犬は音をたてずにチューイン・ガムを噛みながら ぐるりとわたしを見渡した。 「ちくしょう」 と犬は思った。 「ふすまの味しかしねえ」 わたしはおそるおそる床下の生き物のことを尋ねる。 犬はとつぜん唸りだす。 「あれは俺のもんだ」 わたしは後ずさる。 「もとは俺の埋めた骨だ。手を出すんじゃねえ」 +++++ つくりものの輝き、 ジャンプを続けていれば いつか空にも触れよう +++++ 父親参観の日、 ずらりと並んだチューイン・ガムの彫刻を見て あのひとは泣いた。
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