スカーレットの心のつぶやき
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2006年01月20日(金) 出会い��

今思うと夫と結婚するまでの6年間は

私にとって幸せな日々だけではなかったような気がする。

勿論、東京へ二度遊びに行き

夫の下宿で新婚さんのような数日を過ごしたことや

見知らぬ東京を案内してもらって

結構ミーハー気分で楽しい時間を過ごせたことは確かだ。

でも、夫との長い付き合いをしていくうちに

段々と不安も募って行った。

夫は元々が無口な人で、

自分からは話をする人ではなかった。

喜怒哀楽も少なく

一言で言えば私と正反対の性格の人だった。

私が夫に惹かれたのは

この全く反対の性格であったのだが、

これは私の大きな勘違いだったと

今はそう思える。

あばたもえくぼとはよく言ったもので

結婚するまでは全てがステキに思えた。

無口で物静かな所は

冷静沈着で羨ましいと感じたし、

大きな声や荒々しい態度を取らないのは

元々の性格の上に私を愛しているからだと信じていた。

そんな夫の欠点を一つ上げるならば

それは優柔不断なところだ。

私は決めると即行動に移す。

決める時も一瞬の判断で決めるところがある。

その時の気分とか感じとか、

私こそ頼りないという気もするが

こうだと決めるところがある。

夫は優しいという反面、

物事を深く追求しないし

何を考えているのか分からなくなるところがある。

心の中で何を思っているか

言葉に出してくれると分かるけれど

黙っているから私には皆目分からない。

私が尋ねてもはっきりと答えない。

責任感は強い人だとは信じていたけれど

私との6年間という長い付き合いの中で

私への気持ちを言葉にして言ったことがない。

勿論プロポーズの言葉もなかったような気がする。

私の両親の前でも同じ態度だった。

こんな夫との付き合いだから

私の中で不信感が段々と大きくなっていったとしても

それは仕方ないことだった。

付き合っている気持ち、

今後どうするつもりなのか?

こういったことを知りたいのに

何答えることはなかった。

一度だけ夫に申し訳ないことをしたことがある。

それは講習会を終え、

上京していった夫に電話をしたときのことだ。

私は夫に妊娠をしたと告げた。

勿論嘘だった。

その頃の私は痩せていたから生理もなかった。

だから妊娠するはずもない。

でも、妊娠したと夫に言えば

責任感の強い夫のことだから

私のことをもっともっと真剣に考えるだろうと思ったのだ。

言ってしまった後で直ぐに訂正した。

やはり嘘をつきとおすことは出来なかった。

嘘はいつかはバレる。

そんなことで夫の気持ちを引き止めるなんて

惨めだし私の最低のプライドも失くしてしまう。

やはり私の行動って変だと

今はそう思える。

こうだと思うと相手のことなどどうでも良くなる。

あの頃の私は確かにそういうところがあった。

そして私の心はとても不安定になり

夫と付き合いながらも

見合いもしてみたし、

心もないのに他の人と付き合うことも経験した。

Hとも会った。

Hは相変わらず私への思いを語った。

正直有り難さと迷惑を感じた。

人から思われているという優越感にも似た気持ちを

感じる自分自身が嫌だった。

私はこの時点でも最低の女だったような気がする。

不安定な心を持て余していくうちに

しばらく落ち着いていた拒食症が始まった。

今度は吐かない代わりに

物を食べないようになり

体重もまた30キロになって

最後の入院になってしまった。

これが昭和60年3月のことである。

私は33歳になっていた。


スカーレット