母のタイムスリップ日記
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おととい 橋の上から川面をのぞいて「どうして気がつかなかったかな」と思った。 母がデイに出かければ 買い物に出かけ とっとここの場所を歩き川面も見ているのに…。 「綺麗な青空が映っているなぁ」とか「今日は水の量が多いな」とかだ。 渡り鳥の飛来している季節だと認識していなかったのだ。 数年前までは ゆりかもめも見かけたけれど…最近見かけないのは自分の何かが欠如しているからではないかと感じた。
若しかして 母のことも大事な何かを見過ごしてはいないだろうかとちょこっと気になった。
母と歩みと平行して介護関する事にはあれこれと関わってる。 でもほぼ介護一色と言う感じの暮らしぶりだ。
それでも昨年暮れに美術館で横尾忠則の絵画の実演を見ることができた。これも娘から教えて貰わなかったら気がつかない儘だった。 会場には子供連れの方もいた。美大生と思われる方や美術を職業としているだろうと思われる人等で会場はいっぱいだった。 迷ったり 考え込んだりの様子を見ながら 自分が絵を描くときに迷うのとは深さも違うのだろうなぁと感じたりした。 油絵なので自在に変化していく…その変わり方にそういうことかと納得したり…だった。 絵を描く機会などなくなってしまっているのだけれど…日常からスポッと抜け出せたような感じがした。
実演を見て帰ろうと会場を出た時横尾氏のすぐ後ろを歩いていた。 通りに出た時横尾氏は車に乗り込んだ。 ちょこっと目が合ったのでお辞儀をしたら なんと横尾氏わざわざ窓を開けて手を振ってくださった。 娘と「今年最後のいい思い出だね。ラッキー!」と目を合わせた。 時にはこんな楽しい事も経験している。 今週末は 志の輔ライブの予定だ。
話は変わるが…。 親戚のおばさんは母よりふたつ下の94歳。 便箋に6枚ほどびっしりと書かれたお便りも戴く。 今年年賀状が来なかったので気になっていた。 耳が遠いので 電話もどうかなと迷い 数日前長女さんに電話をしてみた。電話を受けた長女さん「何かあった?」と逆に心配されてしまった。 連絡がなくともあっても「何事かあったか」と受け止めるそんな年齢となっているんだよね。
おばさんは 数年前「デイに行っている」とデイの様子を話してくれた。 あれこれと悪口ばかり聞くのも嫌だから手芸をしていると話してくれカートを引いてお散歩もしていると話していた。 でも今はデイにも行かず家で寝たい時に寝て 食事は2回 お風呂にも入らないのだと長女さんはしょうがなさそうに話していた。
それを聞いて母だって本音はそうなのかも知れないと思った。 そうはいっても おばさんは自分でご飯は食べられ トイレも自分で行けるので状況は少し違うのだが…。
そんなこんなを思いながら 母と過ごした1日だった。 今朝 着替えてトイレを済ませてテーブルについた時「幸せです」と呟いた母。耳を疑い 思わずじっと顔を見入った。 デイの職員の方たちは「お幸せですね」と母に語りかける時がある。 だからだろうか…? 朝食が始まる時には「ごちそうさん」と。 夕食が済んで一段落した時 つんつんと母の肩をつついたら「なんだ?」と言う返事が返ってきて「お風呂入ろう」と言ったら頷いていた。
認知症となって20数年 要介護5の母がこんな言葉を発するなんて初期の頃には考えもしなかった。 母の本意を優先しているとはとても思えない介護なのに…すごいことだと思った。 娘からは 先日椅子から転げて頭を打ったのでその後遺症だよなんて言われそうな気がする。
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