妄言読書日記
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※ネタバレしています
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2005年05月31日(火) 『虚剣』(小)

【須賀しのぶ 集英社コバルト文庫】

この剣豪小説のようなタイトルの本書は、やっぱり剣豪小説であります。
多分。
もう少し正確を記すならば、剣豪青春小説あたり?
まあ、どちらにしろコバルト文庫らしからぬ題材と言えますが、須賀しのぶはいつもそうだ。

「ごきげんよう」なお嬢様から、剣豪まで。
そんなコバルト文庫の間口の広さが好きです。
最近ボーイズラブばかり増えているような気がしますが。

柳生について、私は全く知らないのですが、とりあえず主人公は柳生連也です。“兵助”でも私はいいと思ったのですが、それは私が夢気分いっぱい(ハート)の乙女ではないからかもしれません。

まあ、とにかく面白かったです。
これ一冊で終わりなのかな。
須賀しのぶは上手い作家だなぁ、と思います。
梶原にきと組むとさらに良いですな。

妹お琴への愛情を断ち切り。修羅の道を生きることにした連也と、それに対峙する十兵衛のその後はちょっと気になります。
が、ここはこれで終わるのもよいのでしょう。


2005年05月29日(日) 『銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談』(小)

【高里椎奈 講談社文庫】

メフィスト賞受賞者なので、文庫になるのを心待ちにして楽しみにしていたのです、が・・・。
あまりにキャラ萌を前面に出しすぎの宣伝に引き気味です。
「本格推理でキャラが萌える!」って、酷くないですか?
表紙も表紙だし。講談社文庫だと思わなかったよ。
これなら、鬼籍通覧みたいにホワイトハートで出せばいいのに。
中身も講談社文庫としては、いかがなものかと思う。

しかしこれで本格推理は、ちょっとどうかと思う。
別に薬屋三人組が妖怪でもいいですよ。
でもねぇ・・・。

まあ、何に一番がっかりかと言えば、「美形三人組」のうち二人が少年だってことですかね。
萌ません・・・私は。
そもそも美形もあまり好きじゃないですし。
どうせ妖怪なら、もう少し都合のいい姿になってればいいのに。秋は。
そしたら座木を代理に立てることもなくなるのに。
まあ、見た目も中身も好きじゃないからいいんだけど。

強いて言うなら、高遠刑事が一番好きですかね。
彼が今後活躍する機会があるのなら、読んでもいいけど、あまり気は進まないです。
セリフのやり取りの仕方が古い。ちょっと前のコバルト文庫のような。

あとは西尾維新の小説を待っているのですが、この分だとこちらもがっかり、という結果になりそうで嫌だなぁ。


2005年05月25日(水) 『嗤う伊右衛門』(映)

【監督:蜷川幸雄 日本】

DVDを借りてきました。
蜷川監督の映画って観た事ないですし、舞台も況やおやというわけで、なんとなーく耽美エロスなイメージがありました。
実際はどうなんでしょうね。
でもCMではエロスが強調されているように思えたのであながち間違ってはいないと思うのですが。

配役はいいと思います。
ただやっぱり、小説を映画にすると取捨選択が難しいのか、説明不足が目に付く。
いっそ、又市のお母さんの話なんてのはさっくりカットしても良いと思う。
なくともうまく繋げるだろうし、お岩と伊右衛門の愛をメインにして映画化したんだろう、と思うし。
その代わり、もっと伊藤がどうして伊右衛門やお岩に執着するのかをやった方がわかりやすいと思うんだな。

まーでも、伊藤が狒々爺じゃなくて、椎名桔平なのはきれいすぎる。
桔平ちゃんは演技が上手いんだか下手なんだかよくわからん。
演技と言うか、台詞回し。台詞以外の演技は上手いと思う。
小雪もいつも演技が上手いんだか下手なんだかわからん。
でもこのお岩はよかった。
思いのほか、原作そのままの台詞が使われていて意外でした。言い辛かっただろうなぁ。

