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JIROの独断的日記
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2006年04月05日(水) 「日航機の“開扉”着陸、車輪格納庫内ピストン損傷で」 これは最早、業務停止命令だな。

◆記事1:日航機の“開扉”着陸、車輪格納庫内ピストン損傷で

大阪・伊丹空港で2日午後、日本航空のMD―90型機が、車輪の格納庫の扉が閉じないまま着陸したトラブルで、同社は5日、同機の格納庫内部のピストンが金属疲労のため壊れていたことを明らかにした。

この結果、油圧用のオイルが漏れて圧力が下がり、扉が閉まらなくなったとみられる。

同社はこれまでに、メーカーからの指示で、保有する同型機16機のうち10機のピストンを改修しているが、今回トラブルを起こした機体は未改修だった。

同社では、6月までに保有全機の改修を終えたいとしている。(読売新聞) - 4月5日22時37分更新


◆記事2:機長遅刻で日航欠航 事故の渋滞間に合わず

日本航空は4日、機長が遅刻したため、午前8時神戸発鹿児島行きと折り返しの計2便が欠航したと発表した。

機長は午前7時までに神戸空港に到着しなければならなかったが、大阪府箕面市の社宅からタクシーで同空港に向かう途中、阪神高速道路で交通事故による渋滞に巻き込まれ、約1時間半遅刻した。

同便に乗る予定だった乗客約70人は全日空機で鹿児島に向かった。

日航によると、主要空港は非常時に代わって乗務する機長がいるが、神戸空港は配置していなかった。

日航は「ご迷惑をお掛けして申し訳ない」としている。(共同通信) - 4月4日11時20分更新


◆記事3:整備ミスで日航、国に再発防止策提出…担当常務は降格

日本航空によるMD―87型機の整備ミス問題で、同社は5日、社内調査結果と再発防止策を国土交通省に提出した。

日航はこの問題に絡み、整備本部長の遠藤寿一常務を、取締役に降格させる人事を発表した。

社内調査によると、問題が発覚した先月20日夜、担当整備士が羽田空港から北海道・新千歳空港に向かい、主脚部品に亀裂があるかどうかの点検を行ったが、

この際、羽田空港の配送担当者7人が点検に必要な薬剤を送り忘れた。しかし、担当整備士はこの薬剤を使わないまま異常なしと判断し、点検を終えた。

この理由として、同社は、担当整備士が

<1>薬剤を使わなくても、別の試験で亀裂を発見できると思いこんだ

<2>薬剤を改めて取り寄せると時間がかかり、翌日以降の運航に影響を与えると考えた

――などとした。



この日、西松遥・次期社長が会見し、「安全最優先の意識を改めて現場にも徹底させ、緊急点検時の器材発送の手順や役割分担を明確にするなどして再発防止に努めたい」などと述べた。

(読売新聞) - 4月5日20時39分更新


◆解説1:日航の運航トラブル

日本航空では、管制官の離陸許可を受けずに旅客機が滑走を始めたり、客室乗務員が緊急脱出装置をセットし忘れるなどの運航トラブルが相次ぎ2005年3月、国土交通相から事業改善命令を受けた。

その後もタイヤ脱落や部品取り違えなど安全にかかわるミスが後を絶たず、乗客のJAL離れが進んだ。

日航ジャンボ機墜落事故からちょうど20年目の同年8月12日には、福岡空港離陸直後のDC10のエンジントラブルで部品が市内に落下。火を吹く映像が放映されると一段と客足が遠のき、経営にも深刻な影響を与えている。

運航トラブルによって、05年度は国際線と国内線を合わせ300億円の収入減になると日航は予想している。


◆解説2:日航の内紛

日本航空グループの役員4人が2月10日、新町敏行(しんまち・としゆき)社長ら経営トップ3人の退陣を迫り、表面化。同調する管理職の署名は300人を超えた。

新町社長は副社長と専務の退任には同意したが、自身は続投に強い意欲を見せ抵抗、4人と協議を続けていた。

個人大株主の糸山英太郎(いとやま・えいたろう)元衆院議員も4役員とは別に、社長退陣を要求していた。


◆コメント:飛行機の整備不良は乗客の生命に直結するのに、業務停止命令を出さないとは国交省はどういう了見だ?

