妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2003年07月30日(水) 『西の魔女が死んだ』(小)

【梨木香歩 新潮文庫】

ファンタジックでふわふわしたような外見ながら、内容は意外と現実的。
まいちゃんに同調できなかったせいか、あ、終わっちゃった・・・みたいな読後感でした。
「渡りの一日」の方が鮮やかさがあって好きです。
ただ、その後のまいの話、というわりに、おばあちゃんのことは微塵も触れませんね・・・。

客観的に言うと、面白い話かもしれませんが、私好みじゃないな、というのが正直な所です。
でも、この人の純然たる児童書、なら面白いと思えるかもしれません。
ひょっとしたら、読むタイミングが悪かったのかもしれない。
本には出会うタイミングがあるから。


2003年07月27日(日) 『地を這う虫』(小)『ブラックジャックによろしく6』(漫)

【高村薫 文春文庫】

初めて読む高村の短編。
一言で言うなら、渋い
サラリーマンのおじさま方が読んで何かしら得るような渋さがありました。
いやぁ、沁みます。なんとなく。

ところで、高村「田の法則」は短編にも有効だったみたいです。

田岡 「愁訴の花」
岡田 「巡り合う人びと」
沢田 「地を這う虫」

「父の来た道」も○田だと思ったんだけど、どこに苗字の記述があったか分らなくなってしまいました。
「田岡」だけがイレギュラーですが、しかし、二話目が「岡田」というのも・・・高村女史、あまりネーミングにこだわりがないんでしょうか。
キャラが薄い作家ではないと思うのですが、どういうわけか名前にこだわりが見られません。
それとも、主人公に「田」はやはりマイルールなのか。

4話とも、元刑事が主人公。枯れているようで枯れていない男たち。
「愁訴の花」が好きでした。

あまり本に書いてある粗筋はあてにならないと思っているのですが、この本はなかなか上手いと思います。

+++++++++++++
【佐藤秀峰 講談社モーニングコミックス】

扉裏に
「このがん編は長編にわたる物語です。衝撃的な情報が多々含まれていますが、どうか、がん編の最後までお読みになってご判断下さい。」
との注意書きがあって、少し驚きました。
今まででも充分衝撃的だったので、正直気が重いです。
読んでもやはり気が重いです。
がん編の最後まで読んでも判断できるかどうか。
がんばって読んでいこうとは思ってますが・・・。


2003年07月26日(土) 『3wayWaltz』(小)

【五條瑛 祥伝社】

エディさん、待望のソロデビュー編。
今まで、鉱物シリーズにおいて葉山視点でしか登場しなかったエディがソロで登場。
そして、よやくエディの肩書きが判明。
「在日米軍情報部長」
部長・・・・!スーパー部長!!(最近見ませんなぁ)なんて似合わないんだ!!!
その他、素敵な呼称も判明。ミスター・パーフェクト横田のカサノヴァ
ついでに、詩人であることも判明。
花を愛でるエディに、腹を抱えさせていただきました。ステキです、部長!!
芙蓉にいったい、誰を重ねているのやら。

今回ですっかり、エディにまいってしまいました。さすが、カサノヴァです。
エディは予想にたがわず、風呂上りはバスローブでした。いったい、どんな自宅なのだろう。

こんなに語ってますが、主役はエディではありません。気持ちとしては、主役なのですが。
ええと、主役は恭祐?由沙?
多分、へたれ具合と殴られっぷりからして、恭祐くんだと思われます。
少々つっぱっているけれど、本当はいい子というあたりが、亮ちゃんを髣髴とさせますが、恭祐くんはまっとうに生きてもらいたい。
若いし。
ショーン君とは仲良くしていってもらいたいと思うのですが、ショーン君と仲良くするともれなくエディさんもついてくる辺り、良いのか悪いのか。

五條キャラ最強という噂の由沙さん、お目見え。
かーなーり、強かった。容赦ないです。
舟こそ沈めてませんが、坂下以上に暴れました。間違いないです。
今後もしたたかに強く容赦なく生き抜いて欲しいです。

五條小説の共通テーマは家族だと思います。
話しが進むにつれ、どんどん死んだ涼子という女性がいかに魅力的であったかわかっていくあたりは、『熱氷』の朱音に似てます。
また、浩太郎もよい父だったことが徐々にわかっていきますす。
この家族と由沙の関係がなんとも切ない。

私、とても俊之のことを疑っていたのですが何もなかったです。
じゃあ、恭祐が最後に父親に会った後に、俊之とすれ違ったのはなんだったんだろう・・・。

さて、エディさんが出ていると言うことはあの人この人も登場しています。
『スリーアゲーツ』でちょろりと出てきた、タキさん、スタック。そして、アナリストに韓国人記者。
どういうわけか、後半の二人は名前が出ません。アナリストなんて、かなり登場しているというか、エディのダンスのお相手なのに、地の文に名前が登場しませんでした。
一度「タカシ」と名前を呼ばれるくらいです。
鉱物を読まずに、これを読んだ人は「誰なんだ・・・」と思うこと間違い無しです。意図的に不親切な描写をしているような感じがします。
ここまで出てるなら、坂下も出るかと思ったんですが出ませんでしたね。ひょっとしたら見えないところで働いていたかもしれませんが。
やはり、五條キャラで最もギャラの安いのは葉山のようです。どこにでも出てくる。

