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誤字脱字やら単語が中途半端に途中だとか色々あるけど気にしない。

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もしかしたら最後のルサン
2003年03月27日(木)

     お前との会話は自問自答に似ていると云って君は笑った。




 行儀は悪いが食事中でないから良いだろう、そう思ってサンジは足をテーブルの上に放り出した。そのまま靴を脱ぎ、スーツの裾をめくりあげる。
見れば予想通り、足は痣と傷ばかりだった。
サンジは舌打ちをしながらも、テーブルの上の、チョッパーにもらった消毒液を染み込ませた布をゆっくりと傷口に当てる。薬が滲みて、熱をもって痛み出すような感覚に、思わず顔を顰めた。
すると扉の開く音が聞こえたので、サンジがそちらを見れば、ルフィがキッチンへと入ってきたのだった。

 ルフィは黙ってサンジの隣に座ると、しばらくそのまま傷口を眺めていた。
そしてそっとサンジの足の傷口に触れ、そのまま指で傷をなぞった。
サンジは一瞬反射的にびくりと震えたが、すぐに気恥ずかしさを感じて手元に集中した。左足は終った。次は右足だ。
だが左と違って右は既に痛みが強いのできっと出血しているだろう。
ルフィの手を払いながら、今度は右足の裾をめくった。予想通り、血液がテーブルに数的パタパタと垂れた。
サンジが布を思いきり傷口に押さえ付けると、血が滲みながら滲みて行くのがわかったが、気にせずそのままもう一枚の布で足へ縛り付けた。
「……また傷増えてるな」
「…………別に、しょうがねぇじゃん。大体、お前だって傷だらけのくせに」
右はほかに対した傷はなかったので、もう消毒しなければならない部分はない事を確認すると、サンジは両足の襟を直し、靴を履き直した。
ルフィは一部始終を眺めていたが、そうだけど、と小さく呟いた。
「けど、俺はいいけどサンジはダメだ」
「……何でだよ、傷は男の勲章だろ?」
「くんしょーだろーがなんだろーがサンジが怪我すんのはだめだ。」
「なんでだよ」
消毒液をチョッパーのリュックに仕舞うと、その中で容器が何かとぶつかったらしく、カタン、と小さな音をたてた。
「そりゃお前、俺が痛いからに決まってるだろ?」
「……ンなわけねーだろ、馬鹿……」
しかし、呆れたと言いたげな顔をしたサンジを咎めるように、ルフィは極めて真剣な顔でサンジに言った。
「サンジはさ、たしかに俺だって強いと思うし、頼りにしてる。でもそれと怪我ってのは違ェ。俺はそれでもお前の事心配だと思うし、怪我したって聞く度、恐いと思う。」
そしてサンジの肩を掴むと、耳元に口を寄せて「頼りにしてても、他のやつよりお前のほうが好きだからな」と囁くように言った。
その言葉にサンジは俯いて、そのまま黙り込んでしまった。
「……サンジ?」
だがサンジは二、三度首を横に降った。
そして暫くしてようやく口を開いたが、サンジはどこか叱られた子供のような口調だった。
「…………お前は、俺ばっかり責めるのか」
「?何云ってんだよ、サンジ」
わからない、とルフィがはっきりと言う前に、サンジは急に顔をあげ、ルフィを睨み付けた。
第一声を、その時ルフィは悲鳴みたいだと思った。
「俺だってなぁ!…………俺だって、別に好きで傷つくってねぇし…そんなシュミねーもん…痛ェのは俺だって嫌だし……それに……」
しかしまた俯いてしまったサンジに、ルフィは眉を顰めた。
「……それに?」
「…………俺ばっかり、お前は責めるけど……………お前はどうだよ」
「俺?」
「…………わかんねぇならずっと考えてろ、バカ」
サンジはルフィの事を押し退けた。ルフィはつい肩から手を離し、再び椅子に座り込んだ。その顔は、頭上にクエスチョンマークがいくつも浮かんでいそうな表情だ。
「???さっぱりわかんねぇぞ、サンジ」
しかしサンジは苛々した様子で立ち上がると、チョッパーのリュックをルフィに押し付け、無理矢理立ち上がらせてそのまま扉の方まで引っ張って行った。
「だからお前はバカだっつってんだよ、良いからもう行け、これやるからチョッパーに手当てしてもらえ!つーかおやつの準備すんだからもう出てけ!!」
そして扉の外にルフィを押し出した。
ルフィはしっかりとリュックをもちながらも、抵抗すべきかどうすればいいのかわからずに、珍しく迷っている。
「は?お前何怒ってんだよ?」
「……ッ怒ってねぇよ!!わかんねぇなら別に良い!」
「俺は嫌だ!なんでだよ、ちゃんと云わねぇと俺はわかんねぇよ!」
「じゃあ一生わかるなッ」
バン、と思いきり扉を閉められ、閉め出されたルフィはその扉の前にくずれるように座り込んだ。
消毒液の匂いがなんだか少し鼻にしみた。
一方、閉め出した張本人のサンジはルフィと扉を挟んで向い側に座り込み、「クソ鈍すぎんだよ…バカが」、と舌打ちした。
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久々に。
やっぱり好き。大好き。
もう書く事ないかな、と思って書いてみたんだけどなんかルサンにしちゃめずらしく寂しい感じの話になった……ような……。
ルサン、つーかサンルから入ったからどっちでも良いんだけど船長は属性攻めで御願いしたいのでルサンなのです。

とりあえずこれはサンジの告白……のつもりだったんですが?




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