「アノマロカリス」 宇宙的な郷愁に アノマロカリスは含まれていないので 泡だつ夕やけの空をとんでいても だれも目にとめることはない アノマロカリスは思いがけず 喰うことがある きのうは飼育小屋の少女 そのまえは弾かれた鉄塔 そのまえは鳥の眼 飛行船との衝突は目指されたもの。 空のいろはさらにふかく なみうつひれ 伝達されていく震音、 アノマロカリスに喰われない少年がいる 少年は牙を背負っている アノマロカリスと少年は夕やけですれちがう 交わることのない彼らの牙は よりそおうとしながら 夕やけの磁場のなかで 阻まれている
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