妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2007年10月22日(月) |
『あかるい家族計画』(漫)『ハゲタカII 上』(小) |
【もろずみすみとも 東京漫画社】
少女漫画のような(BLも少女漫画の1ジャンルなんですかね?)かわいいきらきらした絵柄で、内容もほわっとしたBLでした。 なんというか、ボーイズラブも最近は、ナチュラル系が増えてきたなあと。 BLのイメージっていえば、魂と魂のぶつかり合い、とか、愛憎劇だったり、とかく、死ぬか生きるかの瀬戸際な話しばっかりで、けっこう疲れたもんです。 いや、そういうのも好きなんですが、激しすぎて。思い込みが…。
普通の男の子が普通に恋愛するように、普通に男の子同士付き合ってる。 ま、そんのもいいんではないでしょうか。 それなりに、同性であることに悩んだりしてはいるけど、きわめて健全。
私は明るく変態が好きなので、もうちょっと変でもいいけど。
+++++++++++ 【真山仁 講談社文庫】
前作で、日本政府敵に回しちゃったので、一年ほど海外に逃亡していた鷲津。 その間に、離婚するんだとばかり思っていた芝野は、妻が重度のアルコール中毒に陥ってしまい、看病の日々を送っている。 しょっぱなから、芝野が気の毒。 確かに、芝野が悪いと言えば悪いのですが、全面的に責める気にはなれないよ。私は。
そして、さらに、しょっぱなから死んじゃうアラン。 そんな事件からスタートするから、サスペンスフルな展開を期待してるんだけど、鷲津が暴漢に襲われたり、危険が迫ったりは特にない。 ボディガードががんばってるから? 前作は、父親の衝撃的な死、今回はアランの死から、鷲津はスタートしてるのに、その死が特に暗い影を落とすこともない…。 ワンパターンなの?真山。
うどん屋のオヤジになってるという、悪夢を見る鷲津には、とっととうどん屋になってしまえ!と言いたくなった。
アランもリンも不在のホライズン。 サムと中延さんの活躍に期待したいが、できるんだろうか。
2007年10月15日(月) |
『朧の森に棲む鬼』(映) |
【監督:江戸洋史 日本】
劇団☆新感線の舞台の映像を、そのままスクリーンで観るというゲキシネ。 ぜんっぜん、チケットが取れないという話しの劇団ですが、これは取れないだろなぁ。 観る前は、舞台の臨場感が、スクリーンで出るのかなぁと思ったのですが、いや面白かった。 2500円と普通の映画より高いけど、観て良かったなぁ。
私は演劇はさっぱり観ないというか、北国にはそんな文化的なものは根づいていない(がんばってください。北国)ので、どうのこうのいえないんですが、歌うのって、普通なの? いや、まあ、ミュージカルは好きなので、気になるってほどではないのですが、やっぱり気になるのかな。
舞台は熱気が凄いなぁと思いました。 あれは生で見れたひとは羨ましい。 セットも豪華だし。 東京って凄いなぁとか、いろんなところに感心してしまいました。
ひたすら感心しながら、阿部サダヲがもう、めちゃくちゃ可愛かった。 後半、一時退場した時は、本当に悲しかった。 古田新太もよかったなー。 染五郎はもちろん。 男前だよな。染五郎。
いや、実に楽しかったので、またこういうの観たいです。
2007年10月12日(金) |
『スクールアタック・シンドローム』(小) |
【舞城王太郎 新潮文庫】
相変わらずなんと説明していいのか、なんと言った方がよいのかが難しい。 でもやっぱり面白い。 そしてこの短編集もかなり好き。
家に引きこもってたらいきなり、見知らぬ男が侵入してきたから、思わず相手の耳を噛み千切ったというような、正気を疑うような、そしてかなりバイオレンスなエピソードがいつも満載なのに、これ以上ないというくらいのナイーブさを感じるのが、舞城の不思議さ。
「我が家のトトロ」は珍しく、暴力性がなかった。 これからそういう話しも増えるのかな、と思うと楽しみだ。 なんだかよくわからないけど、三篇ともじんわりと感動してしまう。 不思議だな。舞城の言葉は。
2007年10月09日(火) |
『公使閣下の秘密外交』(漫) |
【新田裕克 大洋図書】
最近、BLブームが静かに到来してるようで、ずっと鈴木ツタを読んでいたのですが(感想書いていません。すいません)読み切ったのでなんとなく、こっちへ。こっちってどっちだ。
そんなわけで、ボーイズラブマンガの感想です。ご注意。
私はあまり職業物に興味がなくて、年齢差だったり、年下攻だったり、オヤジ受だったり、あるいは兄弟だったらとてもいいなぁといった感じ。 まあ、お堅い系の職業ならなお良し。スーツ来い、みたいなところはありますが。
で、これはまさに職業物。 外交官ですよ。また、凄い所に来たな。どこまでいくんだ、ボーイズラブ。 どこがボーイズなんだ、ボーイズラブ。 なんだこの、凝りに凝った装丁は!と読む前からツッコミまくりましたが、中身も手堅いんだなぁ。 普段なら読まないのですが(新田さんのマンガは絵が苦手で)、遠い昔に三浦しをんがブログで紹介してたのがずっと気になってて読みました。 ちなみにこちら。
いや、こう言うとなんだけど、小説で読みたい感じ…。 文章量が多いわりに、外交官という仕事柄動きはあまり多くないので。
本来、受が黒いガウンまとっちゃってるような、BLはダメなんですがね・・・私は。笑えるだろ!どう考えても!!