そんなことはともかく、エディ視点のはやま・・・じゃなくってアナリストはやったら、可愛いんですけど!!
エディは葉山・・・じゃなくってアナリストを引っ張り出す時、非常に楽しそうでした。予想通りで嬉しい限りです。
そんな二人のデートコースがまた増えています。
東京タワーの見えるマンション。どこだ!!誰のマンションなんだ!!!
エディが「暑いならクーラーを入れろ」と言っていたから、葉山(もう面倒くさくなったらしい)のかなーと一瞬思いましたが、葉山は高田馬場がお住まい。
見えるか??
エディが葉山宅に来てたら大問題のような気がするので、どこかなんでしょうな。
そしてさらに、東京タワーに上ったことがない葉山を連れて、特別展望台に登るエディ。
行きたいなぁ。東京タワー。やにわに、東京タワーへの憧れを持ってしまいました。
展望台の上で、所在なげな葉山が可愛いよー。その上、「弾除け」とか言われてるし。あげくは「アクセサリー」だし。かーわいーなー。
エディの電話に聞き耳立てるために背伸びしている葉山も可愛いよー。
そういや、エディの身長は2メートル近くあるそうだから、それより頭一つ小さい葉山でも180前後だと推定されます。案外、高い。
こんな二人(見た目外国人)がカップルだらけの特別展望台にいたら、大分目立つと思いますが・・・エディさん。

エディさんは予想以上に葉山を可愛がっているようです。葉山には全く伝わっていませんが。

他に、テディベアのカップを出されて不本意そうな葉山とか、ダンヒルにパブロフの犬なみの反応をしてる葉山とか、由沙の話を聞き出すのはお前だと言われて硬直している葉山とか、由沙の前で墓穴を掘りまくる葉山とか・・・全部可愛いです。
可愛いと言えば、タキさんとのやりとりが可愛かった。
いつの間にそんなに仲良くなったの?

こんなに語っておいて言うのもなんですが、五條さんは主人公の視点にしぼって書いた物のほうが面白いと思います。
ちょっと、解せない部分があったもので。


2003年07月25日(金) 『蒼天航路28』『無限の住人14』(漫)

【王欣太 講談社モーニングコミックス】

キョチョと曹操様の仲良しっぷりがいいですなぁ。
韓遂がかっこよいです。

馬超さんは、どう描かれていくのか楽しみです。
曹操死後、まで描かれれば、ですが…。描かれないか。

荀イクがもう、本当に危なげで。
まい巻、どきどきですよ。

+++++++++++
【沙村広明 講談社アフタヌーンコミックス】

いまいち話の流れについていけておりません。
ええと・・・?
前までの流れをすっかり忘れてしまった頃に発売されるから、どうにもこうにも。

万次さんは、本当に本当に痛くない戦い方してくれませんかね。
自分でも痛みはあるんだ、て言ってるくせに。


2003年07月24日(木) 『ヒロイック・レジェンド 諸葛孔明時の地平線1〜4』(漫)

【諏訪緑 小学館PFコミックス】

孔明先生が主役です。タイトル見れば分りますが。
たまには、瑾兄ちゃんが主役の話しとかないんでしょうか。
私はけっこう、瑾が好きです。

可愛い顔したホウトウとか、薄味な徐庶とか、西洋風な顔の曹操に違和感を覚えつつ、普通の三国志とでも言えばいいのか。
大胆な解釈がほどこされているわけでもなく、あくまで普通。
正史よりだとは思うのですが、孔明主体なのでほぼオリジナル化している話運びです。
4巻までで、これから長板、というところ。
ここですでに、魏延がいる・・・。あれ?じゃあ、黄忠もいるのかしら。
なんだか貧相な魏延です。

周瑜がかっこよい感じです。赤壁に期待が。
でもその髪型は・・・。まあ言いますまい。
服装、髪型がこの時代にあるまじき感じではありますが、細かいことはいいか。
孔明、髭ないしな。そういや、曹操にも髭ないな。
関さんの、中途半端な長さの髭が気になる。もっと、がっつり伸ばそうよ!!

趙雲、ちょっと若すぎないかな。
いや、それ言うと、華佗の若さが気になるな・・・。じいちゃんのイメージがあるもので。

孔明は普通です。ほんと、いたって普通のキャラです。
はじけろ、とは言いませんが。たまには普通の孔明でもいいか。
兄者はとても好きな感じです。おっさんですが。

はたして、五丈原まで描かれるのでしょうか。先は長いぞ。


2003年07月23日(水) 『LOVELESS 1〜3』(漫)

【高河ゆん 一賽舎】

高河ゆんの漫画を読むのは初ですよ。
なんとなく、合わなさそうで。
実際読んでみて、あまり印象は変わってません。

猫耳ですよ。
なんの説明もない世界観ですが、まあそういうことなのですね、とひとまず肯定しないことには始まらないので別にいいです。
断っておきますが、猫耳やらウサ耳やらにときめくタイプではありません。
どちらかというと、「耳、四つあるじゃん・・・」とツッコミたくなるたちです。
でも、可愛いよね。

猫耳がついていることに対する必然性が、作者の好み以外の何者でもない感じがとても潔いと思います。
これでもっともらしい説明があっても嘘くさいしな。いいんじゃないかしら。
立夏くん、可愛いからいいです。
ユイカちゃんも可愛いです。立夏との身長差が可愛い。

あちらこちらに、読者のツボを刺激するポイントが散りばめられている感じが、あざといですな。
でもあまり、意地の悪い読み方をしないで、作者の意図にのって読むのもいいかもしれない。

ところで、3巻の裏表紙は誰なの?


