「あーのさぁー……あっくんにとってさぁ、俺ってなんなわけ?」 吸いこんでいた煙を吐き出しながら、千石は締め切っていた窓を勢い良く開けた。篭っていた紫煙は、さながら逃げ道を我先にと出ようとする人間の様にも見えた。 横で煙草をくわえていた亜久津は、千石を軽蔑するように一瞥すると、心底呆れた様子で溜め息をついた。 「…………お前の質問の中でも過去最高にウゼェ質問だな……」 「なッウザイとか酷! 酷すぎるよマイハニー!」 「どさくさに紛れて妙な呼び方すんな!」 「むー……だぁって、さぁ」 眉間の皺を深めた亜久津に、今度は千石が溜め息をつくと、指にはさんでいた煙草をとりあげ、その煙草を目で追った亜久津の目を手のひらで被い、そのまま体を寄せてキスをした。 触れるだけのキスはなんだか気恥ずかしいだけで、千石だって好きじゃない。 「あだなどころか名前で呼んでもくれないし」 呼吸するように、一言言う度にキスをして。 「キスもセックスもするくせに、拒絶しないくせに、好きだとは云ってくれないし」 目隠しを解いてキスをしても、背中に伸ばした腕に込める力は言葉を紡ぐ度に強くなって。 「俺の告白だって、すぐにはぐらかすし」 浅く舌を絡めて、それでも焦らすようにすぐに離して。 「……何かあっても、何も云ってくれないし」 泣きたくなる気持ちを押さえ込んで、最後はただ彼を強く抱きしめるだけで。 「俺と誰かが喋ってる時に……妬きもちぐらい、妬いたっていいじゃん」 自分だって明確な言葉に全てを託せるわけじゃないのに彼に言葉を求めて。 それでも、千石の内部葛藤なんてどうでも良いかのように、亜久津は千石の言葉をたった一言で払い除けた。 「…………バッカじゃねぇの」 大事な人だから、亜久津のたった一言で、千石だって傷つけられる訳で。 「なッ! 俺は! すっげー真剣なの!! 過去最高に真剣なの! つーか俺はあっくんの事、愛してるって云いきれるんだよ?! 世界中の誰よりも大事で大好きで大好きで大好きでほんともうどうしようもないぐらい好きだって、想ってるのにあっくんは!」 早口でまくしたてるのは、癖じゃなくてそれこそ本当に勢いで。 本音を言うのだって、それこそ本当に、勢いで。 「ッ好きじゃねーのにあんな事させるかよ!!」 結局、亜久津の短くて遠回しなのにストレートな物言いには、いつだって千石がハッとさせられるのも事実で。 -- 落ち無し。 ……よくわかんないけど甘ったるいというか夢見がち少女漫画系やおい書いてる自覚はあるんですけど意識して書くとこういうのって中々痛いですね…………アイタタタ……。 つーかね、天ぱちの、あの、美術室での逢い引きは反則だと思う。 あと、のんちゃんが南だったら私は泣く。(だってナンゴクって事…に…?!あッでもナンアクでもあったのか…)そもそもその場合千石が光だろうけど亜久津が寧々ちゃん……寧々ちゃん……?! (つーかありえない例え話は止めれば良いのに…) …………でも、なんか、ゴクアクだったら良いな!、と思うシーンは多々あり。 何 見 て も そ う だ と い う 事 実 は こ の 際 無 視 ! しかも笑えないっていう事実が締めで更にごめん。
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