お岩の右顔はもっと崩れているイメージで原作を読んだので、私はもっと酷いことになっててもよかった。
その方が凄惨な感じがするし、美しい左側の顔との対比がエロティックだと。
世界の蜷川にそんなこと言うのもなんですが。

代わりというか、長屋の風景は非常に小汚くってよいです。
冒頭の又市と按摩がお棺運んでいる風景とか、その後の小汚い野郎二人の絵とか好きでした。
臭ってきそうなくらい、小汚い。物凄く納得してしまいましたよ。
原作でよく又市が自分を「御行乞食」と言うのですけど、ありゃ確かにそうだな、と。
でも本当は、もう少し若い又市がよかった・・・な。20代のはずなんだけど。
又市は、確かにこうかもしれないな、と思う反面、いやいやなんか違うな、と思ったり、最初から最後まで曖昧でした。
それが私が又市贔屓のせいなのか、実際にいまいちイメージと合っていないのかはよくわかりません。
香川照之は上手いですよ。

役者は本当に良かったと思う。
だけど、どうしても気になるラストシーン。
なんじゃそりゃー!?
とツッコミたくもなるでしょう?
お岩と伊右衛門の死体が出てくる、その後のどんどんカメラを引く、引いていくと江戸の町が、東京に
副題がエターナルラブだからか!?
永遠を現したかったのか、蜷川!
だからBGMが妙にジャズっぽかった(ぽいのかジャズなのかはわからない)の?
一部前衛的すぎて、わからんセンスの映画でしたが、何度も言うけど配役は良。
とくに按摩の六平さん。
又市を按摩するシーンは、かなり謎というか、なんだこれは・・・でしたが。
唐沢の伊右衛門も不気味でよかったです。

市川崑の金田一シリーズみたいになってたらよかったのになーと本当は思ってます。
舞台でやった方がよさそうな雰囲気でした。やっぱその辺は蜷川だから?


2005年05月24日(火) 『マレー鉄道の謎』(小)

【有栖川有栖 講談社文庫】

最初に謝っておきます。
上の空で読んでいたので、あんまり中身を覚えていません。
有栖川好きなので、こんなことは初めてなのですが、上の空のまま読み終わってました。ごめんなさい。有栖川先生。

国名シリーズ、今回は舞台は海外です。
よいですな!ロマンチック旅です。
今回も有栖川的ロマンチシズム全開で、最初から最後まで苦笑しましたが。
まあ、それもまた有栖川の持ち味なのですけれど。どうかな。
最後に静郎が淳子に言った言葉が「好きだった」という告白だったとわかるくだりは砂吐きそうです。
そんな気はしてたけどさ。そのタイミングで明かす辺りが、ロマンチストですね。先生は。

ほんとに有栖川が好きなのか怪しい感想になってますが、好きですよ。
推理小説初心者にはぜひお奨めしたい作家です。

日本推理作家協会賞がどれほどのものかわかりませんが、いつもの有栖川と何か違っただろうか・・・というくらいの内容だったような。
うーん、トレーラーの密室は、やっぱり密室と言うには荒唐無稽のように思う。ガムテープで目張りって、そりゃやる手間はかかるし、ガムテープを貼るのはトリック的には道具を使えそうもないわけだから難しいけれど。
本格推理を読むのが久しぶりだから、ついそんな手間かけて自殺に見せかけなくても・・・と思ってしまいます。

火村とアリスの二人旅はいつもどおり、凄惨な事件に彩られて終わりましたけれど、冒頭の二人で川くだりしつつ蛍を眺めるあたりは、どうなのかと思う。
照れるんですが。
二人の仲睦まじさはあいも変わらず。なんだかな。


2005年05月21日(土) 『嗤う伊右衛門』(小)

