2003年11月25日(火)

■ 思いつきも口にできない。

見るともなく見ていた。
W杯男子バレー。対チュニジア戦。
「アフリカの王者」の文字がそこに。

ぼくは思わずつぶやいた。
「アフリカン・キング……」
すると、横で聞いていた妻が
先を促すような目でぼくを見た。

そこは夫婦だ。
ぼくは一瞬で理解した。
彼女は「アフリカン・キング」と対になるような
次の一言を待っているのだ。
「ヘブン天国」や「地獄天国」の類の。

そこまで考えていなかった。
てか、なぜそこまで期待されなければいけないのか。
ぼくは言った。
「こんな、思いつきも口にできない家は嫌だ」。

思いつきを口にするのは、オチまで考えてからのこと。
ぼくの家はそういう家だ。
なぜなら、妻は大阪で生まれた女だからだ。

アフリカン・キング。
ノー・スモウ・キング。
それは横綱ではない。

関西人の血は厳しい。


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