飛行機工場から少女の集団が続々と出てくる 彼女らは一様にまばたきをせずにブルーベリィのクレープを食べている クレープを食べおえた少女から順に両足をそろえ飛びたっていく その背後からキバウサギが大きな袋を持って近づいてくる +++++ コンピューターおばあちゃん達は出荷されていく過程で 二百五十六袋のざらめせんべいと八十五個のこんぶ飴を消費した 次の週に出荷されたコンピューターおばあちゃん達はその倍をたいらげた ぼくは来月の誕生日にキャンディオレンジのコンピューターおばあちゃんを買ってもらう +++++ とくべつ美しくはなかったがもっとも優しい少女は 飛びたつことができなかった ブルーベリィが足りなかったのだ うずくまって泣く少女にクレープ屋の青年が駆けよって チョコレイトのクレープを差しだした そして二人は滑空する少女たちを見あげながら わざと口元を汚しながらクレープを食べた +++++ 朝起きると、ぼくの祖母はコンピューターおばあちゃんになっていた。 中指のゆびぬきに触れるとかすかな音をたてて起動をはじめた。 コンピューターおばあちゃんでインターネットに繋ぐと、 いつも勝手にらくがんに関するサイトを開いてくれる。 +++++ グレイ・ラビットは電信柱の影に棲む。 その時点ではまだ牙ははえていない。 たてぶえを吹きながら子どもが電信柱の影を踏んだとき、 グレイ・ラビットは解放され、キバウサギとなり 大きな袋を引きずって少女飛行機の捕獲へ向かう。 +++++ コンピューターおばあちゃん達は宇宙船に搭載され 宇宙へ向かった 戦争がはじまるのだ。
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