2003年07月20日(日) 『美少年鑑定団シリーズ 白鷺妖一郎の優雅な休日』(小)

【紫藤あかり マガジンマガジンJUNEノベルス】

手強かった・・・・
いやはや、なんとも厳しいものがありました。もう二度と変な好奇心は出しません。
そう誓いたくなりました。

タイトル見りゃ、わかると思いますがボーイズラブなので苦手な人は回避。感想もあまり上品にまとまりそうもありません。

美少年鑑定か。
美少年にはさっぱり興味がないからなぁ。美青年とか美中年とかだったら、ときめいたかもしれない。
いや、中年なら美じゃなくてもいい。味があれば。
だいたい、美少年なんて一時的なもので将来性がないじゃないかと(そこがいいんでしょうけれど)思うんですよ。
そのうちハゲるかもしれないじゃないですが。
私は美少年よりもいたって普通のクソガキとかの方がいいな。どうせなら。

「恋に落ちた修行僧」

修行に失敗してるよ、あんた。と言いたくなるが、もうええわ。
某鑑定番組と同じように進行して行く「今夜もドキドキ!美少年鑑定団」。
番組形式で進む話です。
はたして、この番組はゴールデンタイムなのか。全国ネットらしいが、きっと公共電波じゃなくてもっと特殊な電波だと思われます。
とりあえず、大人気番組らしいです。
要は美少年を鑑定してお値段を決めるだけなんですけどね・・・。鑑定方法が破廉恥ですが。まあ、そこらへんは一応衝立の陰で行われると言う、倫理観も見せてますが、それがどうした、と言いたい。

ああ、そういや、破廉恥さに気がつかなかったけれどエロはないな。この本。
どうせなら、やっててくれたほうがまだマシだったかもしれない。

しかしですね、このジャンルには必ずなにかしらの嗜好的こだわりによる萌えと呼ばれる偏執性があると思うんですが、というかないと成り立たないと思うのですが、この話のどのへんに萌えるんだろうか。
私が美少年好きだったとしても首をひねると思うんだけど。どうだろうか。
萌えどころは美少年を鑑定すること?つーか、ギャグ小説として読めばいいの?どうしたらいいいんだろうか。
作者の意図がわからない。
そして、これが出版ルートにのって出版されている事実をどう受け止めればいいのか。
自費で出しとけ。

「白鷺妖一郎の優雅な休日」

妖一郎、恋の予感

カリスマ鑑定士の某日。
普通に本業に励んでました。美少年画を鑑定す。
独り言の多さに、妖一郎、ボケ始まってるんじゃないか?といささか心配になりました。
嘘です。全然どうでもいいです。勝手にしてください。

「オペラ・ピンクの煩悩」

坊主というのは、ボーイズラブの一ジャンルというか一形式とも言える、わりとポピュラーな題材だと思うのですが、不敬な話です。
信仰厚くはないですけれど、こんな話書いた日にはもう寺院に足を踏み入れることは出来ないな、と私なら思います。
まあ、なんというか、破廉恥ですね。

あとがきで、毛糸のパンツを恥ずかしがってますが、そんなのどうでもいいから、もっと別のことを恥じた方がいいんじゃないかと、余計なことと思いつつ言わずにはおれません。
しかし、シリーズってなぁ。これ二作目らしいですよ。もう読みたくないです。


2003年07月18日(金) 『熱氷』(小)

【五條瑛 講談社】

未読の五條本がなくなってしまいました。寂しい。

あっと驚きたい人は、ネタバレするので今日の感想読まない方がよいですよ。

帯の粗筋
「人気絶頂の現総理の元に脅迫状が届く。姿を見せない脅迫犯と氷山ハンターの男、三日間の息詰まる攻防。」
なんだか、高村っぽいなーと思いました。
中身は五條なんですけどね。当たり前だけど。
五條と高村の最大の違いは五條の主人公は非暴力主義だということではなかろうか。

五條の主人公はお人好し(へたれとも言う)という法則は生きているようです。
(洪さんと所長は別として。あれは鉱物チームだから)
でも、今回の石澤さんはお人よしだけれどかっこよかったです。

ちなみにお人好し度は、
三津谷>石澤>葉山>桜庭
の順で高いと思います。葉山は疑り深いので、あまり高くないです。
そして、へたれ度は、
葉山>三津谷>桜庭>石澤
だと思います。
あ、石澤さんだけ殴られてません。さすが、職業ハンターだけはあります。

中身ですが、スパイも某国の陰謀もないです。陰謀はあるんですが、国内でしかもとてもとても個人的な陰謀です。
おおー。『冬に来た依頼人』以外で初めてのような。
まあしかし、息詰まる攻防となってますが、少々視点が動きすぎて高まる緊張感は石澤さんが銃を構えている時だけだったのが、少々残念。
マモルと野村はそんなに描写はいらないんじゃないのかなー。その代わりに、荻原をもう少し書いても良かったんじゃないかなーと思います。
ちょっと、キャラが多いように思いました。

朱音さんが、『幻想水滸伝2』のナナミちゃんとイメージがだぶって、なんとも切ないです。
ナナミちゃん大好きだったんだ。

それにしてもですね、何より驚いたのは荻原じゃなくて(彼は最初から胡散臭い)、マヤは男だったんですかー!!
無性にやられた思いです。
そう言われて読み直すと、確かに所々妙な記述があるんですよね。
強い女の人だなぁと思ってたんですけど。車の運転シーンなんて、滑川がちょっとたじろいでいて、あそこらへん好きです。

スワローとグースの石澤さんへの、懐きっぷりがとても可愛い。
双子と石澤さんのやりとりがずっと好きでした。
この後も仲良くしてるんでしょうね。
石澤さんと滑川も仲良く(?)してるんでしょうか。ちょっとばかり気になります。
マーヤのその後とか。相変わらず占い師なんでしょうか。

たまにシリーズじゃないものがあった方がありがたいですが。勝手に想像させていただきます。


2003年07月17日(木) 『翠迷宮』(小)

