全てにうんざりだよ、 と 彼は砂糖壷をまるごと飲みほす。 わたしはフォークの先をねじって螺旋にしている。 鳥が最初から炭火焼きになって落ちてくるんだぜ、 と 彼はウエイターを警戒しながら云う。 わたしは螺旋の数を確認する。 とっておきの話をしようか、 と 彼はグラスの内部に波をたてる。 ああ、と わたしは呟く。 彼はこれから30分間、スパゲティのゆでかたについて語る。 わたしはこっそり息を漏らしてフォークの先をほどきはじめる。 螺旋の方向をまちがえてしまった。 +++++ 少年は少女にはたらきかける。 それを動力に、少女はプロペラを回しはじめる。 +++++ 宣誓 に値する言葉、 タイム・ウイング ぼくは いいえ、 わたし は 、 +++++ ピジョン・ミルクで死んだ子どもは 最期の瞬間まで母親とキスしていた。 +++++ 沁みてくる、詩を見つけました。 わたしのイメージ。無声の、すりきれた八ミリフィルム。 何度も、思う。 晴れやかな哀しみ。 +++++ 大阪の朝の、いちばん好きな場所。 明けていく空に、獣たちの声がとけるように響く、 そして首長竜のように居る、タワー。 環状線が好きです。 ゴシック体の数字と廃墟と物干しさおの景色が添う。 そして憧れの青空カラオケ。 維新派の作った映画館。 朝の光に混じった埃のように 混沌としながらも透明な、 このまちがぼくは好きです。 +++++ 今日から冬が来るまで対岸には渡れません 橋が北へ発ってしまったので +++++ 「カモメ橋の伝説」 +++++ ぼくの青猫、 雨が嘘をつきます それでもぼくたちは耳をたてるのですね?
うみ + home
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