【京極夏彦 中公文庫】

角川版にしたほうが、本棚に並べたときにきれいに並ぶんだろうと思ったのですが、表紙がこちらの方が好きだったので、中公版で。
中身は一緒ですよ。値段も一緒。

巷説シリーズの又市が出てるというので、急遽読むことに。
正確に言えば、こちらの本が先なので順序が逆になったんですけれど。

さて、京極版お岩さん、もとい四谷怪談です。
読み終わった感想は、怖いんだか悲しいんだか
怖いですね怖いですね、でも悲しいんですね、となんだか故淀川さん風に言いたくなる感じです。
よくよく考えてみれば、四谷怪談を読んだことがあるわけでもなし、ほとんど知らないと言っても良いので、どこがどう違うのかということは全く気にせず京極夏彦の小説として読めたのは良かったのかな、と言う気がします。

京極小説なので、幽霊やら怪奇現象というような恐怖ではなく、少しずつ周囲の人間の思惑やら思考が絡み合いながらもずれていく様が、もどかしくもあり、怖くもあり。

しかしやっぱり、ラストの「御行の又市」から「嗤う伊右衛門」にかけての、伊右衛門の薄気味の悪い怖さときたら。
お岩さんは健気です。烈しいとは思うけれど。
映画はどんな感じだったんでしょうね。この雰囲気を出すのは難しそうだ。

巷説より若い又市のちょっとしたトラウマ話もあり。
まだまだ青い駆け出しの又さんが、新鮮。この事件があったからこそ、巷説の又さんがあるんだなぁと納得。


2005年05月20日(金) 『続巷説百物語』(小)

【京極夏彦 角川文庫】

堤版のドラマ観たいなーと帯を見て思う。
栄子ちゃんのおぎんさんと、渡部又市が特に観たいー。

2年ぶりくらいの、巷説シリーズです。
一作目は、連作というより短編色が強かったように感じましたが、今回はそれぞれの話が密接に絡まっていて、長編に近い趣があったと思います。

「野鉄砲」
百介の兄上登場の話。
百介の生まれって、一作目で説明されてましたっけ?
覚えていないだけのような気もするし、武家の生まれで、店子に養子に出され、今は悠々自適の若隠居だというところまで、説明されなかったような気もする。
治平の過去が明かされます。
続は全体的に重くて凄惨なので、ちょっと辛い。

「狐者異」
おぎんさんの出自が明らかに。
いい人に拾われてよかったよねぇ。おぎんさんは。
そりゃ悪党には違いないけどさ。
おぎんさん大好きです。
又市や百介にはもったいない。

「飛縁魔」
丙午の女は云々は、今でもまれーに聞きますね。
今で言うところの、血液型性格診断のようなもんですか。
「みんな知ってて言ってるンだ。難癖つけて差別したいんだよ」というおろくのセリフになるほどなーとなんとなく得心。
切ない話しです。
岡場でおろおろしてる、百介がかわいいです。

「船幽霊」
おぎんさんと、百介の二人旅が珍しく、この二人が並んでるのはなんとなく微笑ましい。おぎんさんの方が、きっと腕っ節も強いでしょう。
百介、おぎんさん危機一髪で、おぎんさんにヘボだと罵られても、やっぱりいつもいいとこ取りな、又市です。
なんだいなんだい、かっこいいじゃないか。
しかし、この時一瞬だけ、百介は又市一味の仲間になれたと思ったのにねぇ。
つれないよ。又市。じゃあ、なんで船に乗せたんだよ。
なんだか詰りたい気分です。

「死神 或は七人みさき」
百介じゃないけど、私も血腥い残酷な話は嫌ですよ。
右近さんが、こんなに酷い目に合ってしまうとは、やりきれない。
ここまで徹底的に悪行三昧されると、又市のお祓いでもなんだか、すっきりした気分にはなれませんでした。
それをぐっと飲み込んで、収めやすい場所に収めるのが、又市の仕掛けなんでしょうが。
それでもやっぱり、嫌な話だな。