【結城信孝編 祥伝社文庫】

女性作家のミステリーアンソロジー再び。
前回も思ったけれど、今回読んでやはり気になる。
なんで、女性作家のミステリーというくくりだけでアンソロが成り立つのか。
もっと限定した条件でアンソロを組むべきじゃないのかしら。
もうね、推理ものだと思って読んだら、ホラーとか、ホラーだと思っていたら推理ものだったとか、そういうフェイントはいらないから。
私はミステリー=推理だと思っているから(思い込みですけど)そうじゃないとなんだか物足りないんです。
あと、女性作家=愛みたいな、そういう固定観念もいい加減やめたらいい。
と思うけど、この中に収録されている話はいかにも、女性作家ですみたいなネタばかりで、うんざりしてきました。
苦手なんです。

もう、ほんっと五條がいなけりゃ読まないな。

「指定席」 乃南アサ

初めて読みました。
なかなか面白かったです。ちょっとした、ホラーのようなミステリーのような。
他の著書も気になりました。

「捨てられない秘密」 新津きよみ

え、これから事が起こるんじゃないの・・・?というところで終わる。
そういう手法なんですけど、どちらかといえばこれから起こりえることの方を描写した方が面白いんじゃないかと。

「神の影」 五條瑛

前回の収録作品の三人が再び。どうやらアンソロ要員のようです。この三人組。
そのうち一冊にまとまりませんかね。
関西弁のモレナさんが素敵で、アキムがしたたかでしっかりしてて可愛いかったです。
好きな作家には甘甘の評価しかしません。贔屓ですとも!
でも面白かったけど。

「美しき遺産相続人」 藤森いずみ

オウムなのがすぐにわかってしまいました。
もう少し別の動物とか・・・ロボットかな、とも最初思ったんですが。
その最大のトリックはすぐにわかってしまいましたが、最後の一行が少し面白かったからまあいいかな、と。

「わが麗しの君よ・・・」 光原百合

前回の時も思ったけれど、やっぱり文章が苦手です。なんだか寒くなる。
「堕天使の血統がまざったような美男」という比喩がもうたまらなく・・・・。
で、「僕」が犯人なのはなんとなく。他に可能じゃないしな。僕と書いて「しもべ」までは考えなかったけれど。
出来不出来の前に、文章が苦手です。
でも今回も一人だけ正統に推理小説の手法を踏襲。生真面目すぎるくらいに。

「黄昏のオー・ソレ・ミオ」 森真沙子

どんでんがえしを期待しちゃったんだけど、何もなかったです。
雰囲気だけはあるんじゃないですか。

「還幸祭」 海月ルイ

面白かったです。
意外な展開はしないけど。
でも、タイトルとあいまっていいラストだったと思います。ミステリーじゃないけど(しつこいなぁ)
こういうラスト好きです。

「カラオケボックス」 春口裕子

まあまあ。
ふーん、まあ、よかったね、という感じです。

「翳り」 雨宮町子

もう少し怖くてもいいけど。
『屍鬼』を思い出しました。土葬ということで。
面白くないこともないけど、なんで土送ってきたんだろう。わかるようなわからないような、主人公の勝手な解釈じゃないのかという気もする。
聞き手は誰だったのかしら。そこに意外性があるかとも思ったんだけど。なんでも意外性を求めすぎなんですかね。

「鏡の国への招待」 皆川博子

なんだかタイトルの意味がわからなかったな・・・・。
なんだかな、と言う感じ。


このシリーズはもう勘弁してもらいたい。
出してもいいから五條を入れないで〜。


2003年07月15日(火) 『スノウ・グッピー』(小)

最近の五條作品感想で「妄想ばっかりで内容がわからない」とアイタタなことを言われてしまったので、今更ですがお伺いします。
粗筋紹介はいりますか?
するとしても、一部の小説だけですけど。漫画はいちいちしてられないし、シリーズ小説も面倒くさいです。

【五條瑛 光文社】

シリーズものではありません。
でも、続編を作れないことはない話です。つーか、三津谷さんのお返事は?

さて、内容紹介するとですね(まあ、物は試しです)

〜日本海に消えた“グッピー”を巡る諜報戦。そして動き始める「スノウ・グッピー作戦」の裏で進行する、涙ぼくろの薄幸美人を巡る、エリート自衛官とヒモの熾烈な争い。〜

私の紹介などこんなものです。
多くのことは期待しないでいただきたい。
一度期待を裏切ってしまえば後はこっちのもんさ、と言ったのは仲上所長(君の夢は、もう見ない)でしたか。素敵です。

最初に真面目な感想を言っておきましょうか。
日本に住む誰もがリアリティを持って読める話であり、考えてしまうネタです。
しかし、五條作品読むとどうして日本ってこうなのかしら?と思ってしまいます。
日本人、と言ってもいいです。
根が深そうなので、今ここではなんとも・・・。

今回の主役は五條キャラヒロイン筆頭・葉山を脅かす、涙ほくろの美人さん三津谷雪人。男の人ですよ。
三津谷さんは、葉山にはない素直さが可愛いです。でも、葉山は素直じゃないのが可愛いのですが。
(※葉山は出てませんよ。念のため)
ヒロが部屋に転がり込んできた時からずっと、三津谷さんの貞操が心配でなりませんでした。
なんでそんなに簡単に受け入れちゃうかなぁ!
流され易いのか鈍いのか度胸が据わっているのか。
「ハニー」の呼称にも案外あっさり慣れている、そんな三津谷さんの順応能力の高さが逆に心配でした。
五條小説主人公の宿命なのか、殴られてました。どう見ても、武闘派じゃないのに。
あ、でも殴ってもいたな。強気なのも可愛い。

