妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2011年09月30日(金) 『ゴーストハント5 鮮血の迷宮』(小)

【小野不由美 メディアファクトリー】

久しぶりに学校を出て、幽霊屋敷へ。
殺人の起こる館というと、中村青司が設計したんでないの?とついつい思いますが……。

巻を追うごとにというか、最初からキャラ多いんですが、どんどん増えて、そんなに増えなくても……。
多いなりにそれぞれなんとなく出番があるのはさすがですけど、ジョンとか綾子ってたまには置いてきてもいいのでは。

もう少しばんばん、人が消えるかと思ったんですが、よく考えるとホワイトハート文庫だったんだから、そんなガチではやらないよな。
それでも今までの中では一番、陰惨な方。
(『屍鬼』とか『魔性の子』と比べるとそりゃあねぇ)

ナルのことばかり気にかけていたら、実は麻衣って、ということがいきなり放り込まれて、してやられた。
ずっと気にしていた、麻衣って学校とか家どうなってんの?にも一応の回答が用意されていて、さすがに抜かりなかった。小野主上。


2011年09月26日(月) 『ゴーストハント4 死霊遊戯』(小)

【小野不由美 メディアファクトリー】

今回も舞台は学校。
麻衣はいつ学校へ……と気になりつつも無視することに。

巻を追うごとに事件がでかくなっていき、今回はかなり危険なところまで。
舞台になった高校の校風がなんとなく母校を思い起こさせ、幽霊関係ないところで悲しいような気分になりました。

麻衣の能力はだんだん強くなってきてるけど、綾子は役に立たない人のままで行くの?あと三巻しかないよ?
今回、ナルの出番がやや少なかったような印象。


2011年09月23日(金) 『有頂天家族』(小)

【森見登美彦 幻冬舎文庫】

堅物だけど小物な長男、井戸の中に引きこもって蛙になった次男、阿呆なマイペース三男、すぐに尻尾が出てしまう四男、という狸四兄弟とその母親、下鴨一家の物語。
語りは三男。
老いぼれ天狗や、元人間だった天狗・弁天やら、金曜倶楽部などが入り乱れて、今回も京都を騒がせています。
とにかく狸兄弟がふかふかころころと可愛らしい。
基本、人間に化けているのだけれど、時々尻尾が出るのが愛らしい。
三男と赤玉先生の素直じゃないやり取りも可笑しく可愛いし、元許婚の海星も可愛い。
可愛い可愛いと思っていたら、偉大な父親の死の真相がわかったり、しんみりさせる。
下鴨家の話はまた読みたいです。


2011年09月20日(火) 『探偵はBARにいる』(映)

【監督:橋本一 日本】

原作は読んでいないけど、ご当地作家、東直己のススキノ探偵シリーズ。
なぜか原作は『バーにかかってきた電話』の方。
地元民がこぞって観に行っている模様。
何しろ、ロケ地はほぼススキノ界隈。
映る場所映る場所、ああ、あそこあそことなる。
内容そっちのけでロケ地確認がおもしろくなってくる。

中身はオーソドックスな、ハードボイルドもの。
大泉洋ががんばっている。
私としてはもう少し、三枚目でたまにかっこいいくらいの路線でいいのになぁと思いますけど。
割と二枚目感を強調してたように思います。
二作目もがんばってもらいたい。
松田龍平とのコンビもよかったと。


2011年09月18日(日) 『砂漠』(小)

【伊坂幸太郎 新潮文庫】

大学生5人組の青春小説。
伊坂なので、そこに通り魔とか窃盗犯とか超能力とかが絡んでくるのだけれど、5人たちの熱いわけでもないけれどかけがえのない学生生活。
平凡とは言いがたいけれど、どこか覚えのある雰囲気で、伊坂作品では一番身近に感じる話しだったように思う。

伊坂作品に時々出てくるめんどうくさいキャラの中でも、西嶋は特にめんどうくさい部類だとは思うのだけれど、その言動のいちいちに喝采を送りたくなるような爽快さがある。
友人にいたらめんどうくさいとは思うけれど、楽しいとも思うなぁ。
窓に「中」を作るシーンは本当に感動する。
それに、西嶋がついに東堂に会いに行くシーンは、北村たちと一緒に拍手をしたくなった。

5人が出て行く社会が砂漠ってほどひどいところじゃないといいよね。
というかそこまで社会は過酷でもない。


2011年09月14日(水) 『人質の朗読会』(小)

【小川洋子 中央公論社】

地球の裏側でテロ組織に誘拐された日本人8人が、それぞれに自分の人生のエピソードを語る。
けれど、一番最初に人質達はみんな助からなかったということが書かれている。
盗聴器に残された、人質達のささやかで日常的なエピソードがひとつひとつ語られるけれど、終わるたびに、しかしもうこの人はいないのだと思う。
犠牲者8人というのがただの数字ではなく、一人一人の人生が確かに見えてくる。
きわめて静謐な語りが、祈りのような小説。


2011年09月07日(水) 『レイトン教授とさまよえる城」(小)

【柳原慧 小学館】

ゲームのレイトン教授のノベライズ、というか、小説オリジナル。
もう少し小学生向けに書かれているのかと思ったら、全然そんな雰囲気もなく、挿絵もなく、何問かクイズはあるけれども、それ以外は一般書とそんなに変わらない雰囲気で書かれてて、正直、誰向けなのかと思いました。
子ども向けだからってそんなに平易にする必要はないけど、もう少し砕けていてもよいのでは?
あれ、子ども向けじゃなかったのかな。

ゲームのレイトンの雰囲気はよく伝わっているけど、忠実再現するあまりそれならゲームをやってた方が楽しい、という気分に。
小説ならではの描写が欲しかったなー。

ルークは教授以外の人に本当に辛口。


2011年09月04日(日) 『バチカン奇跡調査官』(小)

【藤木稟 角川書店】

奇跡が本物かどうかを調査する神父二人が主人公。
そのまんまの説明ですいませんね。
平賀はそんなに美形である必要あるのかね。

殺人動機があまりぴんとこなかった。
かなり流し読みしてたからあるいは読み落としている可能性もあるけど。
セバスチャンの視点はそんなに必要だったかな、とか。
全体的にピントがずれた印象がある。

いずれ本物の奇跡に遭遇する展開になったりするんだろうかね。



蒼子 |MAILHomePage

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