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2007年08月19日(日) |
【参考】航空会社別事故発生率/航空機事故による全世界年間死者数と交通事故による日本国内年間死者数 |
◆中華航空は日本に乗り入れている航空会社で、事故率が2番目に高い。
20日、那覇空港での中華航空(チャイナ・エアライン)爆発炎上事故は、皆さん御存知の通り、
乗客・乗員全員無事(死者はいない)であったが、間一髪でした。
何でも、航空機設計上の国際的な安全基準に「90秒ルール」というのがあり、
非常脱出口の半数を使用して、全ての乗客を機外に脱出できるようにしなければならないそうです。
ただ、いくら機体の設計が規格どおりであっても、乗客が我先に、と出口へ殺到し、転倒するなどしてもたついたら、
後に並んでいる人は、逃げ遅れます。
こういうときに、落ちついて行動出来るのは、教育水準の高さと、客室乗務員の適切な誘導、
あとひとつ、日頃から或いは飛行機に乗ったら、出口を確認して、頭の中でシミュレーションすることだと思います。
蛇足ながら、よく、「シミュレーション」を「シュミレーション」と書く人がいるので、ご注意を。
"simulation"です。
「〜に似ている」という時に使う形容詞に"similar"というのがあります。
「〜に似ている」は、"be similar to 〜"です。これと同語源であると覚えておけば、
"similar"を「シュミラー」とは云いません、「シミラー」ですから、「シミュレーション」と云えるようになります。
それは、さておき、日本に乗り入れている。航空会社の中で、一番事故を起こす確立が高いのが、エジプト航空。
中華航空(チャイナ・エアライン)は2位だそうです。(http://allabout.co.jp/travel/airticket/closeup/CU20050520A/)
そのサイトを見れば載っていますが、ここに写しておきましょう。因みに左の数字は100万フライト当たりの事故率です。
7.60 エジプト航空
7.16 チャイナエアライン
6.83 トルコ航空
4.89 エアインディア
3.84 パキスタン航空
3.54 イラン航空
2.58 コリアンエアー
2.47 フィリピン航空
2.44 ガルーダインドネシア航空
1.60 タイ国際航空
1.50 シンガポール航空
1.45 キャセイパシフィック航空
1.36 日本航空
1.14 アシアナ航空
0.92 マレーシア航空
0.90 ヴァリグブラジル航空
0.81 KLMオランダ航空
0.74 ニュージーランド航空
0.73 アリタリア航空
0.59 アメリカン航空
0.55 エールフランス
0.37 ユナイテッド航空
0.33 エアカナダ
0.28 ノースウエスト航空
0.22 全日空
0.22 ブリティッシュエアウェイズ
0.19 スカンジナビア航空
0.19 ルフトハンザドイツ航空
0.18 コンチネンタル航空
0.16 デルタ航空
この統計は、AirSafe.comというアメリカのサイトの中の、
Fatal Events and Fatal Event Rates of Airlines in Asia and Australasia Since 1970
(1970年以降に起きた、アジア・オーストラリア地域における航空死亡事故及び事故率)というページが原典です。
◆しかし、今回の事故の原因はまだ分かっていない、ということを認識するべきです。
今回は、幸い死者が出ていないので、皆、すぐに忘れるでしょう
(ボンバルディア機の前輪が出なくて半胴体着陸したことなど、皆忘れているでしょ?)が、
中華航空機は、13年前、1994年、名古屋空港で墜落し、264人が死亡する大事故を起こしたことがあります。
着陸時に、副操縦士が誤った操作をしたため、機体が急上昇した後で失速し、殆ど垂直に墜落したのです。
ここからは資料が無く、私の記憶を元に書きます。
この飛行機には、台湾へ観光旅行に行って帰ってきた、名古屋(付近)在住のご婦人が大勢乗っていて、
事故現場から発見され、焼けていなかったカメラを現像したところ、
「旅行は楽しかった。もうすぐウチへ帰ることが出来る」という嬉しそうな表情のおばさん達が写っていたのです。
その直後、飛行機が、殆ど真上を向くぐらいの角度で急上昇し、反転して真っ逆さまに落ちたのです。
あのおばさん達は、どんなに怖かったことか、と考え胸が痛みました。
そういう歴史的事実は確かに存在するのですが、
今日の中華航空機爆発炎上に関しては、まだ、何が原因か分からない、ということを明確に認識するべきです。
福知山線が脱線して104人が亡くなった直後、分かっていたことは、
福知山線の電車が脱線転覆し、100余名の犠牲者が出た
ということだけだったのに、その日から、マスコミはJR西日本の幹部を吊し上げました。
私はそれは正しくない、と書きました。
死者が出ようが出まいが、同じ事です。私が本稿で最も強調したいのは、その点です。つまり、
中華航空は、統計的に事故を起こす確率が高い。名古屋空港での惨事を起こしたことも事実だ。しかし、今日の事故の原因はまだ分からない。
ということです。
マスコミは大衆をミスリードしないような報道を心がけて頂きたいと思うのです。
◆航空機事故による死者数を交通事故のそれと比べてみる。
どうしても飛行機が嫌い(苦手、怖い)という方は常にいるものです。
それはそれで仕方が無いと思うのですが、少しでも安心材料になれば、と思い、調べました。
少し古いのですが、1998年、全世界の航空機事故による死者数と同年、日本国内での自動車事故による死亡者数(事故後1カ月以内の死亡)は、
909人対1万805人
だそうです。
説明するまでも有りませんが、航空機事故で死ぬ可能性は、自動車事故を起こして、或いは巻き込まれて死亡する可能性よりも、
遙かに低いことが、歴然としています。
それでは。また。
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