宴会での全員女装は間違いなく、三津谷さんを女装させたいだけだったんだと思います。
そしてその時の写真は、今現在宇佐美さんが持っているに違いありません。財布に入ってたりして。
宇佐美さんの三津谷さん好きっぷりが、激しく照れます。そんなに好きなのか!!
三津谷さんの前ではかなりいい顔してます。毒舌も発揮しません。最後の最後まで紳士を貫いちゃいました。
そんなに好きなのに、三津谷さんの方は、宇佐美さんに父性を見ちゃっています。

「スノー・グッピー作戦」それは、宇佐美さんが三津谷さんに送るエンゲージリング(重いな)
この作戦を認めちゃうと、もう後に引けない三津谷さんは結局、このプロポーズを受けるんでしょうか。
「君を汚したくなかった」という宇佐美さんのセリフもいかがかと。想像はしたけど、本当に言うか。

宇佐美さんも三津谷さんもかなり夢見がちな方々です。

でも、宇佐美さんは五條キャラにしては珍しく正統にかっこいいと思うのですが。性格歪んでないし。あれ、三津谷さんにだけかも。

そして濃いのが出てきちゃいました。江崎洋。
天性のヒモですよ。三津谷さんをたぶらかさないでください。
相手が男でも女でも関係ないあたり、何か洪さんにも通ずるものがありますが・・・。
しかし憎めない人です。むしろ可愛くすら思えたり、思えなかったり。
三津谷さんのヒモとして、この後もカムバックする時があるのでしょうか。なんとも心配ですが、この二人の会話可愛いです。
三津谷さんの足首はきっと細いんでしょうな。私もひっつかみたい(どういう願望なんですが)

しかし、グッピーが実は沈んでいなかった、というのは予想外でした。
やられましたねー。さすが、宇佐美さんです。かっこいいなぁ。
ま、宇佐美さんは最初から胡散臭く思ってましたが。


2003年07月13日(日) 『君の夢は、もう見ない』(小)

【五條瑛 集英社】

鉱物シリーズでちらちら出てきた、仲上さんの話。
『夢の中の魚』と一緒で、連作短編集。
五條の短編、本当に面白いんですけど。どうしましょうか。
五條作品は推理小説好きの人もチェックしとくべき、だと思う。
短編集は特にそう。

毎度ですが、ネタバレしまくるんで、一応お気をつけて。

「胸壁の美女」

胸壁の美女、その名も貂蝉。
ついこの間まで、三国志ブームだったものだから妙に反応してしまいました。
まさか五條と三国志が繋がるとは思いませんでしたよ。
その上、貂蝉の正体がおっさん・・・いや姿は現さないままに終わったのですが、仲上所長なみに夢が壊れた思いです。
それはともかく、葉山が出てますよ〜。相変わらず可愛いです。不機嫌です。ついでに潔癖です。たまには笑顔を振りまいて欲しい。
ただ、洪視点の時よりは、穏便です。
仲上さんが葉山を見る視点が、親のようで好きです。
だから、葉山ももう少し打ち解ければいいのに。

「髪の先から」

自作自演は気が付かなかったな。
いつでもナンパを忘れない所長が素敵。
チャンとのコンビも本当に可愛い。
それにしても、チャンが可愛いですよ。
ずっと、チャ〜ンと大五郎ばりに呼んでました(声には出してません。さすがに)
少年達がボーイズラ・・ごほっ。失礼。ちょっとそう見えて困りました。健やかに成長してください。

「秋愁の蟹」

なんとも素敵なタイトル。
謎めいていて興味深くて面白味もあって、とても中身が読みたくなる。
中身も素敵で切ない恋愛物でした。
余談ですが、名前に弱いということで一つ思い出したこと。
コンビニおにぎりに、「コシヒカリ使用」と書かれているのがここ最近(数年前くらいですけど)発売されてちょっぴりお値段が上がりましたが、コンビニおにぎりは元々全てコシヒカリ使用だったとか。
ミステリーばりの心理トリックは案外、身近に転がってるようです。
コンビニ愛好者じゃないので別に腹も立ちません。商売だからね。

「聖夜に君の名を呼べば」

チャンさんに初めてお友達が出来ました。
という話。
所長かっこいいですよ〜。
チャンさん、可愛いし。ピンクチラシごときで赤くならないで〜。
お話も素敵なクリスマスでした。
サンタな所長に惚れ直しますね。

「薔薇の行方」

にんまりしちゃうほど、洒落た話。
所長かっこいいし(そればっかり)
三人とも偽だと言うのはすぐにわかるけれど、まさか林さんがローズとはね・・・。
所長、美女じゃなくても目端が利くのね。
この話、大好き。

「偽りの季節」

世話女房みたいなチャンさんと、だらしなーい所長のコンビが可愛い。
もしくは親子みたいで微笑ましい。
チャンさんがね、本当にいい青年です。

「約束」

生真面目なチャンさん、「どうしようもない男ほど放っておけない」という女性に共感してしまってます。
そのままでは一生、所長の面倒を見て終わってしまうよ!
と思ったら、
「ショチョウの世話だけで手いっぱいですよ」
と言ってるし。
いいのかしら。親族の反対を押し切って日本で生活して、おっさんの世話をしていても。
チャンさんの「ショチョウ」という発音が可愛いくって大好きです。

「君の夢は、もう見ない」

チャンさん、所長の過去の悪行を垣間見る編。
のようでいて、昔の女の登場に心揺れる乙女にも似た、チャンさん。どうなのか。
「昔のあの人を知らないでしょう」
「昔どんなに酷い人でも、今の自分にとっては優しい人」
という会話(要約です)はどう考えても、一人の男を巡る女の争いにしか・・・。チャンさん、無意識にそんな争いに巻き込まれてます。
所長もてますなぁ。

