小説の構想やら更新予告やら短い話やら。
誤字脱字やら単語が中途半端に途中だとか色々あるけど気にしない。

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没。
2003年07月29日(火)

    Embrassez-moi ici

 亜久津の部屋は、何故だかひんやりとしている事が多い。
 別にクーラーなどの空調を効かせているわけでもないのに。夏だろうが関係ないようで、たとえ外が恐ろしい暑さだとしても、亜久津の部屋もそうとはかぎらない。窓を開けていても、風が入ってくるわけでもないのに。
空調が効いているわけでもないのに、亜久津の部屋はひんやりと冷たい。


 「今から行く」とメールをして、家をでて数十分。すっかり通い慣れた道筋をやや小走りして辿りながら千石は亜久津の家についた。入れ代わりで出かけて行った優紀に「仁が帰ってくるまででいいから」、と留守番を頼まれたので、優紀を見送って家に上がった。
微かに軋む階段を上がり、亜久津の部屋のドアノブを握った。その金属の冷たさは大して気にもとめなかったが、扉を開けた瞬間に逃げるようにして亜久津の部屋から漏れてきた空気の冷たさには、千石も思わず反射的に目を閉じた。
しかしその強烈な冷たさはすぐにかき消え、千石は目を開けた。別に何の代わりも無い亜久津の部屋だ。千石は軽く溜め息をつくと、頭をガシガシと掻きながら部屋の中に入った。部屋は相変わらずひんやりとしていたが、先程の冷たさは錯覚だったように思える程度だった。いつもと大して変わらない。
「つか、クーラーつけっぱなしにしてんなよなー」
千石はそう言いながらも、ガラステーブルの上に置かれたエアコンのリモコンを手に取った。しかし表示画面を見ればエアコンは運転を停止している。
そんな馬鹿な、と千石は驚いた。亜久津が出て行く直前までクーラーを効かせていたとしても、優紀の話では彼が出て行ってからもう一時間はたっている。たしかに窓などは完全に閉まっているが、それにしてはおかしな冷たさだ。
「………わけわかんね」
些か気になりながらも、千石は亜久津のベッドに寝転んだ。ベッドも冷たかったが、毛布を被った。
亜久津はメールを見ただろうか。いつ帰ってくるのだろうか。
着信の気配すらない携帯を見ながら、半ば無意識に「早く帰って来い」と呟くと、また溜め息が出た。


 バタン!と乱暴に扉が開かれる音に千石は目を覚ました。
いつの間にか眠ってしまったのか、とぼんやりと目を開くと、亜久津が自室の扉を開いた所だった。
「あ……おかえり、亜久津」
千石は相変わらず締まりのない笑顔で彼を迎えたが、亜久津はひどく驚いた様子で千石をみていた。
「………おまえ……」
「優紀ちゃんに御留守番頼まれちゃったからさ、あがらせてもらったんだけど……だめだった?」
 亜久津は暫く黙り込んでいたが、やがて無言のまま千石の寝転がっているベッドに歩み寄ると、そっと腰を降ろした。
「今すぐ帰れ」
「……何で?」
甘えるような声で、千石はそっと亜久津へと手を伸ばし、彼の頬に手をそえた。けれど亜久津は表情すらかえずにもう一度「帰れ」と言っただけだった。


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霊感少年亜久津とかどうだろうって思ったんだよね。
たった今没ったけど。
ちなみにタイトルだけかわいらしく「ここでキスして」って意味です…よ…(オチがないと意味がわからん…ああでもあってもわからないかな…)




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