「老人火」
前の話から、いきなり六年の歳月が経ちました。
その間になんと治平さんが死に、百介の前から又市一味が姿を消してしまったという。
住む世界が違うってことですかね。
ラストは涙を禁じえないです。
馬鹿野郎ッてな気持ちも禁じえないです。
こういう形の別れが来るだろうと予測は出来ていたけれど、やっぱり
山岡百介が御行の又市の声を聞いたのは――それが最後であるという。
なんて一文を見ちゃうと、切ないです。
今生の別れなんてなぁ。

果たして、後巷説はどういう話になっているのでしょうか。


2005年05月18日(水) 『ラッシュライフ』(小)

【伊坂幸太郎 新潮社文庫】

ばらばらだったものが最後に収斂していくのが、作風なのか得意なのか、『オーデュボンの祈り』に続き、二作目もそんな印象を受けます。
最初は5人の登場人物が、時間軸どおりに並んでいるんだと思って、読んでいると、途中から実はちょっとずつ前後していることに気がつき、最後にはきれいに全てがつながっていくのは、読んでいて気持ちがいい。
読んでいる間も変な感じがするし、不思議な読後感。
好きな作家だなと改めて思います。
読書好きなら一冊は読んでおいたら損はないんじゃないかな。

私は豊田のパートと黒澤のパートが好きでした。
河原崎のパートもかなり気になっていたけど、結局殺人を犯してしまうのは少し残念な気持ち。
泥棒の黒澤は人気キャラらしいですが、森博嗣の保呂草さんを思い起こします。また出てくるらしいので楽しみ。
豊田が結局、宝くじを換金したのかどうか気になりますが、換金してわんことのんびり過ごしていたらいいなぁと思う。

オーデュボンの主役だった、伊藤さんが今は額屋でバイトしていることがわかります。
なんとなく、こういうささやかなリンクは嬉しいです。


2005年05月12日(木) 『阿修羅城の瞳』『インファナルアフェア3』『交渉人真下正義』(映)

今日はレディースデーなので映画館に篭ってはしごしてみました。

【監督:滝田洋二郎 日本】

染様(これ観ると様を付けてもいいと思うようになる)におひねり投げる気持ちで観に行ったらいいと思う。
元々は、りえちゃん観に行ったんですけど、端の端までいい役者揃えていて、安心して楽しめました。
渡部篤郎も良いし、内藤剛志は何やってても安定してるし、小日向さんは可愛かったし。
私は好きだな。この映画。
菅野よう子のBGMも好きでした。サントラ欲しいかも

全編、えへへと言う感じで私のツボに入って大変たのしゅうございました。
ただ、阿修羅王のときのりえちゃんをもう少し美しく撮ってくれてもいいんじゃないのかしらと思ったり。パンフの表紙は美しいのに。
ラストの南北と笑死がよかったです。いや、南北(小日向さん)は本といいキャラで、可愛いやらおもろいやら。

しかし悲恋で終わるのは意外だったな。劇も観てみたかったなあ。阿修羅と出雲の最期は案外、舞台の方が感情移入が激しく感動するような気がしました。

++++++++++
【監督:アンドリュー・ラウ 香港】

結局、2は観ないで観に行ってしまいました。
わからないのを覚悟して行ったんですが、全然大丈夫でしたよ。
1は観てないとわかりにくいし、感動も薄いと思いますが。

トニー・レオンがほんと好きだ!
トニーが画面にいっぱいになると、嬉しくて顔がにやけますな。
トニーというかこのヤン刑事をやってる、トニー・レオンですね。
ラストのウインクは私に向かってしたんだ!ラウやヨンへではない!とか思いました。痛い痛い。

さて、1で組織を裏切り本当の警官として生きていくことにしたラウですが、疑心暗鬼からどんどん追い詰められ、また自分がヤンのようになりたいと思うあまり、ヤンと同化していくという感じでしょうか。
ラウの演技が怖くて鬼気迫る感じはやはり凄いです。

