母のタイムスリップ日記
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2007年02月16日(金) 視界(?)良好 波静か!


 入れ歯の仕上がる日だ。
先日のの事が気になり 緊張気味。
「もし 入れ歯が気に入らないってなったら どうしよう」とドキドキ。
なるようにしかならない。駄目だったらと仮定するより 直面したら考えようと自分に言い聞かせて施設に向かう。

外出用に着替えをしてもらい 歯を磨いて鏡に向かって整髪。
母は 洗面台に置かれた櫛をみて「さつまあげ」と言って笑っている。
ピンクを帯びた櫛がどうして さつま揚げに見えるのか?また さつま揚げで何故笑うのか?
こういう事は 最近良くある。
でも そう見えるか そう感じたのか...母の感触は母にしか判らないのだから 笑っていられるなら それでよしと思う。
ブラシで髪を整えていると綺麗にしてもらっていると理解は出来ている。
この差が 脳のどう言う所で起きるのかといつも不思議でたまらない。
「そう さつま揚げねぇ〜」と同意するとニコニコ笑っている。

トイレ誘導で排尿。
感触として大が下りてきていると判るのだが おそらく未だなんだろうという事だけは判る。
でも 若し 入れ歯合わせの頃にもようしたら...機嫌が悪化する事だけは間違いない。
どうか 無事に済むように...と祈った。かけるしかないのだ。

バスに乗り込むと とても丁寧な運転手さんで「ゆっくりでいいですよ」と声をかけて下さり 母が座るのをみて「大丈夫ですね」とミラー越しに再度
声をかけてくれた。
今日の運転手さんパーフェクト。パチパチ。

バスを降りる時は 一番最後にした。
降りる時も「気をつけて下さい。ゆっくりね」と運転手さん。
今日はセーフだった。

さて40分ほど余裕がある。
「お腹空くだろうなぁ〜軽くなんか口に入れて置きたいな」と周辺をウロウロした。が軽食屋さんも含めて何処も満員。若しくはレジに行列。
昼食時なので仕方ないのだ。
ミスドが比較的空いていたので 不本意ながらドーナツ1個に飲み物2つで店内で食べた。

時計を見ながら お店を出て歯医者の階段下まで着いた。
3段上って「やんだぁ〜」(嫌だ)と言う母の声。
歯医者とわかるのか?はたまた 階段が嫌か?
「大丈夫」と介助を更に深くした。
何とか階段を上りきった。
玄関には 靴がいっぱい並んでいるので待ち時間が有りそうな気配なので暫く 踊り場で日向ぼっこ。
時間少し前に 診察券だけ出して「外で暫く待ちます」と伝えた。

待っている間 お祈りをした。
すると母の目に涙がいっぱい溜まっていた。判っているんだな。母にとって一番大事な神だものね。

2人3人と治療を終えて出てきたので それから待合室に入った。
玄関では 靴を脱ぐことも忘れかけていて ゆっくりと対応しスリッパに履き替えた。

暫くすると待合室には母と二人だけとなった。
それから 母と手遊びをした。じゃんけんして母が勝てばパチパチと拍手し私が勝てば万歳をする。
この遊びは 認知症初期の頃から続いている遊びのひとつだ。
変わったのは 勝ち負けが判断できなくなっている事。
でも拍手と万歳のポーズで理解できるのだ。
勝てば嬉しい表情をするので 手加減して負けの場面を作るようにしている。チョキで勝てば 暫くチョキを出す。
負けた時悔しい顔をすると 母は喜ぶ。
日常生活では どうしてもこちらが優位になってしまうので 出来る限り母優位の場面を作りだすようにしている。

母の順番が来て診察室へ入る。
緊張するかと思いきやニコニコとした表情で椅子に座った。
そこで また 続きの手あそび。
いくつか遊んでいたら 医師が入れ歯を持って見えて「機会をみて装着させてみてください」と言われた。
仕上がりの説明もしてくれた。

暫くしてから入れ歯を装着。「良かったね 歯が戻ってきたよ」というとコックリと頷く。
メンテされた入れ歯を嫌がって外すという事もない。
まるで 3日間入れ歯を預けていたこと等なかったかのようにしっくりはまっている。
暫くして医師も見えて 少し手直しして 様子見。
見ている限り 大丈夫と思うが 数日を経て慣れて深く入るようになった時に傷がつかないか 見てください。
調子が悪いようなら また来てくださいといわれた。
医師も母をみて「あ〜判るんですねぇ〜」と言っていた。
かなり進行した認知症でも判るんだという事を納得して貰えた事は 嬉しい。

歯医者さんを出て 家に行くか外食か暫く迷った。
が 階段を下りて吉野家の牛丼の看板を見て 冗談ぽく 手を出して口に摘むような動作をしたのをみてお腹が空いていると判った。
そこで 外食に決めた。

お店に入る前にトイレ誘導し排尿できた。
手をしっかり洗ってからお店に入った。
母は結構食べた。半分は自力で...。

ここまでは ほんとに順調。
会計を済ませて 再度トイレ誘導。
少し時間にゆとりがあるので お店を見て廻れるかなと思ったのだ。
ここでタイミングよく大を排出。
「もう大丈夫?」と聞くとかすかに頷いたのでトイレを出てエレベーターの前に行く。
すると何となく様子がおかしい。「おかちゃん おかちゃん」と呼ぶのだ。
「トイレ?」と聞くと頷く。「大?」と聞くとまた頷く。
急いで またトイレに入る。
母の意思表示は確かだった。

「良かった。教えてくれてくれてありがとう。嬉しいよ。ありがとね」と言うと母も嬉しそうだった。

トイレでの時間が長かったので お店周りは止めてバスに乗り込み施設に戻った。

今日は ほんとにタイミングが良かった。
入れ歯もどうやら調子良さそうだし...排泄のタイミングもバッチリ。
トイレで格闘後 汗だくになった私をみて「額に汗が...」と指差していたし...。
バスに乗り込む途中でベンチに腰掛けたそうにしたので「足が痛いの?くたびれたの?」と聞くと「足痛い。くたびれた」と言えたりもした。

火曜日の通院は散々だったけれど 今日は ほんとに良かった。
これは 介護者の心構えの差なのかな?
拒否がないと疲れも少ないみたいだ。
新規の入れ歯は出来なかったけれど 嫌がる時は無理をしないという事を教えてくれたのだろう。


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