母のタイムスリップ日記
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2007年11月25日(日) 探りきれない…


「ひょっとして義兄が立ち寄ってくれるかな?」と思い 朝 お掃除した。
が おばさんを送りがてら その先に住んでいる義妹の家に 兄夫婦二組で出かける事となったようだ。
と言う事で 我が家には立ち寄らない。

訪問がないと判り 母の所に出かけた。
母のご機嫌は悪かった。
でも入浴出来たようで良い匂いがしたので胸を撫で下ろした。

トイレ誘導すると「さっき おトイレ行きました」と職員が教えてくださった。
それでも 機嫌の悪さの原因を探るためにトイレに入った。
どうも 今日は左足の上がり方が妙な感じがする。

ギュッとだきしめるとギュッと抱き付いて来るので何等かの不安があるのだろうなと感じた。
特に排泄もなく立ち上がろうとすると「まだ」といわんばかりに「あ〜」と座ろうとする。お腹が痛いのだろうかと思って聞いて見るのだが…。
「きゃくかく…」と返事にならない言葉が飛び出す。
口にしてから「そうじゃなかった」と悔しげな表情。
また「きゃきゅかく…」と言いかけては「失敗した」と言いたげに悔しげに頭を下げる。
こんなことが 幾度か繰り返された。
「判るよ。だいじょうぶ?」と聞くとかすかに頷く。

調子が悪いから言葉にならないのか?はたまた 言葉にならないから調子が悪そうに見えるのか?

暫く様子をみて トイレを出た。
その後 ホールでおやつの気配がしたので 出ようとしたが口の中に白い物が目立つので歯磨きしてもらう。
入れ歯を出して貰ったが 口を濯ぐ事も今日は出来ない気配。
気長に「クチュクチュしよう」と声をかけ 私もクチュクチュペッとして見せた。
動作を見ながら 何とかできた。
話す事も聞くことも 今日は難しそう。
足を引きずるのは 脳疾患を起しているのではないかと不安になった。
歯磨きが済んで 入れ歯を装着しようとしたら 下の入れ歯を装着拒否。
口の中を点検してみるが 何処も悪い所はなさそう。
仕方がないので 其の儘ホールに移動しておやつを頂く。
お煎餅をかんでいるけれど 歯無しでは無理。
入れ歯を入れなおすと今度は大丈夫で 自力でおやつを食べ出した。

おやつが済んでから 足の様子を見て大丈夫そうだったので お散歩に出た。
歩きながら「しっかり 歩けて偉いね」と話しかけたら…。
暫く置いてから「偉くなんかない」とポツリと言った。
「偉い」と言う言葉が嫌だったのかと思って「あのね 〇ちゃんは しっかり歩けるから 嬉しいの。だから 偉いのよ」と言いなおす。
また 暫く置いてから「偉くなんかない」と言う。
さすがに こちらも辛くなる。
「だ・い・す・き。頑張ってくれてくれて ありがとう♪」と言いなおした。
その時には こちらの目玉はもう ウルウルしてしまっていた。
母も 目から涙が零れる寸前だった。

その後 「えさ かえっだい」とぽつりと言った。
これは 方言で「家に帰りたい」と言う意味。

不具合があるから 施設に戻りたいのか それとも本当に家に戻りたいのか真意は判断できないけれど…。
でも 言葉や涙の具合から家に帰りたいと思っているのだろうなと感じた。

暫くの沈黙の後 子供賛美歌を唄った。
♪主われを愛す…♪と唄うと♪主は強ければ♪と母が続いた。
聴こえているし 唄える…。
やっぱ 何か埋めきれない寂しさか辛い事があったんだね。
それは 一体なんだろう?

それから 気持ちが落ち着いてきたようで 言葉も通じるようになってきた。
橋の上で休息。
大分疲れたようで 直ぐに腰を下ろした。
ちょっとお茶を飲んだ。
施設でお茶を飲む時は酷く嫌がっていたが ここでは自分でコップを持ってごくりと飲んでいた。
一寸したことなのだろうけれど 飲むという動作ひとつとっても精神状態が影響するのだと感じる一幕だった。

日が沈みかけて 冷えてきたので 公園の小山を上って下りて 施設に戻った。
玄関で職員と会い「足が具合悪そうなんですって?」と聞かれたので 一緒に何処を1番痛がるのか見てみた。
すると 左足のかかとの辺りだった。
でも 見る限り特別の変化はない。
気持ち浮腫んでいるかなと言う感じ。
足を痛がるのは 時折あるし…どんなものなんだろうな?
職員が用心のためにシップしてくださった。

母の様子を見ていると「やっと気がついてくれたの」というかのように機嫌も直り始めた。 散歩の効用なのか…それも判断は付かない。
どっちにしても 気持ちが落ち着いてくれれば ひと安心。

トイレ誘導して 手を洗う頃には 夕食の支度が始まった。
母もテーブルについた。
食事が並んでも 箸を持たないので一口 運んであげたら 後は 自力で食べ始めた。

これなら大丈夫かなと感じて そうっと施設を後にした。


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