妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2009年11月15日(日) 『笑う警官』(映)『ULTRAS』『作品ナンバー20』(漫)

【監督:角川春樹 日本】

観る前からちょっと思ってたけど、観てからもやっぱり、センス悪〜という印象が終始。
全編にわたって流れるジャズも店も、わざとらしすぎる。
重厚さと過剰さがマイナス方向へ行っていて、笑うべきところでもないのになんかもう笑うしかないシーンが多かった。
実際、笑い声聞こえたし。
配役もいかがなものか。
私が個人的に宮迫の演技嫌いだっていうのを差し引いても、バーのマスター大友康平が、後半殺し屋状態になるのはもう、観てておもしろすぎた。
なんていうか、ものすごく合ってるのだが、それが可笑しい。道警の裏金にまつわる警察組織の腐敗を描いているはずなのに、そこだけやたら派手。
せめてもっと地味な役者を。
盗人も中川家弟で、コントキャラまんまじゃねぇか、と。いや、それはまあ、まだいいのかもしれないが、全体的に切迫感が足りないんだよ。
加賀丈史とか、矢島健一とか、いつも通りすぎる配役。意外性ゼロ。
忍成くんが唯一がんばってたかなぁ・・・。松雪泰子も良いけど、いかんせんセリフがうっすー・・・。

特別出演の松ケンがやたらキャラ濃くておもろかった。
すごい気になった。

群像劇というわりに、一人ひとりが薄い。
裏切ったり協力したりと各自の思惑で動いていることで表現しているのだろうけれど、なんかいちいちセリフが薄い。
佐伯もなぁ・・・大森さんならもうちょっとやれたんではと。

まあ、あとは、道民視点で見ると、もうちょっと札幌ロケしろよ、と思いました。

とりあえず原作読んでもう一回、ラストの大森さんの笑顔観には行くと思いますけどね。

++++++++
【えすとえむ 東京漫画社】

帯に東京漫画社vsリブレ出版って書いてますけど、出版社の垣根越えた企画珍しい。
おもしろいね。

表題作はスペインのサッカーチームサポーター同士の話し。
サポーター版ロミジュリっていうのが面白いし、ご当地ならでは。
日本だと・・・阪神ファンと巨人ファンみたいな?ちょっと弱いか。
サッカー見ないから多分、正確には把握していないのだろうけれど、それはそれは大変なんだろうなあとは思います。

表題作以外もよかった。詐欺師と覗きの話しが。

++++++++
【えすとえむ リブレ出版】

表題作は珍しくファンタジックな内容。
こういうのもいいね。
他はダンサーの話しがよかった。

えすとえむさんはBLジャンルから離れそうな作家さんだなぁ・・・。
上手い人はみんなBLじゃなくなっていく。


2009年11月04日(水) 『神の守り人 来訪編/帰還編』(小)

【上橋菜穂子 新潮社文庫】

恐ろしい神を呼ぶ力を持つ少女アスラと、その兄チキサを助けたバルサとタンダ。
バルサがアスラを連れて逃げる間、タンダとチキサは人質になってしまう。
上巻はバルサとアスラの逃避行。
バルサは凄腕の用心棒ではあるのだけれど、バルサってのはその強さが物悲しく、戦闘シーンもわくわくする反面、痛々しい。
たまにはタンダと二人でぼんやりのんびり暮らしてなよ!と満身創痍のバルサを見てると切ない気分になります。
また、バルサとタンダの関係もなんだかきゅんとなる。ときめきと違うきゅん。
下巻、アスラを止めたいバルサと、そんなバルサのことを思って静かに涙するタンダ、二人の信頼関係が今まで以上に感動的。
バルサの情の深さ優しさに本当に感動する今回の話しでした。
バルサってちゃんと幸せになれるのかなぁ。


2009年11月02日(月) 『終末のフール』(小)

【伊坂幸太郎 集英社文庫】

8年後に小惑星が衝突して世界が終わることがわかってから、5年後の世界の話し。
つまり世界滅亡まであと3年というところ。
死ぬほどありきたりのシチュエーションで伊坂じゃなかったら読むのも嫌だという設定なんですが、読んでもわざわざ伊坂幸太郎が選ぶような題材でもない気がしました。
相変わらず舞台は仙台。とある団地の人びとを主人公にした8話で構成されています。
人生のリミットがわかった時どうするのか、というのはつまり人生をどう生きたいかということなので、設定が派手なわりにやれることってあんまり多くない。
今までどおりに生きるか、過去を振り返るか、新しいことをするか。

「天体のヨール」(ヨールって無理矢理だな!)が一番好きかな。
二ノ宮がいいね。
出ないのかと思ったけどやっぱり犬いた。



蒼子 |MAILHomePage

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