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2004年02月29日(日) |
鳥インフルエンザに見る国の公衆衛生行政の甘さ |
◆記事:鶏の処分法見直しへ 住民の反発で京都府
京都府丹波町の養鶏採卵場で鳥インフルエンザ感染が確認された問題で、京都府の青合幹夫農林水産部長は29日、同町役場で会見し、町民の反発が強いとしてすべての鶏を養鶏場の敷地内に埋めて処分するとしていた当初の方針を見直すと発表した。
会見に先立ち、府と町は同日、養鶏場周辺の住民を集め処分についての説明会を開催。青合部長は鶏舎南側の水田に埋める計画を提示した。しかし、参加した約80人の住民は「川の水源に近く、汚染物質が埋められるのは不安」などと猛反発。横山義雄町長(61)も「農地に埋めるのは困難」と難色を示した。
府は鶏舎を取り壊して跡地に埋める案や焼却処分も視野に、早急に再検討するという。処分する鶏は十数万羽に上り、養鶏場では同日から殺処分が始まったが、死がいは袋詰めされ鶏舎内に一時保管されている。(共同通信)[2月29日20時14分更新]
◆コメント:国が処分方法をはっきり指示するべきだ。
あちらでもこちらでも鳥インフルエンザと騒いでいるが、政府の方針は?
全国各地で鳥インフルエンザが確認されたとか、いや陽性ではなかったとか、大量に鶏が死んだのを農場が隠していたとか、ずいぶん情報が混乱している。一般人も国立感染症研究所のサイトなどで調べれば、鳥インフルエンザがいかなるものか、概略はつかめる。要するに、トリから人に感染することはありうる。その結果死亡した例も出ている(ベトナムなんかもう、何人も死んでいる)。ただし、感染した人はトリに接触したり、排泄物などに触れる機会があった人で、トリインフルエンザに感染した鶏の肉や卵を食べたという報告は無い。
◆埋めるだけで、ウィルスが全滅するとは考えられぬ。
国立感染症研究所のサイトによれば最初に山口県でさわぎになったときには、農林水産省が、「鶏の全殺処分と消毒」を指示したとあるが、殺し方が記載されていない。その後、各県が鶏の処分方法を決めているようだが、国は無責任だと思う。
以前、地球温暖化について調べたときに、グリーンランドの氷河を調べた学者が、数十万年前の氷層に、ウィルスが閉じ込められていることを発見したことを知った。そのウィルスは発見されたときに、植物に対してだが、まだ感染する能力を完全に持っていたという。
ウィルスの種類にもよるのだろうが、殺した鶏の死骸は焼却するのが一番安全で、これならば、如何なるウィルスも生き残れまい。地中数メートルに埋めたぐらいでは心配だ。生き残ったウィルスが他の生物に感染するように遺伝子を変化させる可能性が無きにしもあらずだからだ。
農林水産省だけでいいのかね。当然厚生労働省が関与するべきだと思うし、殺した鶏に関して処分方法をもっと明確に示さなければならない。何故、早くそうしないかというと、役人は誰も責任を取りたくないからである。一旦指示を出したら、その者に責任が生じる。それがいやだから、各地方自治体に処分方法を任せている。そうしているうちに、騒ぎがだんだん広まって行く。
お役人さん。自分の仕事には、責任を持ってください。