スカーレットの心のつぶやき
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夫が一週間の予定で入院してから
18日の金曜日でひと月になる。
ベッドの上で過ごす夫の気持ちを思うと
言葉も見つからない。
慰めの言葉なんて何になるというのか。
このところの良くもなく悪くもない状態が
いつまで続くのか?
退院してもまた再入院の繰り返しの人生。
私よりも五才若い夫は
まだこれから自分のやりたいことを
することが出来るはずだった。
病との闘いが
夫の人生において三分の一を占める結果になろうとは
誰が想像していただろうか。
私が知り合ったころの夫は
痩せてはいたものの
健康体に思えたし筋肉もそれなりについて
男らしい体格だった。
でも、今は一日に少しだけしか歩かない状態で
体の筋肉も大分減ってしまった。
人の一生はいつ来るかわからない
自己の最期の瞬間に向かって
一歩一歩近づくものだ。
ゴールが来るのが早いか遅いかの違いで
それぞれの人の人生が変わってくる。
昔から人生50年と言われていたが
今ではその倍になっている。
もうすぐ敬老の日もやってくるが
日本は世界一の長寿国になった。
100歳以上の人もびっくりするほどの数だ。
その一方で若くして亡くなる人も多い。
この差はどこからくるのだろうか。
生まれる前からわかっていることだと
知人は言っていた。
わかっていることを
自分だけが知らないということは
理不尽のようで幸せなことなのかもしれない。
自分の最期がいつ来るかわかっていたら
人は懸命に生きないかもしれない。
最期のゴールが見えないからこそ
毎日を不安なく過ごすのだから。
その意味で夫はどんな風に思っているのか
そばにいる私にも何もできない
今日も夫は朝を迎えた。
スカーレット
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