ラウの存在より、公安のヨン様(役名がヨンだから)と皇帝(HEROの皇帝だから)が気になってました。
皇帝かっこよいんだな。
ただ、私は1を観たとき、ヤンの正体を知っているのは警察内ではもうウォン警視だけであり、その警視も死んでしまったことで一層、ヤンは孤独で不安定なところに追いやられたんだなーと思ってみていたので、実は他にも二人いたんじゃん、というところでちょっとあれれ?と思ってしまいました。

にしてもヤンの笑顔はたまらないなぁ。可愛いよ。可愛いんだよ!!
私はちょっと荒んでて汚い感じのトニーが好きなようです。
でも3はみんな、ヤンのこと大好きーて感じでしたよ。警視とヤンのやり取りが好きでした。1の時計をプレゼントするところとか。
男の色気堪能映画でございます。ストーリーも面白いです。2は観てないけどそのうち。

+++++++++
【監督:本広克行 日本】

観に行く気はなかったけど、誘われたので。
どうしても冒頭の地下鉄内パニックシーンは、先日の列車事故を思い出して辛いです。
知り合いが乗っていたわけでも近いわけでもないのですが、それでも辛いです。
そんなわけで十分に楽しめなかったのですが、意外と面白かったです。
真下刑事が主役ということになってますが、たくさんの人が活躍してて、真下君に焦点を絞った、という感じではなかったです。
それが逆によかったです。
特に木島刑事がよかったですー。素敵!
あとはお馴染みのSATや爆弾処理班のみなさまも男前!
踊るシリーズって、配役がうまいと思います。

結局犯人は捕まらず、もやっとしますが、犯人を誰、とか特定したくなかったのかなと。
そういうのもありかと思います。
真下君はついに、雪乃さんとうまくいくようで、よかったね。
ラストには室井さんの方の予告もありましたよ。
あ、ちなみに青島君は出ていません。ちらっとも出てこないので、期待して観に行かないように。名前は出ましたけど。

しかしクリスマスの話だったのはなんでですか?去年公開するのは無理だったんですかねー。


2005年05月11日(水) 『阿修羅ガール』(小)

【舞城王太郎 新潮文庫】

舞城三冊目ですが、どんどん扱い辛い本になっていくなぁ。
とりあえず言えるのは、舞城初体験の人は、阿修羅ガールから読まないほうがよい。
つながりはないですけど、煙か〜や世界は密室で〜は、少なくとも超常現象のようなものは絡まないから、文体に慣れれば読めると思う。

今回は主人公が女の子。
女の子だけど、女の子だからといって何か変わるかと言うと、変わらなかった。
よくも悪くも舞城キャラです。
不真面目なように見えて、真面目。
よくありがちな、不真面目な皮をかぶっているというのではなく、全て率直であるがゆえに、不真面目に見える。

でも、女子高生が主人公なだけに、恋に忠実なキャラにはなってました。
陽治にふられて、もう死んでもいいや、というくだりは短絡的に思えるけれど、あの場面でふられたらやっぱり、もういいやって思うだろうな。

森のところが怖かった。
お兄ちゃんがもう少し何か役割するんだと思ったけど、何もなかったな。

終わり方は、煙〜や密室よりも、精彩を欠く気がしました。
でもやっぱり、この人の本はなにか無視できない魅力と言うか面白さがあるんだよな。説明しにくい。


2005年05月08日(日) 『暁天の星 鬼籍通覧1』(小)

【椹野道流 講談社ホワイトハート文庫】

面白いらしいということで、文庫化を待っていたら、ホワイトハートであら?と。
ホワイトハートで悪くはないけど、読んでみたら、更に、あらら?と言う感じでした。
楽しみにしていたぶん、がっくり。
そうなんです。あんまり面白くなかったんです。