日本航空だけではないのだが、昨年から異常なほど航空機の運航トラブルが続いている。

それも、エンジンから火を噴いたとか、着陸後点検したら、重要な部品が脱落していた(飛行中に剥がれて、落ちていた)という重大な整備不良なので、私は途中まで取り上げたけれども、その後、郵政民営化→衆議院選挙で暫く、手が回らなかった。



だが、今年になってからも、上に載せたような、整備不良が続いている。(ちなみに、スカイマークでも「スカイマークに厳重注意修理期限9カ月超過問題」が報じられている)。


◆コメント2:中国の工場の整備は続いているのか。

私が昨年非常に驚いたのは、日航も全日空が、経費節減の為に飛行機の整備を中国の工場に委託していたという事実で、日記でも「全日空やJALが機体の整備を中国の工場に委託している、ということを知っていましたか?」という記事で取り上げた。

記事3にあるとおり、本日、JALが国土交通省に整備ミス再発防止策を国交相に提出したというので、原本に当たってみた。



整備作業の確実な実施に関する再発防止策について(ご報告)という文書であるが、何処にも外部に整備を委託していたことなど記されていない。

そういうことは、無いことになっているのか?いくら日本人の整備士だけしっかりやりますと云ったって(それすらアテにならないが)報告としては不十分だ。

中国の工場への整備は本当のところ今までどれぐらいの割合を委託していて、今後どうするつもりなのか、全く述べられていないのは、故意に言及を避けていると想像されても仕方がない。


◆コメント3:パイロットが遅刻というのも、日本人としてはすごいね。

世界的にはしばしば起きていることで、日本人が非常に几帳面だった、と、一回ぐらい甘く見逃してやっても良いかな、と思ったが、やはりダメだ。



客や仲間のクルーに迷惑をかけるから、というのは云うまでもない。

さらに重大な問題は、今回、待たされた乗客は、ANAに乗り換えたので、遅刻したパイロットは操縦しなくて済んだわけだが、もし、1時間半遅刻した機長が操縦しなければならなかった場合を想定してみる。

本人が通常の人格の持ち主であるならば、その、「大勢の乗客・乗員に迷惑をかけた」という自責の念に囚われて、肝心の操縦に全神経が集中されなくなる可能性が大きい。それが、問題なのだ。



パイロットとか、プロの運転手、また、白バイやパトカーで警邏する警察官などは、「乗務する日の朝、決して夫婦げんかをするな、つまらないことで言い争うな。」というのが心得だそうだ。

それは、云うまでもなく、下らないことでも、朝から喧嘩をすればイライラして事故につながりやすいという経験則に基づいているのである。


◆コメント4:日本航空の問題の相当な部分は組合乱立問題だろう。

日本航空には、客室乗務員、機長、機長以外のパイロット、整備士、その他地上職など、組合が乱立している。

ここに、日本航空客室乗務員組合のサイトがある。

さらにその中に日本航空の労働組合 という図があるので、ご参照いただきたい。

どうしてこうなったかを知るためには、山崎豊子さんの沈まぬ太陽を読むのが早いと思うが、作品自体が長いから、いずれにせよ、覚悟して読まないと、分からない。



とにかく、上に少しだけ「日本航空の内紛」という解説を載せたが、これは、氷山の一角のそのまた片隅の「氷のかけら」にもならない話で、実は何十年も続いている大問題なのだ。


◆コメント5:これだけ問題が多い会社が飛行機を飛ばしていいの?

何度も同じような整備ミスによるアクシデントを繰り返す会社に対して、航空機の運航を禁止しない国交省(昔の運輸省)というのも不思議な役所だが、

それはご多分に漏れず、日航をはじめとする航空会社が役人の天下り先になっているからである。

役人の老後の生活を確保するために、国民は整備不良の飛行機に乗り続けることを余儀なくされる国。それが、日本である。


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