ところでさりげなく気になる、最近極東ジャーナルにできたという(ほぼ)葉山専用シャワールーム。
一体、誰が何の目的で設置したのか!!
でもきっと、仲上さんも使用するんでしょうね。これから先。これで、風呂に入れと怒られずに済みます。
葉山以外と会話する野口女史、初登場。やっぱり、女史は最高にクールでかっこいいです!!
仲上さんと女史の噛み合わなさが素敵。


独立した短編でありながら、ウウル・ホウという男の影が一つの柱としてつながっています。
最後の書簡は、ラウルの熱い熱い求愛をつっぱねる、つれない所長がかっこいいです。
現役時代の所長の話も読んでみたいし、この先ラウルと再会するかもしれない所長も見てみたいです。
鉱物シリーズでちらりと出ていた所長も好きでしたが、この短編集でますます大好きに。
ほんと、かっこいいオヤジです。でも、風呂には入ってください。チャンさんに愛想つかされちゃう。


2003年07月09日(水) 『蛍火の杜へ』『シャーマンキング25』(漫)

【緑川ゆき 白泉社花とゆめコミックス】

いいよね。緑川さん。
ね、と言われても知らんと言われるだろうけれど。
仕事が丁寧で真摯なのがよくわかる。
短編が上手な作家は本当に好きです。

「花唄流るる」
恋・・・遠いな(感想じゃなく感傷です)

「蛍火の杜へ」
切ない。
優しい妖怪たちがよいです。

「くるくる落ち葉」
可愛いお話。

「ひび、深く」
これもまた、切なかった。
兄妹ものをこんなにもさらりと描かれるとは。

+++++++++
【武井宏之 集英社ジャンプコミックス】

凄い表紙だな。
ええと、これってツッコミようがなくて毎度困ります。
いつの間にか強弱が逆転しているっぽい、マルコとリゼルグには萌えておくべきなんでしょうか。
私はあまり興味が・・・・・・・・・。
まん太可愛いよね。オパチョも。


2003年07月07日(月) 『20世紀少年13』(漫)

【浦沢直樹 小学館ビックコミックス】

正体が分ったと思った矢先に、さっさと退場してしまった「ともだち」ことふくべえ。
「ともだち」が死んだら終わりと言う簡単なことではないらしい。
得体の知れないウイルスが急に〜ってのは、もはや絵空事ではなくて怖いです。

仲間が増えてきました。
ケンジはただの駄目な兄ちゃんじゃなかったんですね。
しつこく言うんですが、やっぱりケンジは死んでるんですか…?


2003年07月06日(日) 『心洞 OpenSesame』(小)

【五條瑛 双葉社】

心抉るタイトルですが、内容もそのままで、今回もまともな感想を述べたくない心境です。

三作目、なんだかファンタジックになってきたような気がします。
特に某薔薇フェロモンの人が。浮世離れしていたのが、人間離れです。
巻を増すごとに登場シーンは減っているはずなのに。

革命シリーズって実はファンタジーなんじゃないかしら。

しかし今回、注目はサーシャではありません。
大川先生、あなたって人は・・・!!
怖いです。
己の儚さを武器に生きのびている先生。植村はどうしたのか。
先生の魔性っぷりに、ヤスフミともども落ちそうです。危ない危ない。
この人がサーシャの対抗馬になるとは思えないのですが、これからどうなっていくのか。

今回の主役はエナとヤスフミ。
初女の子主人公。可愛くて逞しくて悲しい。
全部読み終わって、プロローグに戻ると感慨ひとしおです。このシリーズはそういう趣向らしい。
彼というのは、亮ちゃんですね。
これからエナは、サーシャファミリーに入るんでしょうか。
せめて、亮ちゃんの近くにいて欲しい。革命キャラの中で唯一、安定があると思う。

そんな亮司。
大人になったな、と思っていたら、今回は詩神(ミューズ)です。成長と言うより昇華?
愛されてるなぁ。亮ちゃん。
がんばってサーシャを諌める亮ちゃんには、これからも諦めずがんばってもらいたいです。

前回主役の鳩は、とても逞しくなってました。
あまり出てきませんでしたが。

登場人物が増えたり減ったりが激しくて、そろそろわけがわからなくなってきました。
勢力図とか欲しいところ。
一巻から最後まで生き抜けるのが誰なのか不安になってきますよ。
エナちゃんにはがんばってもらいたい。
あのラストでの豪快さは凄いものがある。
それに女性キャラは短命で薄幸なんだもの。

次のタイトルは『恋刃』。次も心抉りそうですね・・・。どんな主人公なのでしょう。
ところで、プラチナのサーシャとこちらのサーシャだと微妙に違うような気がするのは気のせいでしょうか。
なんだかパラレルみたいだ。


2003年07月05日(土) 『紫嵐 Violet Storm』(小)『ONEPIECE29』(漫)

【五條瑛 双葉社】

内容が重くて軽口叩ける余裕があるかどうか不安の、革命シリーズ二巻。
帯には「<革命小説>シリーズ」って書いてあります。
革命小説・・・?ジャンル名?