キャラ小説なんですねぇ。
私はキャラ小説を嫌ってはいないですけれど、意味もなくキャラ付けされていると気になります。
ST読んだ時のような感じ。

ただ単にキャラが私のツボに入らなかっただけだろう、と言われると、うつむいてしまいますが。

あらかじめ、ミステリーだと思って読むと肩すかしを食うというのを知っていたので、幽霊オチでも別に驚かないし、文句もなかったです。
司法解剖のシーンがやったらめったら詳細なのは、作者が昔やっていたからですかね。ちょっと、詳細すぎて、私は想像してはうわーという気持ちになりました。

しかしこの内容なら、半分の長さで収められそうな気がしますよ。
2巻以降は読みそうもないですが、2巻以降を読まなきゃ損だ!という方はその旨ご連絡ください。文庫になったら読みます。


2005年05月05日(木) 『絶望に効く薬4』(漫)

【山田玲司 小学館】

もう4巻まで来たのですが・・・・。
巻を追うごとに、なにか妙にずれてきた感じがするんですが、なんでしょうね。
前の巻だったかで、山田玲司が「方向が定まった」というようなことを書いていたと思うのですが、それがもうなんだか決定的に間違っていたような気がするんですが。

今回の巻は、褒めて認める、というのが結論だったようで、そう書かれるとまた反論しにくくて困るのですが、違和感があるんだよなぁ。山田の言う事。

対談相手は相変わらず、凄い人たちばっかりなんですが、多分、違和感の正体は、対談相手の言った内容が正確なニュアンスで漫画に起こされていないのではないか?というものだと思います。
そりゃあ、漫画にするのだから山田なりに理解して漫画にするわけですが、なんだか、相手の言う事全肯定なのが、気になるのですよ。

そこでまあ、ちょっと、山田が一番思考停止してないか?と疑問が沸くのです。
凄い人に会いすぎて自分を見失っているんじゃないかという気がしてきた、4巻でした。
そろそろ小林よしのりと会ったらどうでしょう。よしりんの方が、圧倒的にあくが強い印象ですけど。
特にゴー宣ファンというわけではないですが、面白いとは思うよ。

今回一番の至言は「山田さんの矛盾を突いてくる人が出て来ると思いますけど・・・」(糸井氏)かなぁ。
多分、もう突いた人は何人かいたんじゃないかという気がしますけど。
あとは整体師の寺門さんが面白かった。
しかし相変わらず似てない絵だな。似せる気がないんだろうか。


2005年05月03日(火) 『炎の蜃気楼メモリアル』(小)

【桑原水菜 集英社コバルト文庫】

ミラージュメモリアル(しかしもう少しタイトルなんとか・・・いや言うまい)ということで、何も中身を確認せずに買って、家に帰ってから目次見てふおっー!となりました。
こ、これは例のアレの。

わけのわからない話はこの辺でやめておきまして、ミラージュメモリアル=私のメモリアルでもあるので、その辺も織り交ぜ一つずつ感想を。
あ、私のメモリアルはいらないですか。
毎度のことですがミラージュの感想は自分でもかなりの電波ぶりだと思うので、痛い奴を見るのがいやな人は読まないでください。

で、本書はまさか商業ルートで出ると思わなかった、水菜先生の同人誌に掲載された短編を集めたもの。
しかも、けっこう昔のだし。
読みそこなった人にとっては、垂涎?滂沱?
ちゃんとコバルト文庫から出たのもびっくり。

本日は橘義明氏の誕生日なので、お祝いの気持ちも込めて感想をつらつらというには、激しく語ろうかと。

「まえがき」〜「蜃気楼年表」
そこから感想を!?
完結してから一年経つんですねぇ。もう何年も経ったかのような気もするし、ついこの間のような気もします。
全40巻はやっぱり半端じゃないなぁ。
年表見るだけで目頭が熱くなるのは蜃気楼くらいですよ。
最終巻のときのサイン会では大勢の人が泣いていたらしいですが、私だって行っていたら泣いていたに違いない。
私はどうやら水菜先生言うところの「超番外編」にあたる作品が好きらしい。
でもそれは、本編があってこそなので、誤解なきよう。

