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2005年10月11日(火) |
憲法世論調査:9条改正「反対」は62% (毎日新聞) 与党は、国民投票は包括で投票させようとするでしょうから、要注意。 |
◆記事:憲法世論調査:9条改正「反対」は62% (毎日新聞)
毎日新聞は憲法問題について、全国世論調査(面接)を実施した。憲法改正に「賛成」と回答した人は58%で、「反対」の34%を上回った。
戦争放棄や戦力の不保持を定めた9条については「変えるべきでない」が62%で、「変えるべきだ」の30%の2倍に達した。
衆参両院の憲法調査会や自民、民主、公明各党による論議で国民に改憲への支持が広がる一方で、自民党が重視する9条改正についてはなお慎重な国民意識を示した。
調査は9月2日から4日まで全国の4550人を対象に実施し、2418人から回答を得た。
調査方法が異なるため単純に比較はできないが、昨年4月と今年4月の電話調査では、憲法を「改正すべきだ」が6割程度、「改正すべきでない」が3割で、ほぼ同じ傾向となっている。
男女別では、男性は改憲派62%、護憲派33%であるのに対し、女性は改憲派54%、護憲派36%だった。
世代別では30、40代で改憲派が各65%と最も多く、20〜60代の各年代で5割を超えた。
70代以上では賛成44%、反対40%と拮抗(きっこう)している。
同時に、9条改正について聞いたところ「変えるべきでない」との答えが男性で57%、女性は67%に達した。
「変えるべきだ」は、男性が38%、女性は23%にとどまった。
世代別では、20代の70%が9条改正に反対したのをはじめ、30、50、70代以上の各世代で6割を超えた。改正賛成派は40代の36%が最高。
9条改正賛成派にどの部分を変えるべきかを聞いたところ、戦力不保持と交戦権否認を規定した2項だけを「変えるべきだ」と答えた人が50%と最多。戦争放棄を定めた1項と2項の「両方とも」が35%と続き、1項だけを「変えるべきだ」は13%にとどまった。
憲法96条の規定で、改憲には
(1)衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成による発議
(2)国民投票で過半数の賛成−−が必要。
今回の衆院選で自民、公明両党は衆院の3分の2を超える327議席を獲得している。(毎日新聞 2005年10月5日 3時00分)
◆分かりやすく書くと、こうなる。
憲法全体を考えると(9条に限らずということ)、
憲法改正に
賛成:58%
反対:34%。
「第9条だけ」に関しては、
「変えるべきではない」:62%
「変えるべきだ」:30%
変えるべきだと回答した人のうち、
「第2項だけを変えるべきだ」:50%。
「1項、2項両方」:35%
「1項だけ」:13%
【為参考】
憲法第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
第2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。
◆所感:憲法改正と言ったら9条に決まっている。
一般常識では憲法改正=9条をどうするか、に決まっている。
厳密に言うと、憲法学者などは、環境権とかプライバシー権など新しい人権に関する条文を加えるべきだ、というひとがいるが、
毎日新聞のアンケートの回答者が本当に無作為に抽出された一般人だとすると、そこまで勉強している人はあまりいないのではないか。
そうすると、憲法を変えるべきだというひとが約60%いるのだが、9条に関しては、62%が変えるべきではないと回答している。
それでは、「とりあえず改憲に賛成」の58%の人は、他のどの条項を変えようとしているのであろうか?今の憲法で、何か都合の悪いところってありますか?
とはいえ、9条に関しては、3分の2の国民が反対だといっている。
憲法改正には国民の過半数の賛成が必要だ。しかし、安心するのは早い。
◆注意すべきところはなにか。
自民党は憲法改正草案を作っているが、前文に「国を愛する心」とかなんとか入っていて気にくわない。
愛国心を最高法規たる憲法で規定するべきではない。
無論、自分の国が好きなら好きで自由だが、それを上から強制するのは、特定の思想・信条の強制である。
まあ、それは、まだいい。
憲法改正にあたり国民投票が必要だから、与党は、国民投票の手続きを定める国民投票法案も決めようとしている。
気をつけなければいけないのは、上の世論調査は、最近大体いつもこういう結果だ。憲法改正には賛成だが、9条は変えてはいけない。 与党はこのことを認識している。
だから、個別の条文で国民投票したら、9条はまず確実に変えることはできないことも承知している。
ところが全体ひとまとめの国民投票にしたら、58%は賛成だから、過半数を軽く超えてしまう。
とにかく小泉政権は狡いから、よくよく注意しなければいけない。
かならず、包括案に対する投票、つまり、項目一つ一つではなくパッケージで提案してきて「これに対して賛成ですか?」と訊いてくる。
訊いてくるというか、そういう投票方式にしようとするだろう。そこでうっかり賛成といったら、おしまいだ。
「9条改正には賛成するつもりで無かったのに」、といっても後の祭り。
◆憲法改正も黒幕はアメリカだからね。そのこと忘れないでくださいね。
9月30日にアメリカが日本に毎年突きつける年次要望書について書いた。
素朴に考えて、何故、今、それほどあわてて憲法改正しなければいけないのか?と思いませんか?
郵政民営化もアメリカの要求だったことが、9月30日の日記からリンクしたアメリカの年次要望書を読めば分かる。
憲法改正も米国の圧力だ。
しかし、何でもいいなりになるのは、止めるべきだ。
イラク復興に50億ドル拠出し、イラクに自衛隊を派遣したというのに、アメリカは6カ国協議にも熱心ではなく、日本の常任理事国入りに中国と結託して反対した事実を思い出してください。
知らなかった人は、今、ここで、覚えてください。
先週はラムズフェルドが普天間基地に関する相談にくる(来日する)はずだったが、急にキャンセルした。
こういう一連の動きをみれば、如何に日本政府がナメられているか分かろうというものだ。小泉さん、そろそろお払い箱なのかも知れぬ。
郵便局民営化が決まれば、数年後民営化したところで、米国の投資家が買収する目処が立った。多分、ブッシュにとって、小泉首相は用済み。ご苦労さんでした、ということだろう。
小泉首相が権威を維持できたのは米国のサポートのおかげ。 見捨てられたら、党内に味方はいない。
そう言うことを考えると、憲法改正するべきではない、と私は思います。
郵政民営化は手遅れですが、国民が選択したのだから諦めるしか、無い。
2004年10月11日(月) <京都議定書>批准法案を露下院に提出 プーチン大統領 ←それでも、既に温暖化防止は手遅れ。
2003年10月11日(土) 「毛皮買う金節約できる」気候変動会議でプーチン氏失言←馬鹿者。永久凍土が融け出したら、ロシア自体がなくなってしまうのだよ。
2002年10月11日(金) あきれた、松茸問答。