妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
目次前のページ次のページ


2005年06月30日(木) 『ダニー・ザ・ドッグ』(映)

【監督:ルイ・レテリエ フランス・アメリカ】

脚本リュック・ベッソン、と付記した方がわかり易いか。
『レオン』の奇跡は二度起こらないと言いましょうか。
もう少し脚本練ってもらいたいものだ。

そうだなぁ、なんかもうツッコミしか思い浮かばないんだけど、役者陣はみんなよかったです。
モーガン・フリーマンは言わずもがなで、バート役のボブ・ホスキンス、ヴィクトリア役のケリー・コンドンなどなど。

ただ、どうしてもサムとダニーが画面に並んでいる時、妙にしっくりこなかった。
サムとヴィクトリアの二人は、どちらか片方だけじゃ駄目だったのかなーと思う。または、ヴィクトリアがもっと幼いとか。

驚異の生命力を見せた、バートに笑わせてもらいました。
死んでるって!!最初の銃撃の時に普通に死んでるって!!
部下もまた死なないのな。
死なないけど、別に強いわけでもないというのは、新しかった。

私はダニーはもっと、善悪の区別が付いていなくて、言葉も通じないのかと思っていたのだけれど、普通にしゃべりましたね・・・。
そりゃあ、5歳でさらわれたら確かにある程度、人間の基礎はできあがってるよなあ。
子ダニーが、母を撃ち殺した男を突き飛ばした時の、突きに武術の才能を見出したんですかね。バートは。
あの突きは凄かった。5歳児の突きじゃない。

これも言ったらいかんのかもしれないが・・・。
西欧人に東洋人の年齢はわからないのかもしれないが、ジェット・リーは35歳には見えないよ・・・。
42歳だもの。
でもアクションは楽しかったです。
あの白い衣着た敵が、あまりに普通でどうしようかと思ったけど。
もっと驚異的に強いんじゃないかと思ってたのに。

この映画の見所は、バートの驚異的生命力と、バートの大物なんだか小物なんだかわからない言動の数々でしょう。

私はもう少しわんこなジェット・リーを期待したんだが・・・。わんこではないように思う。


2005年06月28日(火) 『鏡の中は日曜日』(小)

『殊能将之 講談社文庫】

同時収録に『樒/榁』があり。
まず、鏡の中は〜から。

以下ネタバレに注意。

『黒い仏』で大きな衝撃を受け、今度はどういう趣向で来るのかと身構えていたら、帯は「石動戯作を殺したことを少しも後悔していない」ときた。
え、石動さん死んじゃうの?アントニオがついていながら??
と思いつつ、読み始め。
最初は島田荘司の『眩暈』を思い出させる文章。

読み終わってみれば、また性別トリックかよー!とか、結局何も謎はなかったのか、とか、石動さん死んでなくてよかったなぁとか思いますが、相変わらず翻弄されたことには変わりないです。
最初の「ぼく」は龍司郎じゃないんだ、とか、あの石動は違うのか、とかここは梵貝荘じゃなかったのか、とか色々と。
相変わらずの“名探偵”ぶりで、微妙にずれた推理を展開していた石動さんには、巻を増すごとに親しみがわきます。
不思議なことに。

なんだかじわっといい話めいた終わり方で、じんわりしたけど、どことなく騙された気分が抜けません・・・。

「樒/榁」
元々別の本として出ていたものですが、ありがたいことに一冊に収めてくれました。
やはり続けて読んだほうがしっくりする感じ。
でも発売年順だと、こちらが先なんですね。逆に読んでいたら変な感じがしただろうな。
こちらも謎というほどの謎もなく。
密室には違いないのですが、拍子抜けです。
ただ、小説として面白い構造で楽しかったです。

水城の活躍はどこかで見られる日が来るんでしょうか。

読み終わってよくよく思い返すと、きわめて地味な二編でありました。


2005年06月27日(月) 『白いレクイエム』(小)

【大海赫 ブッキング】

今回はイラストが西岡千晶。
大海氏のやたら怖い挿絵が好きなのですが、これはこれで合ってると思いました。
きれいで一見可愛いような気がするのだけど、目が死んでると言う西岡イラスト。

いつもより毒気は少ないような気がします。
大海赫は誰かに必要とされて書いているのではなく、自分が必要だから書いていて、それが長い年月を経てようやく人の目にとまったという人だから、全部の作品が面白いわけではないのかもしれない。
そもそも面白がらせるために書かれたものではないだろうし。

大海氏の作品にしては印象が薄めな話でした。
児童書としては十分インパクトある題材かもしれないけれど。
大海氏は少女というものにちょっとした幻想を持ってそうな印象を受けるんですが。
ビビとかガイコちゃんとか。


