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2006年02月13日(月) |
「米がイランの核施設の攻撃を計画=英紙」←どうしても戦争をしたくなってしまうんだね。アメリカは。 |
◆記事:米がイランの核施設の攻撃を計画=英紙
[東京 13日 ロイター] 英サンデー・テレグラフ紙(オンライン版)は、米国防総省で、イランの核開発を阻止するため、
外交努力が失敗した場合の最終手段として、イランの核関連施設を空爆するなどの計画が立案されている、と伝えた。
米国防総省では、標的の特定や必要な軍備の査定などが進められている、という。
同紙によると、ある国防総省の有力顧問は、この計画が「通常の軍の有事査定以上のもの」とし、
最近数カ月にわたり、かなりの緊急性をもって作業が進められている、と述べた。
ブッシュ政権は最近、今後2年以内に原子力潜水艦に通常型弾道ミサイルを追備する計画を発表しており、
それが間に合えば、それらもイラン攻撃の一翼を担うことになる、とサンデー・テレグラフは伝えている。
(ロイター) - 2月13日8時5分更新
◆コメント:日本は「米国の武力行使を支持し」てはいけません。
何故か。
国際法上、違法だからです。
何の国際法かというと、国連憲章です。
アメリカは云うまでもなく国連加盟国ですから、国連憲章を守らなければなりません。
ここに、国際連合憲章(邦訳)があります。
さほど、難しいことが書いてあるわけではない。出来れば全部読んで下さい。一日で読まなくて良いけど。
まず、第2条【原則】の3.と4.(第3項、第4項)を読んで下さい。
- 3.すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。
- 4.すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。
読めば明らか。
国連憲章という全ての国連加盟国が守らなければならない国際法では、原則として武力行使は禁じられているのです。
みだりに武力行使を実施することは、「違法行為」なのです。
◆国連憲章における武力行使容認の例外。
第2条の規程にもかかわらず、国連憲章が例外的に武力の行使を認めているケースが二つだけあります。
一つ目は、「第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」というセクションの第42条「軍事的措置」。
つまり、世界平和を乱す国があったら、まず、国連決議にもとづいて、非軍事的措置(経済制裁)を実行する(第41条)。
それでも、ダメで、どうしても軍事的措置を取らざるを得ない、というときは、
安保理が、正当な手続きによって、武力行使を決定する。
安保理が決めるのですからね。
アメリカでもどこの国でも一国が勝手に決めてはいけないのです。
二つ目は、第51条【自衛権】です。
第51条【自衛権】この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。(以下略。読んで下さい)
国際法と国内法(日本の中の法律)とを混同してはいけないのですが、
この場合、たとえとして分かりやすいので、刑法に当てはめると「正当防衛」です。
「急迫不正の侵害に対し、自己又は他人の権利を防衛するため、止むことを得ざるに出でたる行為はこれを罰せず」。
国連憲章が定めているのは、自分から他国を攻めていないのに、どこかの国が侵略してきた。
この場合は、自国を守るために、国連が多国籍軍を送るなどして助けに行くまで武力を行使するのは仕方がない。
という意味です。
この二つのケース以外の武力行使は違法なのです。
◆だからイラク戦争は違法なのです。
イラク戦争の開始以来、国会の質疑応答を聴いていると「イラク戦争の大義」という言葉を国会議員が何度も使っていたけれども、
あれを聴く度にイライラしました。
「大義」などという抽象的な、主観的な問題ではない。
野党は、「イラク戦争の国際法上の正当性の根拠は何か?」と首相に詰問すべきだったのです。
答えようが無かったはずです。正当性はないのですから。
議論の余地は無いのです。
何故なら、2003年3月20日に開始されたアメリカのイラクに対する武力行使は、
上で説明した、国連憲章における例外の二つのうちのいずれにも該当しないからです。
議論すること自体馬鹿馬鹿しい。
大量破壊兵器?
関係無い。
仮に、(あくまでも仮定上の話ですが)、イラクが大量破壊兵器をもっていたとしても(実際には無かったのですが)、
アメリカが勝手に兵隊をイラクへ送ってイラク人を殺して良い、という理屈は、国連憲章のどこをどう読んでも、書いてない。
アメリカのやったことは正当化できないのです。
これほど簡単で明らかなことはないのです。
私は、ずーっと、それを主張しています。
イラク戦争が始まる前の日、アメリカの行動は明らかに国際法違反である。その法的根拠。という文章を書きました。
今日書いた内容と全く同じです。
当たり前です。国連憲章に変更が無いのだから。
今一度繰り返しますが、イラク戦争は正しいか正しくないか、議論の余地は無い。
客観的に「違法」なのです。
◆アメリカがイランを攻撃する権利は、無い。イラクと同じなのです。
アメリカは無茶苦茶な言いがかりを付けてイラクを攻撃して、撤退できなくなり泥沼状態です。
そのため、ブッシュ大統領の支持率はどんどん下がっている。それでもまだ分からないのですねえ。
イランは、核兵器を「作ろうとしている」。それはそうなのでしょう。
しかし、これもイラクと同じ。
たとえ、「イランが核兵器を作りそうだ」という情報が本当だとしても、それは、アメリカが単独でイランを攻撃することを正当化しません。
何故なら、くどいようですが、国連憲章が例外的に武力行使を認める二つのケース、いずれの状況にも該当しないからです。
イランにどう対処するかを決めるのは国連安全保障理事会です。
アメリカ合衆国ではありません。
今度こそ、日本人は、日本政府、つまり、小泉純一郎内閣総理大臣が、
「アメリカの武力攻撃を支持する」などという恥ずかしいことを云わないように、注視しなければいけません。
2004年02月13日(金) 「<差別発言>担任教諭が小3女児に 半年以上も不登校 奈良 」 これは教育問題ではない。犯罪だ。
2003年02月13日(木) 日本人で他のアジア人を蔑視する人は、白人に劣等感を抱いているのであろう。