今回ぶいぶい言わせているのはすみれちゃん(※「ぶいぶい」は五條先生自身の言葉なので私のセンスではない。でも的を得た表現だ)
『プラチナ・ビーズ』で拾われたあの子です。タイトルも「すみれ」で嵐だし(violet=スミレ色)。
早くもサーシャの後を継ぎそうな風格を漂わせております。
純粋でしたたか。
末恐ろしいながら、10年後が楽しみでもあります。
その頃のサーシャも気になりますが。

主役は亮ちゃんから、鳩へ。
幸せになって欲しいと思う主人公。
すみれ、そしてサーシャに連れられてどこへ行ってしまうのか。

前作でたぶらかされた、亮ちゃんも今回少しばかり大人になって登場。
大人になってまた少し可愛くなってるんですけど。
特にサーシャといる時の亮ちゃんはなんでそんなに可愛いのですか。
その上、サーシャは薔薇攻撃の次はでこちゅーかましてますよ。すみれちゃんにするだけならまだしも、亮ちゃんにまでしてます。
どこまでたらしこめば気が済むのか。
亮ちゃんの
「誰かあいつの目を覚まさせてやれよな」
サーシャの目を覚まさせるような王子はこの世にいないと思います。残念ながら。

さて、今回はサーシャは表に出てこず。
まあ、どうでもいいけど、この人ますます浮いた存在になってますな。
魔界都市の方の新宿にいたら普通なんだろうけど。魔界都市のサーシャ・・・。コワー。いかにサーシャでも生きのびられるか分らない町ですが。
なんで日本にいるのかがわからないです。
この国と言わず、世界を革命するくらいの感じでいってもらいたい。

10巻揃った時に革命が終了するんでしょうか。このままだとしちゃいそうなんですけど。
誰かサーシャの前に立ちはだかってはくれないんですか。
亮ちゃんじゃないけど、「あいつの目を覚まさせてやれ」と言いたくなるのも分ります。
やはり、ここは葉山に・・・(無理、絶対に無理)
エディさんは、この国が革命されようがどうしようがどうでもよさそう。
エディとサーシャって、敵対しなさそうなんですよ。お互い見てるものが違いすぎて。

私、どうしても敗北するサーシャが見たくてたまらないらしいです。
ときめくなぁ。そんな状況。
多分、彼は敗北者側から始まった人だとは思うのですが、今が完璧すぎてな。
敗北するエディはあまり見たくないんですけど。エディは常に完璧で。見た目だけ。
でも本当は完璧じゃないんですが。そういうとこが好きだ。

五條キャラの中で浮きまくったサーシャを、現実世界レベルに引き落とせるのは、ひょっとしたら葉山なのかもーと思ったり。
勝つ勝たないはともかく。プラチナで熱いサーシャを引き出した彼だから。
革命でも鉱物でも感情を出したサーシャはあれ一回。

で、さっぱり内容に触れてないんですが。毎度の事ながら。

大食い・早食い・グルメ番組は私は嫌いだな。悪趣味だと思う。最近減ったけど。事故があったんだっけ。馬鹿な話だ。
「死ねばいい」と言われてそれを否定できないものがある。

全10巻読み終わる頃には、もう誰も信用できない、となっていそうですよ。
亜由と鳩が悲しい。
女の人たちがみんな悲しい。

+++++++++
【尾田栄一郎 集英社ジャンプコミックス】

サーシャを熱く語りすぎて疲れたんでさくさくと。
スー可愛いよぅ。欲しいよー。コニスちゃんも欲しいよ(え?)
ゾロとロビンちゃんのコンビ、本当に好き。なんかいいです。カップリングじゃなくてもいいです。

扉絵連載、エースですよ〜。兄ちゃん好きです。


2003年07月04日(金) 『断鎖 Escape』(小)

【五條瑛 双葉社】

とてもとても不本意だが、サーシャ、かっこいいんだよ。
読み終わった時に思わず出た言葉が、「くっそ〜」だったあたり、心境は亮司と一緒なのかも。
『プラチナ・ビーズ』から更にグレードアップしたサーシャ。
これなら、巷でファンに「様」付けで呼ばれるのも仕方がない。
私はつけないぞ。

サーシャが嫌いなんじゃなく、あまりに華麗に完璧で認めたくないらしい。
でも、亮ちゃんよりは、まだ先読みは早いですよ。私は。一応、ミステリ読みだから。

エディと葉山コンビもそう思うけど、サーシャも話す時、距離が近すぎ。
どきどきするから!亮司と一緒にうろたえまくり。
サーシャのピアスが左右違う形なのか、と尋ねる亮司に、
「自分の目で確かめてみろ」
サソッテルンデスカー・・・・・。近いって言ってるだろー。レストランだってば、そこー。
亮司も素直に間近に覗き込んでる場合じゃないから。断れって。

薔薇とフェロモン撒き過ぎのサーシャ。
最後は自分で花吹雪しちゃうサーシャ。
かっこいいからってなんでも許されると思っているのか。かっこいいんだよ(どっちだ)
亮ちゃんは、薔薇とフェロモンに振り回された挙句、からめとられてしまったようです。
哀れ。もう、サーシャからは逃げられない。
ところで、車に薔薇の花束仕込んだのはサーシャ本人でしょうか。
なんだかその様子を想像するとおかしい。

葉山と亮司はどちらが哀れなんだろう、と思ってしまいます。生い立ちの複雑さは葉山かな。
エディもサーシャも溺愛の仕方が歪んでいますよ。
葉山と亮司は気が合いそうだ。

こうして感想を書こうと思うと、サーシャしか思い出せないんですが…。
亮司を落していく過程というか、やり口が女を落すそれに似ていて、「どうよ、サーシャ」と言いたくなります。
それにしても、どうして亮司がよかったんでしょうか。好み?
そんな感じで葉山のこともいつか落としにかかるんでしょうか。それとも「私を倒しにこい」という心境なんでしょうか。
今回しみじみと、葉山ではサーシャを倒せないな、と実感。だいたい、葉山はエディにも勝てないし。
エディとサーシャならどちらに軍配が上がるのか。怖いもの見たさです。

読んでいる間、この頃鉱物チームは何をしているんだろう、ということが気になってました。

いい加減、サーシャのことばかり書いていてもしょうがない。
ヤクザにぼこられている亮司を二度も都合よく、いやタイミングよく助けに現れるサーシャにときめくというより、不信感でいっぱいなのは私だけですか。
腕っ節の方も問題ないらしいです。銃器も扱いますし。弱味はないのか。