五條瑛がBL書いたらこんな感じかな、と思いました。 これはマンガですけど。 いっそ、書いたらいいのではないでしょうか、五條氏(無茶言うな)
2007年10月08日(月) |
『ハゲタカ下』(小) |
【真山仁 講談社文庫】
芝野パートの方が好きな私は、前半ちょっとだるかったです。 でもまあ、サドンデスの終盤は盛り上がってきてよかったのですが。 上巻を読んでのツールとしての小説という印象は結局覆らず、もっと小説としての技術とか工夫とかこだわりが見えると、ちっとは印象が違っただろうになぁ。 結局、鷲津という主人公には感情移入することもできず、むしろ、どっちかっていうと嫌いだったし。 ドラマ版で大好きだっただけに、自分でも意外でしたが。 いちいち行動がかっこつけてんじゃねーよ!と。 鷲津のせいというより、作者の安易なセンスが悪いような。 ミカドホテルのバーで、バーテンにピアノ弾いてあげるシーンとか、寒いよ! ブラディドール読んで勉強してこいよ!! 強引なまでにかっこいいから! 笑いながら、しょうがない、かっこいいんだもん、と納得させる説得力と自信がないと、そういうベタなエピソードは寒いばかりです。
とまあ、急に鷲津パートになるとハードボイルドに憧れてるの?みたいなシーンが出てきて、冷めるんです。 芝野パートや貴子パートはわりと、おもしろく読めるのですが。
その芝野との因縁も、最後の最後で明かされるのですが、そんなの初っ端に薄々感ずいてるから、そんな最後まで引っ張らなくってもいいんじゃないか、と思いました。 途中で明かして、鷲津が親父の死をどう捉えて、どう葛藤してるのかをこてこて書いた方が面白いだろうに。だからツールの域を出ない。 そんなところで、そんなこと言われる芝野が気の毒になってしまいました。 しかもなんの救済もないまま終わるし…。IIでは、救済があるといいね、芝野。
貴子にしろリンにしろ、そんな男(鷲津)はやめておきなさい。きみたちにはもっといい男が絶対にいる、と思ってしまいました。 リンが男前でした。
2007年10月01日(月) |
『スキヤキウエスタン・ジャンゴ』(映) |
【監督:三池崇史 日本】
先日、DVDで『殺し屋1』を観て、ひょっとしたら私は、三池映画が好きなのかもしれないと思いまして、観に行ってみました。 うん、好きだ。
初っ端、30秒くらいでもう、笑わせてくれます。 タランティーノ!! ほんっと、アホでおバカな映画。 役者陣は無闇にかっこいいのを使ってて、アクションも音楽もかっこいいのに、でも、全体を覆うのはバカ。 パロディのてんこ盛りだったのだろうなぁ。 西部劇および、マカロニウエスタンを観たことがないから、ネタが分からないのが残念です。
『龍が如く』の時もそうでしたけど、主役がどうしたって、感じ。 脇へ脇へと突っ走るその様は、いっそ清々しい。 龍が〜の真嶋@岸谷のような存在が、るり子@桃井姐さんだったのかな。 桃井姐さんは相変わらず男前すぎるよ。
三池映画は、役者たちが、普段見ないような役を与えられてて、非常に生き生きしてるところが観てて楽しいのかも。 映画自体もなんだか楽しそうだし。 タランティーノが一番楽しそうだったけど。 自分の映画じゃないって気楽でいいなぁとか思ってたんじゃないか。あのオッサン。
ストーリー?そんなの気にしちゃ観てられない。 いいんだよ。可笑しかったから。 笑ったから。
赤組(平家サイド)がアホで可愛かったなぁ。 清盛@佐藤浩市が、実にバカ。ヘンリーって!!何、このアホ!! でも、この映画でどうしてか、私は、重盛@堺雅人が大好きでした。 いやぁ、可愛かった。特になにもしてないんだけど、赤いメッシュが可愛かったんだもの。 なるべく長く生き残ってね、と思ってみてました。 保安官@香川照之はスメアゴルだったねぇ。ほんっと上手いなぁ。演技が。
弁慶@石橋貴明をラスト、ああ持っていくとは、脚本グッジョブ。 在りし日のみなさんのおかげですコントを思い出して、なんだか嬉しい。
ラストの北島三郎にいたるまで、ほんっと楽しませていただきました。 全然人には薦められないけどな。
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