再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 演劇集団Ring−Bong「さなぎになりたい子どもたち」戯言

演出の戯言「教えられる事」
子どもにとって学校は世界である。その世界と上手に付き合えればいいが、そうでない子もいる。家庭と学校の二つの世界で一つ欠けるのだって、世界の半分が欠けるのと同じ、ましてや両方欠けたら…。そういう場合、もっと世界は広いとか言うけれど、展望の見えない、大人も息詰まるこの世界、気づくと武器を携えて他国と対峙することすらよしとし、不都合は見ずに現状をなんとか維持する為己の価値観以外は排除する「多様性がお題目」のように言われる社会。見ない事にするうちに、暗殺が公衆の面前で起き、議論なく葬儀は行われ、責任は痛感すると度ごと表明するけど、痛覚はどうもなく、記憶がなければ許されちゃう世界。そのくせ火種になりそな声が上がる事は恐れ空気を窺っている。見習うべきリーダーたちがこの調子だもの、大人が創り上げた世界が広いと言えるのか…。それでも、子どもは世界の大きさを子どもたちなりに認識している。そんな中で、外の世界への踏み出し方がわからず、ちっぽけな自分の世界を見つめる事はいけないことなのかと悩み、ひたすら大人の創り上げた「広い世界」を見つめるのだ。
子どもに対する先生たちも大変である。サードプレイスの必要性や、個性を伸ばす教育とはいうものの、準備のあり方、現場の負担、時間外労働と問題も山積みで、確固たる未来を見据えて子どもを導ける先生はどれだけいるのだろうか…?(自戒も含め私も、教育に携わっている立場です)
作家山谷とは毎回、プロット立ての段階から打合わせを繰り返し、関連書籍に当たり取材を進め、この舞台とそこに生きる人物たちの立ち上がりを見つめ、そこから贅沢にも小劇団には見合わない選りすぐりのメンバーと自由度高く立体化させてもらっている。そしてこの場を借り、この規模で演るに足りない部分を補い、支えてくれたメンバーたちに感謝します。その多くは教え子たちですが、教えられることが本当に多い日々です。
どうぞ最後までお楽しみください。

藤井ごう(中3娘のテキレジ含む)

今後の予定
2023年3月エーシーオー沖縄「与那覇家の食卓」(作:伊波雅子)演出@ひめゆりピースホール(沖縄)
2023年9月リーディングカンパニーゑほう巻き第3回公演 演出
2023年11月劇団東演「居酒屋」原作:エミール・ゾラ 台本・演出
2023年12月エーシーオー沖縄「豚の報い」原作:又吉栄喜 演出


2023年01月23日(月)
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