「捨てられた猫のように」
高耶さん以外の男子が、猫をにゃんこと言ったらぶっとばしたくなるかもしれないですが(わんこなら許す)、高耶さんなら、雨の日ににゃんこを拾って帰ってきても私は何も言わない。
相変わらず抑制が効いているようで全く効いていない、直江さんも愛しくてならない。

「ミラージュ紀行」
水菜さんの紀行文片手に、ミラージュツアーしたファンは多そうですが、私も例に漏れずぼちぼちと行ってます。
いまだに松本に行けていないのが悔しい。熊本も行きたいぞー!
何より二月堂!!見たい!!そこから見る空を!!
そして脳裏によみがえるあの名シーン。ああ、いいな・・・。
美味しいものも食べたいです。四国でうどん。

「CALL 捨てられた猫のように2」
コール三回で、相手がわかる直江さんに戦々恐々です。しかしそれが、直江という男なのです。
恐るべし・・・恐るべし・・・・
そんな彼を愛してやまないのでつっこむことはしませんが。
美弥ちゃんはどんな女の人に成長したんでしょうね、と思うとまた目頭が熱く・・・うぅ。

「桑原水菜が選ぶベストコンビ」「私だけが知っている「あの人」の秘密」
氏照&小太郎コンビは確かに好きだったかもなあ。北条家の人は好きでした。
『群青』だって好きさ。
高坂は直江マニアですから・・・。ちょっと、それ本にしてよ、高坂。
にしても、褌の洗い方って。そうだよ、さかのぼれば直江さんだって褌時代があったんだ・・・!褌でもいいけどね。

「Decadent Eve」
冒頭2ページは、この女の敵め!東京湾に沈めるぞ!と言いたくなりますが、本当には怒れない惚れた弱みですな。
これを読んで『駆け込み訴え』(太宰治)を読みましたねぇ。
高耶さんの作る肉じゃが美味しそう。
そして駄犬な直江さん・・・。好きさ。なんだって好きさ。駄犬で狂犬で忠犬なそんなこの人が大好きです。

「炎の蜃気楼ドラマシアター」
懸賞CDのシナリオですって。私は当たったことないですね・・・。
ジェットストリーム(ラジオ番組)は中学生の時聞いていて、いい声だなー、直江さんはこんな感じ?と思っていたものですが、まさかパロディやってたとは・・・・き、聞きてぇ。
まあしかし、こんな機長は嫌だ。直江さん・・・。

「誕生夜」「信仰」
ポエム二編ですな。
関係ないけど「十字架への道」が好きです。

「氷結の夜」
歌にもなっちゃった短編。
寒かろう・・・という言葉はこの人たちには無用なのです。
熱いんです。いつだって熱いんです。

「Northern Cross」
高耶さんに“へぇボタン”持たせたら、押しまくりだろうなと今なら思う、直江氏の雑学王ぶり(博識と言ってやれ)。
まあ、だてに400年生きてません。
私も夜空に北十字星探して、そっと胸を熱くしてみようかと。

「あとがき」
完結の前後に雑誌に掲載された短編を実は読み損ねています。
いや、読む気力なかったんですよ。実際のところ。
いつかいつか、本になるのを待っています。赤鯨衆列伝でもいいですよ。
なんだっていいんです。水菜先生が書くものなら。

「聖痕」
最後の最後にこれを置きますか。
いや、いいんですけどね。
ただ、これを初めて読んだ中学生時分は、いささかびっくりした記憶が。
ああ、そんな時代もあったねぇ。私。

改めて時分にとって特別な作品だったと思いなおしています。
そろそろ赤の神紋を読もうかな。

おまけ
水菜先生の公式ページ→http://mizuna.info/



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