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2006年12月13日(水) |
「<三菱自欠陥隠し>改ざんの事実は認定 無罪判決の横浜簡裁」←この裁判官、ホントに司法試験通ったの? |
◆記事:<三菱自欠陥隠し>改ざんの事実は認定 無罪判決の横浜簡裁」
三菱自のタイヤ脱落事故を巡り道路運送車両法違反罪に問われた三菱ふそう元会長、宇佐美隆(66)ら3被告と
法人としての同社に無罪を言い渡した13日の横浜簡裁判決で小島裕史裁判官は「同罪成立の前提となる国交相の報告要求がなかった」と理由を述べた。
一方で三菱自の報告に隠ぺいや改ざんがあった事実を認定した。12月14日0時30分配信 毎日新聞
◆コメント:裁判官。条文をちゃんと読んで下さい。
この判決は、いくら何でもお粗末すぎる。条文を全部読んでいないとしか思えません。
国交相の要求がなくても、構造上の欠陥があったら、メーカーは届け出をしなくてはいけないのです。
(改善措置の届出等)
第六十三条の三
自動車製作者等は、その製作し、又は輸入した同一の型式の一定の範囲の自動車の構造、装置又は性能が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合していない状態にあり、かつ、その原因が設計又は製作の過程にあると認める場合において、当該自動車について、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため又は保安基準に適合させるために必要な改善措置を講じようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣に次に掲げる事項を届け出なければならない。
一 保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合していない状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
二 改善措置の内容
第八章 罰則
第百六条の二
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第六十三条の二第五項の規定による命令に違反した者
二 第六十三条の三第一項又は第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第六十三条の四第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
ややこしくなるので、書きませんが、国交相が「あのクルマヘンだぞ?」とおもったら、メーカーに報告を命令することができるのです。
それが「第六十三条の四」です。
罰則規定第百六条の二の第三号を読むと、国土交通大臣の報告命令に応じなかったら一年以下の懲役です。
この裁判官はそこだけ見ている。
しかし、その一つ上、第六十三条の三を読めば、引用したとおりで、
メーカーは異常に気が付いたら、予め、国交相に届け出をしなければならない。
そして、それをしなかったらやはり、罰則規定第百六条の二 によって、
一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
と書いてあるじゃないですか。
◆法の目的論的解釈
と、いうことを学校の「法学概論」で教わったのをよく覚えています。
要するに、その法律、その条文は、何故、存在するのか?何を護ろうとしているのか、何を罰しようとしているのか、
などを考えなければいけない、ということです(ただし、刑罰に関する規定をあまり拡大解釈してはいけないのです。罪刑法定主義に反しますから)。
本件では、「道路運送車両法」は何のためにあるのか?
第一条に書いてある。
第一条 この法律は、道路運送車両に関し、所有権についての公証等を行い、並びに安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備についての技術の向上を図り、併せて自動車の整備事業の健全な発達に資することにより、公共の福祉を増進することを目的とする。
つまり、自動車の安全性を確保するのが目的です。
三菱自動車は、事故につながりかねない欠陥が有るのを知って、これを隠していたのですから、言語道断。
刑罰を加えるためには、法的根拠がなければならない、というのも「罪刑法定主義」ですから、具体的に条文を書きましたが、本来それ以前の問題です。
この裁判官は条文を全部把握していない上に、法の目的論からすれば、三菱自動車の経営陣は刑罰を受けるのが当然なのに、無罪にするとは、信じられません。
法学概論から勉強し直した方がいいですね。
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