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2007年10月04日(木) |
【音楽】10月4日=グレングールドの命日/【お薦めCD】ウォルフガング・サバリッシュ管弦楽名曲集2/曲にコメント追加。 |
◆10月4日はグレングールド(1932〜1982)という、極めつけの変人ピアニストが亡くなった日です。
嫌味な書き出しになりますけど、もしも、貴方の周りに「クラシック通」を自認して、何か癪に障る人物(あ、俺か・・・)がいたら、
グールドのCDで何が好きですか?
と聴いてみることをお薦めします。
「ブラームスの間奏曲集かな?」などという人がいたら、少しは知っているかな、という感じです。
そこで、必ずしも好きなものが無くてもいいのです。「あ、グールドは、嫌い」と言う人も沢山います。
しかし、好き嫌いは別にして、この人の存在(故人ですが)自体を知らなかったら、「クラシック通」だか「クラシック好き」
と言っているのは、ウソです。
即ち、好悪を通り越して、一度は聴かざるを得ない、というような人です。
この人は数々の奇行が有名ですが、それを書いた本もウェブサイトも、ゴマンとあるので、私の説明は省略します。
ここでは、ウィキペディアがかなり正確ではないかと思いますので、リンクしておきます。
◆モーツァルトのピアノソナタを、まっとうな演奏と、グールドで聞き比べます。
ウィキペディアにも書いてありますが、グールドはバッハを弾くのが一番良いのです。
モーツァルトのソナタを全曲録音していますが、真面目なのか、モーツァルトをからかっているのかわかりません。
ソナタ一番の第三楽章を、イングリット・ヘブラーという、モーツァルト弾きとして名高いピアニストの演奏で聴いて下さい。
ダウンロード HaeblerPianoSonataNo1K2793rd.mp3 (3532.2K)
あれこれ書くと面倒くさいので、話をテンポだけに絞りましょう。
今のイングリット・ヘブラーのテンポを覚えておいて下さい。今のテンポが普通です。
これをグレン・グールドが弾くと、こうなります。椅子に座っている方は、
転げ落ちないようにご注意ください。
ダウンロード GouldSonataNo1K2793rd.mp3 (1751.7K)
一事が万事なんです。グールドさんは。もう一曲だけ。ソナタ11番の第三楽章。有名な「トルコ行進曲」。
まずは、ヘブラーです。
ダウンロード HaeblerMozartPianoSonata11InA3rd.mp3 (3337.5K)
綺麗な演奏です。
さて、グールドさんは、どう弾くでしょうか?
ダウンロード GouldMozartPianoSonata11InA3rd.mp3 (3828.9K)
この楽章をこのテンポで弾いた人を他に知りません。尤も、私はあんまりピアノは詳しくないので、私が知らないだけかも知れません。
CDですが、ヘブラーさんは、こちらにあります。
グールドは、モーツァルトはお聴きになったようにあまりにもクセがあります。
この人はバッハを弾くと、まともに弾くのです。ちょっと長いのですけど、ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音) が、お薦めになります。
【追加】余談。
余談1:グールドが実際に演奏する映像は、YouTubeにて“Glenn Gould”で検索するといくらでも見られます。
余談2:グールドの愛読書が漱石の「草枕」(勿論英訳版)であったことは有名です。
他にも漱石を大変好んで読んでいたそうです。非常に面白い・興味深い逸話です。
◆今度は管弦楽ですが、至極まっとうな演奏をお聴き頂きます。
N響桂冠名誉指揮者ウォルフガング・サバリッシュというドイツの指揮者がいます。
私は子供の頃から、「サヴァリッシュ先生」と勝手に師と仰ぎ、尊敬しています。
2004年にN響でベートーベンの交響曲第7番を振りましたが、往年の、颯爽とした面影が無く、椅子に座っての指揮でした。
先生は、N響に「サヨナラ」を告げているようでした。私は、泣けて泣けてどうしようもありませんでした。
私にとっては、神様ですから、サインをお願いしたこともありません。神様にサインなどお願いできません。
そんなサバリッシュ先生が、非常に珍しく、「管弦楽名曲集」を2枚に分けて、手兵、バイエルン国立歌劇場管弦楽団と録音したCDがあります。
「管弦楽名曲集2」の方が、お馴染みの曲が多いと思います。
「軽騎兵序曲」や「天国と地獄」でも、超一流の指揮者とオーケストラが本気で演奏するとこういう荘厳な音になるのか、と感動します。
何曲かのせます。
フランスの作曲家エロールの歌劇「ザンパ」序曲
再生開始後3分30秒付近から、ワクワクします。5分8秒からの可愛い部分は以前、NHKFMのあるクラシック番組のオープニングに使われていました。
6分10秒のファンファーレ、背筋がゾクゾクします。
そして、6分25秒から、バイオリン。これ、難しいでしょうねえ。32分音符で細かく刻みながらメロディーを弾いている訳です。
第一バイオリンは、編成によって異なりますが、多ければ18人とか20人とかいるのです。一人一人の刻みが少しでもずれたらひとつひとつの音の粒が
崩れます。プロだから当たり前といってしまっては実も蓋もない。人間の能力というのも捨てたものじゃないな、と思います。
ダウンロード HeroldZampaOverture.mp3 (7299.5K)
スメタナ「売られた花嫁」序曲
冒頭が「寅さん」のテーマに似ている、と思うのは私だけでしょうか?勿論、寅さんが後に書かれたのですけどね(あれは、山本直純さんです)。
「寅さん」の後、第二バイオリン→第一バイオリン→ビオラ→チェロ→コントラバスが、似たような旋律で追いかけます。「フーガ」という技法です。
ダウンロード SmetanaBarteredBrideOverture.mp3 (6160.3K)
オッフェンバック「天国と地獄」序曲
運動会の「かけっこ」で皆さん御存知でしょうが、この序曲全体を通して聴いた事のある方は、その何百分の一だと思うのです。聴いてみて下さい。
ダウンロード OrpheusintheUnderground.mp3 (8909.7K)
フェラーリ 歌劇「マドンナの宝石」間奏曲
スコア(総譜)を見るとびっくりするのですが、第一、第二バイオリンだけ4分の2拍子で、他のパートは全て8分の6拍子で書かれております。
こんなの、初めてで大変驚きました。それに如何なる意味があるのかは、作曲法とか、楽理を専門的に勉強したことがないので、正直言って分かりません。
理屈はさておき、曲名だけ見ると歌謡曲か、イージーリスニング(ポール・モーリアとか・・・)みたいですが、大変に美しい曲です。
ダウンロード JewelsofMadonna.mp3 (3707.3K)
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