敷居に吊られた生乾きの作業服がいっせいに踊りだす、 ぼくは工場へ戻らなくてはならない。 +++++ チューイン・ガムの化石を見つけた、と 興奮して走ってきたヤスユキくんに ノブヒコくんは 「それ、ぼくの父さんの骨だよ」 と冷たく言った。 +++++ 手首を回転させて ヘリコプターを発明しよう。 今日は、地上から離れるのにもってこいの日だ。 +++++ 大きく振った、バットの内部に 水色の女性が見えたのは錯覚だろうか? +++++ 同じかたちをした工場が一帯に並んでいて ぼくはしばらく見まわしていたのだが、やがて どの煙突から入っても同じ部屋にたどりつくことを思いだし ぼくはいちばん近くの手すりにとびついた。 +++++ (ここでものすごい夢を見たための空白) (なんてとろけそうで、くどくどとした夢だったのだろう!) +++++ 水色の女性がこちらを見て必死で口を動かしている。 大きく目を見開いている。 けれどもわたしは彼女を錯覚と認めてしまったのだ。 *****
うみ + home
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