わたしを何処までも引き延ばしていくものは、 春の欠片を握り潰してしまったのだろう。 しきりに、 まばゆい、 +++++ やまをつくった あなたのてのひらのかたち、 わたしのせなかのかたち。 なみは やまからよせてくると、 わたしはいま しんじられる。 +++++ 旗は視界の果てまで続いている それらの大群は永久記憶を不用意にかきたて わたしは「冒険」と呟く。 +++++ ジャックは箱に閉じこめられたまま、 僕等は箱を見失った。 箱のなかのジャックの呼吸音が真夜中にとつぜん響き、 僕等は泣きながら幾度も飛び起きる。 +++++ たとえば、 きいろ といういろを見る度に 屋上のことや 熟れた炭酸ジュースや 奪われたマントや 三つの段階のことや しあわせだったことや 眼の痛みを思いだすのだろう。
うみ + home
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