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JIROの独断的日記
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2004年04月12日(月) 「<トルストイ>ピアノ曲の楽譜発見 日本で世界初録音」「<バッハ>結婚カンタータ初演の楽譜、80年ぶり日本で発見」

◆記事1:<トルストイ>ピアノ曲の楽譜発見 日本で世界初録音

 「戦争と平和」などで知られるロシアの文豪、トルストイ(1828〜1910)が作曲したピアノ曲が、このほど世界で初めて日本でCDに録音された。ロシアでのトルストイ全集にも記録されていないなど、これまで知られていなかったもので、ロシア文学研究者も貴重な資料と注目している。

この曲の楽譜を突き止めたのは、元ロシア・チャイコフスキー博物館学芸員で現在日本で研究を続けるマリーナ・チュルチェワさんとキング・レコードの宮山幸久さん。トルストイは音楽に造詣が深く、ベートーベン、ワーグナーを否定するなど独自の音楽観を持っていた。自作のピアノ曲を客に弾いて聴かせたという記録があり、楽譜を探したところ、昨春、モスクワのトルストイ研究所に、1曲だけ保存されているのが分かった。(毎日新聞)


◆記事2:<バッハ>初演の楽譜、80年ぶり日本で発見

世界の音楽学者が探していたバッハ(1685〜1750年)の「結婚カンタータBWV216」の楽譜が日本で発見された。バッハの監督の下に筆写されたオリジナルのパート譜で、約300年前の初演の際に使われた。バッハ資料の中で最も貴重なものだが、約80年前から所在不明だった。ヨーロッパで活躍したピアニスト、原智恵子さんの遺品の楽譜を昨年末に鑑定、オリジナルと分かり、このほど国立音楽大が購入した。音楽史上、最大級の発見となった。


◆コメント:クラシック音楽関係でこれぐらいの大ニュースが続くのは本当に珍しい。

ニュースとしては、やや古く、記事1が今月1日、記事2は今月3日、いずれも毎日新聞が報じたものである。毎日新聞の文化部には、梅津さんという、非常に知識と経験に富んだ優秀な音楽記者がいる。

珍しい、という点ではトルストイのピアノ曲には、大変驚いたけれども、こればかりは、聴いて見ないと、名曲かどうか分からない。今のところなんともいえない。

ただ、言えることは、文学者と音楽家というのは、どちらも情緒的な世界という点で共通している割には、作曲をする文学者というのは、聞いたことが無いし、同様に、音楽家で、エッセイぐらいを書く人はいても、小説を書いた人はいないのではないか。厳密に言うと、以前、岩城宏之さんがオール読物に「ボレロ」という短編を書いたが、覚えている者は少ないだろう。

音楽史の観点からは、「バッハの」、「オリジナル楽譜が」、「日本で」、「80年ぶりに」発見されたという、記事2の方が大ニュースだ。世界中のバッハの専門家が探して、「なくなった」と、一度結論を出したものが、なんと、日本で見つかった。しかも、持っていたのは、伝説の日本人ピアニスト、原智恵子さん(1914〜2001)だったというから、余計、驚く。

原智恵子さんは、1914年ということは、大正3年生まれ。その頃の日本人で13歳でなんとパリ音楽院に入学というから、底知れぬ天才だったのだろう(パリ音楽院がいかに厳しい学校かは、また改めて書きたい)。18歳でショパンコンクールに入賞だから、やはり只者ではない。

ショパンコンクールは世界最高のピアノコンクールだ。普通、出られない。出ても、本選まで残ることなど、できない。原さんは、ヨーロッパでは「東洋の奇跡」と絶賛されたが、日本では冷遇されたそうだ。その、原さんの遺品を整理していたら、ショパンのコンチェルトの楽譜の間に、このバッハの楽譜が綺麗にはさまれていたという。本当に数奇な運命と言う他はない。


◆なくなったといわれている楽譜にも、希望が出てきた。

私は、ラッパ吹きだから、世界のどこかで見つからないかなあ、と切望しているのは、モーツァルトのトランペットコンチェルトである。幼い頃のモーツァルトはトランペットの音が大嫌いだったと言われている。が、記録によれば、12歳の時にトランペット・コンチェルトを書いている。

この楽譜も見つからない。同じ金管楽器でも、モーツァルトのホルンコンチェルトは4曲もあり、全て完全に楽譜が残っているので、今でも頻繁に演奏される。実にうらやましい。

今回の、バッハのような「事件」を目の当たりにすると、モーツァルトのトランペットコンチェルト、発見!日本で初演!などということにならないかと、夢が膨らむ。


2003年04月12日(土) 「大学、病院も略奪被害…治安悪化続くバグダッド」←米英、何とかしろよ。

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