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JIROの独断的日記
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2004年10月11日(月) <京都議定書>批准法案を露下院に提出 プーチン大統領 ←それでも、既に温暖化防止は手遅れ。

◆記事:<京都議定書>批准法案を露下院に提出 プーチン大統領

 

インタファクス通信によると、ロシアのプーチン大統領は7日、地球温暖化防止のための京都議定書の批准を認める法案を露下院に提出した。

下院は今月中に批准法案を検討審議する予定だ。批准手続きは下院、上院の法案可決、大統領署名の順で行われる。上下院とも政権与党が大半を占めているため、批准を承認する見込みだ。(毎日新聞) - 10月7日21時8分更新


◆解説1:京都議定書の目的

 京都議定書は、地球温暖化を防止するための条約である。議定書という言葉に特別な法的な意味は無く、「条約」と同じ事である。1997年に採択され、地球温暖化を防ぐために、温室効果ガスの排出量を減らしましょう、ということが決まった。


◆削減目標

 京都議定書において定められている目標というのは、これらの温室効果ガスの排出量を、2008年〜2012年の間に、1990年の水準から先進国全体で少なくとも5%削減すること。


◆国別目標

 

  • EC15カ国  -8%
  • アメリカ  -7%
  • 日本  カナダ ハンガリー ポーランド -6%
  • ニュージーランド ロシア* ウクライナ 0%

 

 ここで、注意すべきは、温室効果ガスの絶対量を減らすのではなくて、各国の1990年の排出量に対して、それぞれ何%か減らすと云っているだけである。これは、気候変動に関する政府間パネルIPCC(InterGovernmentalPanel on Climate Change)の第2次評価報告書というレポートに基づいて考えられた数字だが、IPCCは、「炭素循環モデルによれば、二酸化炭素濃度を現在のレベルで安定化するためには、その排出をただちに50〜70%削減し、さらに削減を強化していく必要がある。」と述べている。つまり、今より、大気中の温室効果ガスレベルを増やさないようにするには、排出量を一挙に半分にしなければ、間に合わないというのだ。こうしてみると、京都議定書で割り当てられた各国の目標は、随分と生ぬるい。それだけ、私達の生活が、化石燃料(石油・石炭)を燃やすことによって得られるエネルギーにどっぷりと依存してしまっているということなのだ。


 ◆解説2:京都議定書が発効するための条件

 

 京都議定書は、地球温暖化を防止するための条約である。議定書という言葉に特別な法的な意味は無く、「条約」と同じ事である。

 繰り返しになるが、1997年に採択、つまりこういう条約を作りましょうと、いうことを決めたのである。

 しかし、決めただけで、まだ、発効していない。つまり国際法としての法的な拘束力を持っていないのである。ただの紙切れと同じ状態なのだ。

 これが、条約など、国際法のややこしいところだ。

 会議に参加して、まあ、この内容で良いだろうという国は、文書に各国の代表が署名をする。しかし、署名だけでも、まだ、発効しない。京都議定書に反対しているアメリカでさえ、京都議定書に「署名」は済ませているのだ。

 その後、各国で「批准」(ひじゅん)という行為がなされなければならない。「批准」とはratificationの訳だが、国際会議に参加した代表が、その条約案をそれぞれの国の国会なりにはかって、正式に国として、その条約に加わる、つまり、その条約の法的拘束力を受けることに同意する。ということである。批准の手続きは各国の国内法によって定められており、すこしずつ違うのである。


◆京都議定書が発効するための条件



京都議定書が発効する、つまり条約として、加盟国を拘束する法的な効力を持つためには、次の二つの条件を満たさなければならない。

 

1.議定書を批准した国の数が、55カ国以上になること。

2.議定書を批准した先進国の、1990年における二酸化炭素排出量の合計が、先進国全体の55%を超えること。




 1.は文字通りの意味。2が少し面倒くさいが、1990年当時の各国のCO2排出量が全体に占める割合は、

  • アメリカ 36.1%
  • EU    24.2%
  • ロシア  17.4%
  • 日本    8.5%
  • カナダ   3.3%
  • その他  10.5%

 となっている。アメリカは京都議定書を脱退したから、アメリカ抜きで発効させようとすると、EU、日本、ロシアの批准が欠かせないのである。その後多くの国が批准し、その結果、今年の4月で44.2%なのである。あと、11%。

というわけで、ロシアさえ批准すれば、京都議定書は発効するので、ずっと前から世界各国からプレッシャーがかかっていたのだが、プーチンが地球温暖化の及ぼす影響の深刻さを理解していなかったのであろう。昨年の今頃は全く批准するつもりがなかった。しかし、EUから、「京都議定書を批准しないとWTO(世界貿易機関)に入れてやらんぞ」などという脅しがだいぶ効いたらしく、あっさり、ロシア批准、京都議定書いよいよ発効、という運びになりそうだ。


◆本当は、地球温暖化を防ぐのは、既に手遅れ。

 

 京都議定書が発効したところで、地球温暖化を食い止めるのは、非常に困難であることは、先に述べた。
 世界の二酸化炭素の4分の1を排出しているアメリカが本気にならなければ、大変なことになる。もうなっている。

 各国の指導者、並びに主だった国の市民は全員、 国連環境プログラムが1999年に発表した、地球環境概況2000 概況と提言というレポートを読むべきだ。

 非常にショッキングです。こう書かれている。



 「温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。」


2003年10月11日(土) 「毛皮買う金節約できる」気候変動会議でプーチン氏失言←馬鹿者。永久凍土が融け出したら、ロシア自体がなくなってしまうのだよ。
2002年10月11日(金) あきれた、松茸問答。

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