパーマンが満を持してなのかなんなのかわからないけど、リブートされました。
リアリティ重視とか暗いとか、逆にアクションは凄いとかそういう感想はいっぱいあるからそこには触れず。
ここ最近観た、地球の危機の中では一番規模がでかくて規模大きすぎて意味分からん、とは思いました。 日本列島改造論ならぬ地球改造計画。
これ一作だけでは判断しかねる、そういう映画だなぁと。 ゾッド将軍との決着のつけ方に対して、その後クラーク・ケントがどう受け止め生きていくかが描かれるであろう次回作が本番になってくるような気がしますが、描かれなかったらどうしよう。 バッツとの友情物語になってても私はいいですが。
将軍との決着のつけ方は観てる側にしてもじゃあどうすりゃよかったんだ、という思いが棘のように残ってそれはそれでいいんじゃないかなぁと。 ただ、父親の件は……助けてもよかったんじゃ……と思わなくもない。 父親はジョナサンよりジョー・エルの方が描かれてた気がします。実際に影響与えたのはジョナサンのほうだと思うけど。
しかし、ヘンリー・カビルはすごいいい身体なんですが、いかんせんクリプトン星の技術力が素晴らしすぎてスーツが破れないというのが残念です。しみじみ。 スーパーマンめったに流血もしてくれないし。
2013年09月10日(火) |
『四つの署名』(小) |
【コナン・ドイル 訳:延原謙 新潮文庫】
遠い昔に読んだので内容はさっぱり覚えてませんでしたが、改めて読むと長編は推理小説というより冒険小説の雰囲気強いんだなぁと思いました。 ま、そんなこったどうでもいいですね。ホームズだもの。
いつものように事件がなくて暇を持て余しているホームズの元に事件を持ち込んだメアリー嬢。 ホームズが喜び勇んで捜査しているその後ろで着々とメアリー嬢と愛を育んでいるワトスン君。 ホームズ後ろ後ろ!と言いたくなる。
結果的にワトスン君は結婚しちゃうわけで、ホームズがんばれという気持ちになる一作。
しかしBBC版とかガイ・リッチー版観た後に読むと、寝ようとするワトスン君に、バイオリン弾いてあげるホームズ優しい!紳士!!と感動もひとしお。
2013年09月09日(月) |
『アイザック・アシモフ コンプリート・ロボット』(小) |
【アイザック・アシモフ 訳:小尾芙佐 ソニーマガジンズ】
39年から77年にかけて書かれたロボット物の短編を一冊にまとめたもの。 アシモフ先生が92年になくなってるので、この本が出たあとにもロボット小説書いているかどうかはわかりませんが、ほぼ全部なのでは。 内容は年代順ではなく、ジャンルごとにわけられそれぞれにアシモフ先生のコメントつき。
アシモフ先生いわく「脅威としてのロボット」と「哀れなものとしてのロボット」の二つのパターンにわけられるということですが、物語としては後者のほうが好きです。 部分的にはもうすでにアシモフ先生が想定したものよりもロボットは先に行っているところもあり、アシモフ先生があくまでロボットは社会に受け入れられないだろうものとして書いているけれど、工場にも家庭にもロボットは入り始めている今日を先生が見たらどんな小説書いただろうなーと思います。
31編収録されているので気に入ったのだけ取り上げますね。
「思わざる勝利」 惑星探査にやってきた三台のロボットのうち、無邪気な一台がとかく可愛い。 他の二台もあいまって可愛い。
「うそつき」 スーザン・キャルヴィンものの一編。 スーザンが一番不憫な一話。
「お気に召すことうけあい」 あまりヒューマノイド型は登場しないのだけれど、これに登場するのはハンサムなヒューマノイド型執事。 当然、ロマン寄りな話しに。そりゃ恋するよ。
「二百周年を迎えた人間」 なんとも悲しいような切ないような。 人間になりたいロボットの話しをみるたびに、いやそんないいもんじゃないよ・・・と。
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