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2004年03月14日(日) |
「陸自第3陣、政府専用機でクウェート到着」これこそ、日本政府が目論んでいる「既成事実化」だ。 |
◆記事:陸自第3陣、政府専用機でクウェート到着
イラク復興支援活動に当たる陸上自衛隊の本隊第3陣約190人は、14日午前7時(日本時間午後1時)過ぎ、政府専用機2機で、クウェートのムバラク空軍基地に到着した。
第3陣はこれまでで最大の部隊で、看護官など女性隊員11人が初めて加わった。
今後、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」が海上輸送している浄水セットや建設重機などを陸揚げし、クウェートの米軍施設「キャンプ・バージニア」で、車両走行や射撃訓練を数日間行う。その後、陸路で国境を越えて、イラク南部のサマワに入り、イラク復興支援群長の番匠幸一郎・1等陸佐の指揮下に入る。(読売新聞)[3月14日15時3分更新]
◆コメント:既成事実だから、自衛隊派遣に賛成する、という考え方は誤りである。
陸上自衛隊本隊第1陣がイラク入りしたのは、2月上旬であった。その直後に共同通信が行った世論調査では、自衛隊のイラク派遣に賛成する人が48%で、初めて「反対」を上回った。その後、第2陣、第3陣がイラクに向うにつれて、ニュースでの取り扱いも小さくなり、最早、自衛隊派遣の是非を論じる記事を新聞で見かけることは少なくなった。
一方、現実にイラクに駐留している陸上自衛隊員の日常生活とか、現地の子供たちと「親交を深める」自衛隊員の写真などが多く掲載されるようになった。
しかし、これは、物事の一面しか映し出していないように思われる。
イラク復興支援特別措置法によれば、自衛隊の現地での活動は人道支援活動と安全確保活動とがある。新聞などが伝えるのは専ら「人道支援活動」のみであり、「いいことをして、サマワ市民に喜ばれている、自衛隊」というイメージを日本国民に植え付けようとしている。恐らくこれは日本政府による情報操作である。
人道支援活動が行われているのは、事実であるが、他方、航空自衛隊による「安全確保活動」も既に開始されていることは、もっと強調されるべきだ。これに関しては、極端に情報が少ない。
航空自衛隊は、米英軍のために物資輸送を行うこと、その物資の中には武器・弾薬が含まれることを、昨年12月に小泉首相自身がほのめかしており、これは、明らかに、戦争の当事国となっている同盟国を支援する集団的自衛権の行使で、憲法違反である。
いくら、陸上自衛隊がサマワで人道支援活動を行おうとも、「安全確保活動」と称する、米英軍への後方支援活動は違憲なのだ、という事実には、いささかの変化もないのであり、そのことを良く考えれば、「自衛隊のイラク派遣に賛成」、などと言うことは出来ないのである。物事の、本来あるべき姿を忘れて、安易に「既成事実」を容認するべきではない。