母のタイムスリップ日記
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利用者さん 訪問。 一人暮らしでご高齢の利用者さんは 家事援助をご希望. 最初は 一人暮らしだから埃も立たないので綺麗なのだろうと思っていた。 でも 最近 毎日お掃除なさっているのではないかと感じている。 今日も 掃除機を掛けている時 利用者さんは外で相当の草を抜いていらした。 少し前までは 高いところは脚立を使ってお掃除なさっていたとお聞きした。 来年は 90歳になるという。
家事援助も少しは必要となさっているかも知れない。 でも人に頼る練習をなさっていらっしゃるようにも感じる。 「あなた 先日 おトイレも掃除してくださったのね。自分でやるから良いのにぃ〜」と言われた。 「物事にはついでに出来るという事もありますから」と返事したら 「腕が痛くならない程度になさってください」と言われた。 まるで 母親から言われているような気がした。
ここまで自立なさっている方の訪問は 初めてだと思う。 こういう慣れ方も 良いのかもしれないとひとつまた勉強になった。
月2回の訪問を2ヶ月と半分。 仕事も慣れた。 最初は 2時間で全ての部屋に掃除機をかけてギリギリだった。
が 今では合間合間に拭き掃除も交えてゴミを捨てる所まで出来るようになった。 しかし ほんとに広いお宅です。 その全てのお部屋をきちんと使われてお出でだという事も伝わってくる。 侮るなかれ90歳。 私にも そういう生き方出来るかな?
家に戻ってご飯を食べ 母の所に向かった。 職員に排便の状況を確認しトイレ誘導。 ポロンと3個。後は無理をしないで 整腸ドリンクを飲んで貰い お散歩に行く事にした。
ホールに出た時 入所者の1人が籐椅子にお茶を撒いていた。 「どうなさいましたか?」とお聞きすると「後少しだけ残しておいたの」と湯飲みを見せてくださった。 「そうでしたか。それでは 湯のみをお預かりしましょう」と湯飲みを受け取り 台ふきんで籐椅子を拭いた。 すると その方が「ありがとう」と言われ「私 それを洗います」と言ってくださる。 「宜しいですか?」と伺うと「はい。あなたは 優しいですね」と言われた。 その言葉を聞いて とても切ない思いがした。 何の注意をした訳でもないのに ご自分のなさった事は ボンヤリと判ってお出でなのだと感じた。
母の介護をしているころは これが出来なかった。 「何しているの!」とやさしく話しかけているつもりでも「間違った事してるのよ」という思いが根底にあった。 それを 敏感に悟り不穏になっていく母だった。
母を通して これまで学んできた事が生かせて良かったと思う。
「これを 何処で洗うのですか?」と聞かれた。 その方は 洗う場所を他の方の部屋と思い込んで居られた。 「ごめんなさい。こちらの方が宜しいかと…」と母の居室に誘導。 ちょっと機嫌が悪くなりそうな雰囲気。 「すみませんね。こんなこと御願いしてしまって」と話しかけると「いえいえ」と風向きが変わった。 「石鹸はないのですか?」「ありますよ」と石鹸を布巾に付ける。 それから 上手に洗われ 濯ぎもなさった。
「これでよいかしら?」 「ありがとうございました。水なので手が冷たくなったでしょ」とタオルで手を拭いてもらってから 両手を擦って差し上げた。 「そうね 冷たいわね。でも 慣れているから。ありがとう。貴女 ほんとに優しい」と言って居室を出て行かれた。
出てから幾度か居室の戸を開けた。 「ここを通り抜けようかと思うけれど 今人がお出でなので またにします」とその度に話された。 他の人や職員が「そこはちがう」と注意する声が聴こえたので「入っても大丈夫ですよ」とみんなに知らせた。
外出の支度をして出口に向かっている時 職員が「おトイレご一緒しますわ」と自然な流れで声がけなさっていた。 …これはうまく行くよ…頑張れ…と声に出さずに応援した。 トイレからも声がした。が言い争う声ではなくて 極々自然体だった。 「綺麗なのいいでしょ」と言う声に パンツ替え成功したんだとわかった。 職員が笑顔で出ていらした。 「ありがとう」と私にお礼を言われたが 職員のタイミングがバッチリあったという事に過ぎないのだ。 「良かったですね」と言うとニッコリなさっていた。 さて トイレから出てきた入所者の方は 明らかにピリピリなさっていた。 排泄は80パーセント自立なさってお出でだ。 でも着替えを嫌がられるのだ。 新規のものに取り替えられて良かったけれど きっと気分的にはブルーの筈。 そこで 小さな飴を1個取り出して「如何ですか?」と差し上げた。 「ありがとう」と口に入れられたので 「それでは この椅子でお休みになってお子様の訪問を待ちましょう」と話しかけた。 直ぐに座れて じっとなさっていた。 そのうち 気分も解れ 嫌な事もす〜っと抜けた様子だった。 それから 母と外に出た。
散歩から戻った時 職員に様子を伺うとあれから落ち着いて要らしたという事でホッとした。
長くなったので 母の様子は 明日という事で...。
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