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*相変わらず台詞ばかりで進行する。 「雅美さん、俺さーここのところずっと苛々してんの。知ってた?」 「……南じゃなくても見りゃわかる」 「あっれ、そんなに俺イライラしてた?」 「『してた』、じゃなくて『してる』だろ」 「んん? まぁ、そんなんどうでもいいけどそうなんだよね、ほんと、こういう気分の時に人を殴り殺しても懺悔とかできないなー俺」 「……物騒な話がしたいのか?」 「違う、ただね、聞いて欲しいんだよ」 「何だ」 「雅美さんは、亜久津の事、好き?」 「…………嫌い、と言えば嘘だと思うし、かと言って好きとも言い切れないな」 「……恋愛感情、」 「それとは違うな」 「そう、それはよかった。でもごめん、そのうち俺キレるかもしんない。なんかねー俺最近おかしいんだーなんかもう自分でわかるぐらいおかしいんだよねー」 千石はそう言いながらも、妙なぐらい静かにロッカーの扉を閉じた。 しかしその空気は口調とは裏腹に、先程の明るさを微塵も感じさせないような冷たさを帯びていた。 「……どういう、」 「俺、亜久津の事すごい好きなんだわ。あいつの事ひとりじめしたい。亜久津に誰かが近寄るだけでも苛々する。亜久津と親しげにしゃべれる人間にも殺意が湧きそうになる。そんで、どうしたら俺だけのものになるかなーって気がつくといつも考えてる。」 恋しちゃってるってこういう事なのかしら〜と妙な調子をつけて言った千石に目をやると、彼は薄らと笑っていた。 そして東方がかける言葉を捜したまま彼を観ていると、千石は目を閉じ、溜め息混じりに呟いた。 それはあまりに軽い、まるで、「シャープペンシルの芯が折れた」とでも言うような調子だったので一瞬聞き間違えたのかと思う程、自然に千石は口にした。 「殺しちゃったらどうしよう」 その一言にギクリと心臓が跳ね上がったように思えたが、誰を、とは聞けなかった。 少なくとも、東方にはそれが亜久津の事だと言う風に感じられた。 けれどそれを千石自身の口から言葉にさせてしまえば、たちまちそれが実現しそうな気がして、やめた。 「じゃ、俺帰るわ。またね雅美さん」 「……あぁ」 そしてもう部室を出て行った千石のロッカーの扉をみながら、千石が本格的に狂っていると気付くのが、少し遅すぎただろうかと思った。 否、結局は早かれ襲かれ何もできないのだろうが。 -- 他の人が千石に東方を雅美さん、って呼ばせると割と萌えるのに、自分が書くとやっぱり萌えなかった。 むしろ誰だ。 つーかネタは毎日そこらへんに転がっているものから出てくるんだけど(たとえば今日は九尾の狐と亜久津とか)、何を書いても結局オチ同じっていうかパターン化っていうかマンネリ化で自分でちょっとうんざりしてて。 ああでも多分ちょっとは吹っ切れたので。 再出発希望。 まぁ、徐々に。徐々に、な。 徐々に前のペースで書いていく。
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