外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
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2005年08月23日(火) 小泉政権における金融行政の不備に関する一考察

◆小泉内閣による金融行政の杜撰(ずさん)さ:【西武鉄道】上場してはいけない株式が40年も取引されていたというお粗末。

 

 西武鉄道は、有価証券報告書(有価証券報告書とは、証券取引法上で用いられる用語で、要するに決算書。貸借対照表と損益計算書が中心。その他にもあるが。)に株主に関する虚偽表示を行い、2004年12月17日、東京証券取引所から上場廃止の処分を受けた。

 上場廃止されたことにより、西武鉄道の株券は紙くず同然になったわけで(何せ、株式市場で売買出来ないのであり、株価はゼロになったのだ)、これによって、西武鉄道に投資していた一般個人投資家が受けた損害は計り知れない。

 西武鉄道の上場廃止に当たっては、当然証券取引等監視委員会(金融庁の一部署)が監査を行い、また、国税庁の調査が入っているから、西武鉄道の株主がいくらで何株買ったのか承知してiいることは間違いない。

 従って、投資家が受けた損害額も、おおよその額はすぐに分かるはずなのだが、公表しないのである。

 これは、金融行政が違法な株の上場を40年間も見抜けなかったという「大失態」の全貌が明らかになることを恐れるための隠蔽としか、考えられない。

 西武鉄道の株は、本来株式市場に上場する要件を満たしていない「違法な」株であったにもかかわらず、40年も東証で売買されていた。

 そして、それを監督官庁である金融庁は看過していた。その責任は非常に大きいことなのだが、誰も責任を取らない。内閣の責任だが、内閣総理大臣は全く答えない。

 新聞は、何故もっと大きくこの点を指摘しないのか。

 さらに、西武鉄道は、違法な株によって得た資金から、自民党に政治献金していた。

 過去10年間だけでも、自民党は西武鉄道から1億円の政治献金を受け取っていた

 違法行為を行っていた会社から政治献金を受け取っていたことが明らかになった以上、当然これは、返金するべきである。

 自民党が西武鉄道に返金したという報告はされていない。

 そして、くどいようだが、そのことをマスコミは国民に伝えない。


◆金融庁は、他の会社は虚偽表示していないという確認が未だに出来ていない。

 

 西武鉄道が有価証券報告書に虚偽の表示をし、カネボウも粉飾決算を匿していたことが明らかになった。バレたら、上場廃止になる。

 そして悪事は遅かれ早かれ、バレる。

 カネボウは産業再生機構の管理下に入り、勿論上場廃止になった。

 このような、日本有数の大企業がウソの決算書を出していたのは、とんでもないことである。

 本来、東京証券取引所に上場する基準を満たしていない株が、他にもどれだけ出回っているか、分からないのである。

 金融庁は、とりあえず、何か対策を取りました、と言わなければならないので、昨年11月16日には、ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応についてとの声明を発表し、上場企業に対して、有価証券報告書の記載に間違いは無いか、もう一度調べて報告せよ、と指示を出した。

 その結果、いくつかの企業が「間違えていました」といってきたが、これは、大した問題ではないことばかり。数字の書き間違えの類ばかりである。

 それはそうなるだろう。なにせ、企業の自主点検に基づく自主報告なのである。


◆上場基準を満たしていない株式が今日も東京証券取引所で取引されているのだろう。

 

 上場基準とか、上場廃止基準については、東京証券取引所のサイトに上場審査基準概要が載っているので、眺めるだけでいいから、見てください。 本来、東京証券取引所に上場するには、これだけの要件を充足していなければならないのです。



 ところで、各企業は一応、自分の会社の帳簿を点検して金融庁に報告したわけであるが、本当に故意に粉飾決算を行っている企業が、バカ正直に「粉飾してます」と白状するわけは無い。

 だから、金融庁はこの報道発表を行ってから今日で280日経つが、いまもって、「現在、東京証券取引所で取引されている株式は全て、上場基準を満たしています」という「太鼓判」を押さず、世間がこのことを忘れるのをひたすら、待っている。

 冗談じゃない。

 西武鉄道や、カネボウのような会社が他にもあるとしたら、その会社に投資している人(株主)はある日、大損する危険がずっとつきまとうのである。

 日本で証券市場を見張るのは証券取引等監視委員会という組織の仕事だが、これは、金融庁内の一部署に過ぎない。

 アメリカでは、証券取引委員会(SEC=Securities and Exchange Commission)は強大な権限を持ち、また、市場での違法行為に対する罰則が厳しい。

 昨年から今年にかけて、ワールドコムというアメリカの長距離電話会社の不正会計が大事件に発展した。

 最高経営責任者(CEO)のエバーズという人は現在63歳なのに、なんと、25年の禁固刑の判決を受けた。要するに、終身刑だ。本人は控訴したが、まだ結果は分からない。 

 日本では殺人事件でも25年は滅多にない。

 日本の不正会計に関してもそれぐらいの罰則を課すように、法を改正することはできるだろうか?多分無理だろう。

 理由は、日本では(アメリカでも勿論同様だろうが)政財界の癒着があるからだ。

 先に述べたとおり、例えば自民党は、違法な株式を40年間も平気で上場させていた西武鉄道から長年にわたって、政治献金を受け取っていたのである。

 政治家はだれでも、カネが要る。潰れそうな会社ならば、政治家も義理立てしないが、黒字で、とりあえず安定している大企業ならば、少々上場基準に抵触していて、それを証券取引等監視委員会に指摘され、泣きつかれたら、無碍(むげ)には扱えないだろう。


◆小泉首相は「構造改革が進んだ」というけれども、実際は、変っていない。

 

 小泉首相は、何も考えず、「ここまで構造改革が進みました」というが、 今まで書いたとおり、金融行政に関して細かく見ると、全然体制が出来ていない。

 さらに、これからもっと恐ろしいことが起きる。

 現在のように、日銀がずっとゼロ金利政策を維持しているときに、株式市場が上昇基調にあるというのは、極めて危ない。必ず暴落する。

 今、日本の株式を買っているのは主に外国投資家だ。いずれ、大量に買った株を大量に売って差益を得ようとしていることは間違いない。

 繰り返すが、必ず、株式市場は暴落するのである。そのときに、金融当局は市場のパニックにどのように対処するのか。

 日銀・金融庁は互いに協議して、対策を練り、シミュレーションしているのだろうか?

 本稿で取り上げたような話は、一般紙には殆ど載らない。

 金融業や金融行政は専門性が高いので、一般国民には、殆ど説明などしなくても文句は出ないのである。

 また、政治家も、選挙の街頭演説で、私が今まで書いたような話をしても誰も聞かないから、取り上げない。
 ところが、お分かり頂いたと思うが、話題にならなくても非常に危険な状態が存在するのである。


2004年08月23日(月) 「金融庁、主要11行に対し月内の特別検査着手を予告」←竹中のバカ。こういう余計なことをするから、景気が回復しない。
2003年08月23日(土) 「24時間テレビ」で、コーラの瓶に10円玉を入れて持ってくる芸能人の偽善性。

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