母のタイムスリップ日記
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朝5時に夫を送り出して また眠ってしまった。 気がつけば お日様が顔を出していた。 昨夜は 南風が強く 家が揺れ寝つきが悪かった。 とはいっても いつの間にか眠っていたのだから 贅沢だわね。
デイサービス利用の契約の手続きのため 母の所に出かけた。 母は 視線を向けない。 「やぁ〜」なんて風に手を上げたりもしない。 表情を変えることはなかった。 下の入れ歯をふがふがさせて 食べかすが見えた。
「こりゃ 昼食 苦労が多かったのだろうなぁ〜」と想像できた。
居室に誘導し ギュッと抱きしめた。 そのうちに「おかちゃぁ〜ん」と泣き出す。 「具合悪い?」「頭痛い?」「お腹痛い?」と矢継ぎ早に聞いてみてしまった。母の呼吸に合わない問い方。 だから うんともすんともない。
こちらも連日で「疲れたなぁ〜」って感じだった。 でも よくよく考えれば 母の方がずっと不自由なんだよね。 慌てて「ごめん ごめん 1番困っているのは 〇ちゃんだよね」と言ったらじっと私を見つめていた。
それから ちょっとずつ 心を開いてくれた。 デイの職員が来るまで少し時間があるので トイレ誘導 手足の爪切り。その後 歯磨き。 後片付けを始めたころに来訪された。 契約の際には 施設長も同席して頂く。 4人に囲まれて「なにやら話しているぞ」風に それぞれの顔を見ていた母。人に囲まれていると安堵している風である。
手続きが済む頃には 職員の方に笑顔を見せられるほどに落ち着きを取り戻してた。
その後居室でおやつ。 食べる様子を見ていたが 特別辛そうでもなく拒否もなく食べてお茶も飲み終えた。
おやつ後 トイレ介助に職員が入ってくださった。 そこで 居室で過している方のお部屋を訪ねた。 施設に着いた時 ちょこっと覘き「しかめっ面をしているな」と思ったが やっぱりしかめっ面だった。唇が乾燥している様子なので オリーブオイルを綿棒で塗って差し上げる。 それから 新規の綿棒を白湯で濡らして 唇の裏側をそうっと拭く。 たったそれだけのことで 目をぱちりと開いて笑顔を見せてくれた。 だから 手指や甲や平をそうっとさすって 手首を揺らして 無理のない範囲でひじを伸ばす。 その間 ずっと笑顔。ギュッと結んでた口も開いて…。
それから もう1人の方の部屋へ。 布団をもそもそと動かしていた。 「こんちわ」というと口をモグモグ。 「少し起きてみようか?」と上体を起こして差し上げたら「みえる みえる みえるよ」と。 目やにがついているので ティッシュで拭いて差し上げたら「ありがとう」と一言。
手をマッサージしてうちに口の周りも目立たないけれどガサガサしていることに気がついた。ペーパータオルで そうっと拭いて差し上げたら「ありがとう 嬉しい」と。 まだまだ 言葉も通じるし人を見る力も持っておいでだと感じた。 母より意思表示ができる。
母がトイレから出た様子なので ホールに戻って暫く様子をみて 外出。とはいっても 施設の周辺をお散歩程度。
今日は 夏を思わせるお天気。 下ズボンを着用させるのを忘れたら「この辺が…」と腰の方に手をやって「さむいんだよ」と教えてくれた。 でも歩き始めるとそれも気にならない様子だった。 「戻る?」と聞くと暫く考えてから首を横に振る。 「歩ける」と聞けば 頷く。 コンビニまで出かけて 戻ってきた。 さすがに施設近くになると前傾気味の歩き方だった。 「良く頑張ったね。ありがとう♪」と伝えたら 頷いていた。 外出は 気持ち良さそうだけれど…けっこう しんどいのだろうな。
施設に戻って トイレ誘導後手洗いをして ホールの椅子に座る。 夕食の少し前で みんな揃っていた。 食事まで気分を緩めようかなと思って みんなを誘って歌を唄う。 童謡から歌謡曲まで数曲メドレー。 認知症のある人もない人もみんな歌え 笑顔を見せてくれた。 母も 少しリズムを取っていた。
今日は そこまで。 母の表情も悪くないので そうっと施設を後にした。
帰路 ケーキ屋さんに立ち寄った。 今日はねぇ〜。 店先で 歯科医の奥様と出会った。 「先日は どうも すみません」 「どうですか?」 という事で ちょこっと話して「通院 もう少し様子を見てから…」と伝えた。
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