「…何で留守番電話なんかにしてたの?」 「………」 「……そんなに俺の声聞くの恐い?」 「………」 「いくら俺でも声だけじゃなんもできないよ?」 「……用件は、」 しびれを切らしたように、亜久津がいらだって答えると、千石はクスクスと笑った。 「声が聞きたかっただけ」 そしてすぐに電話はガチャン、と乱暴に切られ、ツーツーツー、という電子音が聞こえてきた。 声が酷く耳に障る。 「あくつ」 まるで耳から犯されて行くみたいに、 耳から入った声に反応して、内がうずくような。 嫌な感覚。 「清純、電話終った?」 「うん、もう使っていーよ。…あ、またいつもみたいにうっかり長電話しないようにね」 「何言ってるの」 千石は母と入れ違いに電話の傍を離れ、二階の自分の部屋に向かった。 充電器に置かれた携帯電話にちらりと目をやったが、何も来てはいないようで、千石は溜め息をつきながらベッドに寝転がった。 いつからこんな事になった? 携帯電話で亜久津に電話をかけようにも、携帯電話からでは着信拒否をされ、繋がらず仕方なく自宅の電話から彼の自宅の電話にかける。 それでも留守番電話にされる事も少なく無い。 学校でもすれ違い様に言葉をかけるまえに避けられてしまう。 クラスに向かっても、まるで千石が来るのを見計らったかのように彼はいない。彼がいそうな屋上や保健室などを見ても、まるで入れ違いにでもなっているのではないか、もしくは彼はこの世に存在しないのではないかと思えるぐらいに会える事も無く。 家を訪ねても留守か居留守でどんなにチャイムを連打しても叫んでも彼が出てくる事はなく。 いつからこんな事になった? 「……………なんでだろ、」 溜め息まじりに出た言葉は、なんだかひどく情けなく思えた。 千石は毛布をめくり、顔を埋めた。 もうここに彼の残り香は無い。 彼がここに最後に来たのはもう二ヶ月も前だ。 そして最後にまともな会話をしたのは三週間前だ。 何度考えても理由が見当たらない。 彼を怒らせるような事も、怖がらせるような事も、何一つ千石には身に覚えが無い。 だが彼が自分を避けて居るのは明白な事実だ。 「仁、今の電話キヨくんからー?」 「…関係あんのかよ…」 「んー…ていうかなんで最近キヨ君ウチにこないの?」 「………」 「仁?」 「…知るか」 毒が回るような感覚に、少し似ている。 だんだんと麻痺して行く感覚が恨めしい。 だんだんと、死んで行くのだ。 そうして毒されていくような。 内側から、じわじわと。 吐き気がする。 千石はまだ解かれないか、と電話をかけたが亜久津には繋がらない。 溜め息しか出なかった。 この状態はお世辞にもよくなんかない。 だがこうして亜久津との知恵比べのような、いたちとの追いかけっこのような感覚を千石は、少し楽しんでもいる。 電話が繋がったり、顔を合わせる度におびえるような態度をみせる亜久津がたまらなく愛おしく思えるし、もっとその表情がみたくなる。 だからほんの少しだけ、今の状況でも悪くないとは思っている。 だがやはりしっかりとしたまともなコミュニケーションをとりなくなってしまうもので。 「………離さないようにもっと繋ぎ止めておけばよかった、かもなぁ…」 温もりを求めてしまう。 -- スランプ。 むしろあんまり物を書く気が無いんですけど…ちょっとそれってどういう事なの…?! ナンアク(むしろ三角関係)本はラスト一本と表紙ができあがりません。なんて事だ。表紙どうにかしないとなーしないとなーとはおもうけどどうすんの…? 表紙ができあがらないとかありえねぇよ…どうすんだよどうすんだよ…ゲストも何も描けないよ…むしろ書けないよ……こんな時にこんな時に!しめきりあと何日?数えんな!(逆ギレですか) -- つかすごい笑うのがさ、ここ変換しわすれとかタイプミスとか何故か言葉が重複してたとか、途中で一部分が切れてたりしてるんだよね。かなり。色々まちがってるよ、単語とか間違ってたりもするよ、でも基本的に直さないよ。 …な、コラそこ!探すなヨ!(笑)
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