2002年05月04日(土)

■ 猫のやる気、ぼくのその気

そろそろ寝ようかという頃合いになると、
ソファの背もたれの上でうつらうつらしていた猫が
やおらすっくと立ち上がり、俄然やる気を見せる。

なにをやる気なのかといえば、
ふんふんふんと鼻を鳴らして階段を駆け登り、
「さぁ、おとうさん、一緒に寝ましょう」
とでも言いたげに、階下のぼくを見下ろしていたりするのだ。

かくして、夏の暑い時期以外、だいたいぼくは猫と同衾している。
それはもう、妻が嫉妬するほどの頻度でもって。

しかしながら、確かに縦は遠く及ばないものの、
横だけは人間より場所を取ってしまうのが猫という生き物だ。
なぜ、長くなって寝ない? なぜ丸くなる?

いや、まぁ、ふと目覚めてみれば、
こいつは蛇かファルコンかというぐらい長々と、
口半開きでいぎたなく眠っていることもあるにはあるが、
だいたいにおいて丸くなっているのが猫だ。

というわけで、猫を気遣うあまり寝返りを打つこともかなわず、
棒のようになって寝ていることが、ぼくにはままある。
狭い分、腕をを折り畳んでというか、下敷にしていたりするから、
猛烈な痺れに襲われて目覚めてしまうこともある。

痺れた腕を半泣きになってさするぼくの傍らで、
猫は丸くなったままで少し向きを変えてみたりする。
長いものならごろりと向こうへ転がるという図だが
丸いものが向きを変えても角度が変るだけで、その位置に変化はない。

まるで回転体のようだと思う。
こうしてガメラも空を飛ぶのだ。

 ☆彡

朝刊に「ラテンのスーパースター シャキーラ」のデカい文字。
「ミュージックフェア21」に本日出演との広告。
こんな広告打ってモトは取れるのだろうかとも思うが、
ぼくのようにすっかりその気になってしまう者は、他にもきっと多いのだろう。

どうやら、やる気満々なのは猫に限った話ではなかったようだ。


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