2005年06月25日(土) 『樹海の歩き方』(他)

【栗原亨 イースト・プレス】

『廃墟の歩き方』で有名(と言えるほど有名かはわからないが)の著者が、樹海に挑戦した本書。
樹海にまつわるいろいろな伝説を検証しつつ、樹海探索している本、なのかな、と思ったのだけど、微妙に違うような空気が読んでいる間も読み終わった後も感じます。
なんでかな、と思い著者のサイト(http://www2.ttcn.ne.jp/~hexplorer/)で樹海のページを見たら、どうやらそもそも、樹海探索よりも、死体探しの方がメインっぽかったよう。

ただ、読み終わって自殺体の話がメインになるのも仕方ないのかなという気もしないこともない。
36日間探索して(ずっと彷徨っていたわけではく、合計での日数)37体の遺体を発見したのだから、本当に自殺の名所なんだなと納得。

本で妙に死体の発見経緯やら、状態やらの説明が長いし詳しいのは、自殺防止に役立とうという意図なのかと思っていたのですが、そもそものメインが死体発見なのだからそれもそのはず。
ただ、一般書店に売られる本が堂々と「死体を捜しに」と銘打っていたらまずいから、樹海探索が目的という建前になっているようです。
まあ、こういうスポットに自殺体がある可能性が高いとか、そういう文があちこちに散見されて変だなとは思ったんだよな。

私も死体を捜しにでは買わなかったよ。
しかも、後ろに袋綴じがあり、樹海で発見された死体の写真が載っています。
買うときに袋綴じに気がついたら買わなかったな・・・。
えーと、感想のために見ようかとも思ったのですが、やめました。描写だけで十分グロッキーになってたので。
ただ、一応覘いてはみましたけれど、かなり露骨な写真なので本書をお買いになる方、見るのは注意書きにあるように覚悟しといた方が良いかと思います。

まあ、とにかく樹海が自殺の名所だと言うことがこれでもかというほどによくわかりました。
そして某巨大掲示板の住人はどこにでもいるということもよくわかりました。
そうそう、樹海でコンパスは狂わないらしいですよ。
伝説の検証がメインだったらもっとよかったのになぁ。本当にこの本。


2005年06月20日(月) 『しゃにむにGO!20』(漫)

【羅川真里茂 白泉社花とゆめコミックス】

たまには漫画の感想を。
以前にも書きましたが、漫画は読んでもほとんど感想を書いていません。
量が多くてめんどうだからです。
小説>漫画なわけではありません。
それに漫画は続き物が多いので、感想を書きづらい。
せめて最終巻くらい書こうと毎度思うのですが、忘れてますね。けっこう。

それはさておき、これ。
あーもー可愛いなー。高校生かわいいなー
ラストに向けて、三部目がスタートです。
プロとしての決意を新たにしたナディアがよいですね。
ユニフォームもセクシーで。
駿くんは、私は好きなんですが、微妙に評価落としてるようですね。
人気投票4位って意外と低かったな。

新入部員もみんなかわいくてよいです。
氷河くんも、いい子だな。
今後のみんなの成長を楽しみに。

主役組みは出番少なめだったので、次の巻を楽しみにしてます。


2005年06月18日(土) 『クレオパトラの葬送 薬師寺涼子の怪奇事件簿』(小)

【田中芳樹 講談社文庫】

相変わらずのじれったさ。
何がって、涼子と泉田クンです。
リョウちゃんと香並のじれったさ。
なんだかなーもー。

シリーズも4冊目なのでそろそろ苦言の一つも言ってよいかしら。
いい加減、敵キャラ(妖物じゃなくて人間の方)をもう少しマシに作ってくれないだろうか。
マシというのは真っ当な人間と言う意味じゃなくて、こんなあからさまな雑魚ばかりじゃあねぇ。
敵にもレギュラーが必要なんじゃないのかという。
お涼さまも不満でございましょう。

読者はたまにはお涼、絶体絶命とか見たい頃合なわけですよ。

あと、これは今更言うことではなく、創竜伝の最初の頃からのことだけれど、政治批判の量が最近増えてません?
創竜伝ではそれすらも笑い話としてネタになっていたのだけれど、ちょっとくどくなってきてるような。
先生、年ですか(言っちゃ駄目)

あとこれは疑問、銀色の化け物を連れてきたのは、ホセ・モリタなのですか。
だとすると、どうやってそんな化け物を操ってたんでしょうかね。
操ってたじゃんじゃなく野放しなのか?

