せむし男はうつろう 増してゆく鐘の幻聴をせおいながら 白昼 せむし男は地面の下へ消えた +++++ 発音してはいけない単語は 空気漏れに紛れて 詩の冒頭を占領する、 +++++ トランプ・レディ 椅子をよこしてくれませんか トランプ・レディ ぼくに砂糖の壷をまわしてください トランプ・レディ オードブルは済みました トランプ・レディ 今日の肉は人魚ではありません トランプ・レディ 食事のあとはさようならですよ ベッドは川べりに運んでおきましたから +++++ 肉巻きシンドバッドはモアにさらわれて コンビナートに落とされた ぼくたちは知らずにダイヤ入りハンバーガーに舌鼓を打つ +++++ さようなら、だよ。 さようなら。 もう一度発音して、 +++++ 巨大な翼はせむし男をさらって 回廊の中心に降ろす。 頭を抱えて丸まっていたせむし男は 顔をあげて目のまえを阻む女の名前を呟く。 その声の震えよりも 女の名前は繊細である。 女の立ちかたはそれよりさらに、
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