だからもう、サーシャはいいってば。

革命の主役は亮司でいくんでしょうか。
五條の主役ってどうしてみんな、妙に可愛いんでしょう。
亮ちゃんも可愛かったです。悪になりきれないのが、育ちのよさを感じさせます。
それなのにサーシャにたぶらかされ・・・ホロリ。
プロポーズの言葉は
「革命を起こさないか、この国に」
素晴らしく胡散臭い言葉です。
この先、亮ちゃんがどうなっていくのか、楽しみです。

両親と仲直りできてよかったよ。本当に。

ダークホース大川先生。
私は最初から信じていなかったけれど。
でもあまりの可憐さにもういいやという気分です。
儚すぎます!先生!!
先生にやられぎみです。
そりゃ、植村も執着しますよ。先生、細いのに。華奢なのに…ああ、心配。

お岩(亮ちゃん、あだ名が酷いよ)が、かっこいいというか魅力的。
五條の女性キャラ、本当に好きです。

実は、サーシャに翻弄されまくってストーリーが頭から抜けてます。
ええとー。でもまだ、繋がっていない伏線があるような・・・。繋がっていないのは私の頭かもしれません。

一つ真面目な感想を言いますと、大川先生のような境遇は想像するのも困難だし実感もわかないのですが、奈々子や亜由は実感を伴って辛い気持ちになります。
実感を伴い具体的に想像できる心情と言うのは、せいぜいが実生活で起こりうる範囲のことなんだと思います。
だから、祖国を失うこと、餓えること、そういうことをリアルに想像することはできません。
漠然と思うことはできるけれど。

サーシャの月のピアスは祖国の国旗でしょうか。中近東の国の国旗にはよく月と星があしらわれています。
30年ほど前の世界地図と現代を比べるとなかなか面白かったですよ。サーシャはこの辺で生れたのかな、とか。
(サーシャはエディと同年代らしいです)


2003年07月03日(木) 『黄金を抱いて翔べ』(小)

【高村薫 新潮文庫】

古本で買ったから、細かい傷がついているのかと思ったら、基板の柄なんだね。表紙の黒地。

さすが女王高村だな、という感じ。
なんの女王なのか知りませんが、巷でそう呼ばれているのもわかります。
高村の小説は、後半のカタストロフィーに向けての盛り上げ方がうまく、いつも一気に最後の行まで読まされます。
今回もそうでした。
そして読み終わったあとの、なんとも言えない気分。
感動ともちょっと違う感慨があります。

ところで高村作品のちょっと気になる共通点。
『神の火』   島田
『李歐』    吉田
『マークスの山』合田
そして今回。  幸田
主人公の名前に"田"をつけるという、マイルールでもあるんでしょうか。
他の作品も気になります。

デビュー作ですが、昨今の作品にも見劣りすることのない勢いがありました。
一つ一つのエピソードの繋がりが薄いような気もしますが、高村って周到に伏線張り巡らせていくタイプではないからな。

高村さんの書く、男同士の絆(というのもちょっと違う)って独特のものがあって、どうしようかと思います(李歐なんて特に)。
今回の幸田とモモは、いつになくわかり易いんですが、幸田と北川は・・・・。
北川、幸田に惚れてたんだろ?と言いたくなります。
あと、春樹と幸田もなんだろう。

このもやもや感が好きですが。

モモと幸田には二人で幸せになってもらいたかったなーと思います。
ところでこのラスト、幸田ってやっぱり・・・?
高村はハッピーエンドにならないイメージがありますが、更に強まったような。
悲劇的とも違うし、切ないというのも違うんですが。

金塊強奪というネタなのに、痛快さや爽快さはなく、今回も高村独特の淡々とした悲愴感が漂っていました。
高村小説に漂う、この熱さとドライさをなんと表現したらよいものか。

関西圏において、豆腐屋でのバイトはポピュラーなのでしょうか。
『マークスの山』でも豆腐屋が出てきたし、今回もモモが最初働いていたので、ちょっと気になりました。


2003年07月02日(水) 『炎の蜃気楼38 阿修羅の前髪』(小)

【桑原水菜 集英社コバルト文庫】

もう感想もありません。
言葉が見つからない。
それだけです。


2003年07月01日(火) 『三国志2』『BREACH8』『アイシールド21 3』(漫)

【横山光輝 潮漫画文庫】

たいそうのんびりペースで読んでます。
曹操様、ご活躍の巻。
「俺が天下に背こうとも、天下の人間が、俺に背くことは許さん」
名言扱いですけど、わがままなこと言っているなーと毎度思います。
呂伯奢のエピソードは蒼天解釈が好きです。

いろいろめぐって、一番好きな三国志は蒼天航路なのかな、とこの頃思います。

肥えていない董卓に、やっぱりお馬鹿な呂布。
李粛が妙にでばってます。

早く徐庶に会いたいよー(まだまだ先ですよ)

++++++++
【久保帯人 集英社ジャンプコミックス】

表紙は誰なのかな、と思ったら一護の剣でした。
渋いです。
そして、キスケさん素敵です。大好きー。
でも帽子を脱ぐと、誰?となります。
帽子はかぶっていてもらいたい。

チャドの記憶の中の花梨ちゃん(名前あってるかいまいち…)がえらいことに。
それはいくらなんでも!!

新キャラのぎんが気になるところ。

+++++++++
【漫画:村田雄介 原作:稲垣理一郎 集英社ジャンプコミックス】

進くん、かっこいいですねー。
でも、ヒル魔もかっこいいと思ってます。出番、少なくないですか?ヒル魔。

スポーツ漫画の王道を突き進んでいますが、こういう展開は好きです。

普通に楽しく読んでいるのでこれといった感想も。
(新キャラに触れてやれよ)



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