それと更なる疑惑。お涼さまの服のセンスはそれでいいのか・・・。
クレオパトラ号のロゴの入ったTシャツ??
まあ、前々から田中のセンスは、ん?という感じだからこれも今更ですが。

次辺りから手法を変えるなり一ひねりしていただかないと、飽きてきましたよ。


2005年06月10日(金) 『蝶狩り』(小)

【五條瑛 角川書店】

祥伝社文庫より発売された『冬に来た依頼人』続編。
続編と言うと繋がっていそうですが、シリーズですか。
出版社が違うことからお分かりの通り、別に通して読まなくてもよいです。
まあ、桜庭とキリエの出会いがわかっていた方が読みやすいとは思いますが。

最初、連作短編なのかな、と思いながら読んでいたのですが、後半は行方不明になったキリエを探す展開になっているので、長編として読んだほうが良いのでしょう。
桜庭さんは相変わらずへたれております。
檜林は、あまり活躍の場はなかったですね。桜庭さんの目覚まし時計役をしてました。

私は「バービー・タウン」が好きでしたね。
ちょっとだけ微笑ましいのが好きですよ。

で、ここまではいいのですけれど、正直なところこの終わり方はどうなのだろうか。
ものすごい尻切れトンボな印象を受けるのですが。
五條瑛らしからぬ、引き際の悪さというか、エピローグのようなものがあってもよかったのでは。
いつもなら単行本にする時に大幅に加筆したり順序を入れ替えるのに、今回はしていない様子。
本当は単行本化するときに、加筆する予定だったんじゃないのかなぁ?と思ったりするのですが、本当にここで終わりでいいのかしら。
キリエと桜庭がどうなったのかが気になるから、というよりは、どうも引き締まらない終わりだなぁと。
前作の『上陸』がよかっただけに、いまいち納得できません。
五條瑛ならもっとうまくしめられると思うんだけど。
それとも、私だけが不満なのでしょうか。この終わり。

まあ、でもまたいずれ桜庭調査事務所シリーズがどこかで読めることを期待しています。
本になっていない話がまだあるはず。


2005年06月09日(木) 『オペレッタ狸御殿』(映)

【監督:鈴木清順 日本】

感想を求められても困る類の映画でした。
なんでしょうね。
おじいちゃんの見た夢物語、とでも言いますか。
そのおじいちゃんが、たまたま映画監督としての類まれなる才能があったために、こうした豪華絢爛絵巻としてスクリーンを飾ることになりました、という感じを受けました。
清順映画を観たことが無いので、比べようもありません。

目に楽しい映画ではありましたよ。
チャン・ツィイーもオダギリも可愛かった。
映像も美しく。

ただ、美空ひばりは怖いよう。
こういう形で蘇らせることができる、という事実が怖いよう。
死後も尚、こういう形でキャラクターとして成立する美空ひばりという人の存在は凄いと思いますが。

私はお萩が結構好きでしたよ。
パパイヤ鈴木の切れのあるダンスが妙に気になりましたけど。


2005年06月08日(水) 『水木しげるの憑物百怪 下』(他)

【水木しげる 小学館文庫】

下巻であります。
「人面犬」や「花子さん」の項目があります。
人面犬の歴史は意外と古く、江戸時代から存在していたそうで、花子さんと同時期に流行っていたからそれくらいだろうと思ってました。
トイレも昔の汲み取り便所はいかにも、そこに何かいそうで怖かったもんですが、水洗トイレになってからはどうも、便器の中に何かいたとしても、狭そうだな、と思ったりしてしまいます。
いや、いたら怖いことに変わりはないのだけど。

なかなか面白い一冊でした。


2005年06月07日(火) 『水木しげるの憑物百怪 上』(他)

【水木しげる 小学館文庫】

今、ちょっとした妖怪やら怪異やら怪談がマイブームなので、ちょうど文庫化した本書を読んでみました。
水木しげるの漫画は読んだことないんですよねぇ。
アニメの鬼太郎は好きだったのですが、今度読んでみたいと思います。

古今東西の憑依現象を図案化した、事典みたいなものです。
憑依現象というと特異なことのように思われますが、読んでみるとそうでもないものもあります。
例えば、「いそがし」という憑物。これに憑かれると、やたらあくせくしじっとしていると何か悪いことをしているような気がしてくるというもの。
ワーカーホリックというか、現代だとこれに憑かれていない人のほうがすくなさそうです。
江戸時代からじわじわと増えてきたようで、これからも増えていくんでしょうな。
他に「餓鬼憑き」。これに憑かれると、腹が減って一歩も動けなくなり、何か一口でも食べ物を口にすれば治るそうです。
ただの極度の空腹じゃないか、と言ってしまえばそれまでですが。

私が好きだったのは「蚊帳吊り狸」と「鬼女紅葉」。
くぐってもくぐっても蚊帳の外に出られないというのは、単純だけど面白い。



蒼子 |MAILHomePage

My追加