2004年03月02日(火)

■ 1日40時間おくれ。

「残虐記」をうらるちゃんが買ってきた。
すぐに読みたいところだが、今ぼくは佐藤愛子の「血脈」を抱えている。
それも、上中下あるうちのまだ中巻だ。遅々として進まない。
今年になってから、ずっとこの作品にかまけているような気さえする。

というのは大袈裟だが、つまらないわけではけっしてない。
ただ、ミステリーなどとちがって、先を急ぐ必要はないのだ。
そのうえ、近頃のぼくときたら休日は出歩いてばかりいて、
読書に充てられる時間といえば職場での休憩時間だけ。

こんなとき懐かしく思い出されるのが、1時間強の電車通勤時代。
あの頃、まさにぼくは読書人だった。
持って出た本を帰りまで読み終えてしまった日などは、
帰宅時に読むべき本を確保しないことには駅にも向えなかった。

そんなぼくを尻目に、うらるちゃんはとっくに
この桐野夏生の新作を読み終えているのかといえば、
実は彼女も現在、他の本を読んでいるところだったりする。
しかも2回め。1度読んだのを忘れて、再び買ってしまったのだった。

そんなものは投げ出して、さっさと新刊に移ればよさそうなものだが、
都合がいいんだか悪いんだか、話の内容をほとんど覚えていないので、
けっこう楽しく、どきどきわくわくで読めてしまうんだと。
ああ、そうさ。飛び切りおもしろいさ。白石一郎の「海狼伝」は。

彼女とともにこれを読み、
すかさず続編まで買ったこと、
ぼくはちゃんと覚えていたさ。

というわけで、図書館では10人待ち、20人待ちの人気作品が、
むなしくテーブルの上に置かれている我が家である。
今月中に読むことができるのだろうか。
ぼくに1日40時間おくれ。


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