母のタイムスリップ日記
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2007年11月20日(火) 「一緒に逃げっべ!!!」


先月 母ともう1人の入所者とご家族同士で美容学校のサロンに出かけた。その時の母は シャンプーも嫌がらず 安心してカットして頂いた。
帰りに 次回の予約をしてきた。

ほんとは またふた家族で行く予定だった。
が 一緒に行った方が 生憎 体調の変化で 絶食点滴生活となってしまい ご家族がなくなく予約をキャンセルした。
今は 何とか復活しつつあり 少量ながら 経口での食事(流動食)も始まってきているのだが サロンに行けるまでには あと一息。

ご家族は 車でサロンまで 送って下さると言ってくださった。
ご家族の住まいは 車で施設まで 2時間を要するのである。
頼る事は憚れ 迷ったのだが 折角のご好意を無にするのも悪いと思って送迎して戴く事にした。

今朝 お弁当を作っている時に「これから出ます」と電話があった。

今日は 荷物がいっぱいなので 娘の出勤の車に乗せてもらって駅まで。
それから タクシー。

施設に着いた時の母の表情は冴えなかった。
でも顔は 綺麗に洗面されていて 頭も綺麗に整髪してあった。
ただ 入浴の機会が飛ばされているので 頭髪がかなりにおう。

居室に誘導して トイレ誘導し着替えをしてもらう。
それだけで 母が笑顔になって行った。
それからは もうニコニコ。
鏡の前で ドライシャンプーしてもニコニコ。
歯磨きをして ニコニコ。

アロマオイルで手当てして 外出スタンバイ。
ご家族の到着を待った。
前回 オムツから溢れてしまったので 今日は パットを2枚重ね。
機嫌の良い時にトイレ誘導して お天気を変えてしまわないように…と言う配慮である。

ご家族が見えて サロンまで送って頂いた。
そこで ご家族は施設へ逆戻り。
母と私は 昼食タイム。
建物内に食堂もあるが 昼時なので混雑も予想されたので昼食を準備してきた。
小春日和の良いお天気なので 外のベンチで頂く。その間もニコニコ。

予定より30分早くサロンに入った。
混雑していないので 直ぐに取り掛かってくださった。

先にシャンプー。
ちょっと怪しい雰囲気となったが 何とかクリアしてシャンプーを終えた。
「気持ちいいでしょ」と話しかけると頷いていた。

鏡の前に座ってロット巻きが始まったら 更に笑顔が輝いた。
綺麗になるって判っているみたいだった。
美容士さんは 首筋の後れ毛にも小指の半分ほどのロットを丁寧に巻いてくださった。
ロット巻きの後半は さすがに飽きてきたようで 持って行った指人形や玩具で一緒に遊んだ。
一液二液と進んでもお天気変わらず。
定着するまでの時間は 水分補給やみかんを食べて貰って時間稼ぎ。
その後 手遊びをした。

ロットを外して 薬を流して セットして…。

トータル 3時間半。
この間 母に合わせてじっくり向き合ってくださった。
放置されて待つ事は1度もないのだ。
タイマーが鳴れば すぐさま飛んで来てくれた。

母にかかってくださった方は トータルで3人。
それで 料金が4.500円。 普通の美容院は1万円である。

母は ほんとに嬉しそうで 声を出して笑ったり 話したり…と賑やかだった。
最後に サロンでトイレ誘導した。
2枚重ねは成功。そしてトイレ誘導も成功。

帰りも迎えに来てくれるというご家族の好意に甘えさせて頂いた。
サロンと施設間を 電車やバスを使うと乗り換えは最低でも3回。
所要時間は 一時間以上は必死。
車だと15分足らずである。 ほんとに助けられた。

さて 施設に戻って 母をトイレに誘導し着替えていたら…。
急に「ありがとう」と声を詰まらせ頭を下げて 上げた顔は 涙がいっぱいの母だった。 「こちらこそ ありがとう♪」といったら頷いていた。

手を洗って 居室の椅子に座ったら「一緒に逃げっべ!」と立ち上がる母。
言いたい事は 痛いほど判る。
「ごめんなさい」と声に出さずに謝った。

夕食の支度の始まったホールに移動して 母の視線が他に移ったのでそうっと施設を後にした。
もう1人のご家族も出ていらして…「今日の来る道は 錦秋の秋で…その上富士山もくっきり見え見事だった。ご褒美を頂いた気分なのよ」と話されていた。

面会では 申し訳ない気分や辛い気持ちになる時もある。
でも めぐみもある。
今日も母から いっぱいの優しさを貰った。

今日は 単語ながら 的確にいろんな事を話してくれた母なのだが「一緒に逃げっべ」が強烈で 他の言葉が吹き飛んでしまった。


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