母のタイムスリップ日記
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| 2007年01月31日(水) |
他愛のない話に弾む声 |
rリハビリのため施設に向かう。 フロアには 別のフロアの方もいて一緒に昼食を食べていた。 今日は 業者さんが入っての清掃日なんだなと判った。
食事中なのは 母ともう1人だけ。 療法士さんが 見える時間が迫っていたので 介助して食事を終えた。 トイレ誘導の時間も取れなくて 歯磨きだけ済ませた。
その間に 一緒に食事したフロアの方が帰られて 違うフロアの方が新たに見えた。
今日の母は 躁状態。 おしゃべりが多い。 発する単語は はっきりしているのだが 前後との関連性が どうしても汲み取れない。おそらく 何等かの思いがあるのだろうけれど...「理解できなくてごめん」と心の内で謝り 言葉の後に「そうなのね」と相槌を打つしかなかった。 そうやってると そのうちに何かが判ってくる事もあるので喋りたいだけ喋ってもらう。
今日は療法士さんが 血圧を測る時「何するの!」と一瞬身構えていた。 「昨日の耳鼻科や歯科通院の場面がフラッシュバックしたのじゃないかと思います」と伝えた。 「血圧を測りますね」と療法士さんが優しく説明。 「痛くないのよ」と私。 落ち着いて測定できた。
「背中の筋肉が固いですね」と言われた。 母のおしゃべりは リハ中も休みなく続いた。
リハビリが済んで 暫く横になっていた母。 這う形のウォレスを側に置いて 喋りかけ笑っていた。 「どうして座らないの?」「ここがドキドキするの?」「心臓?」と止切れることが無かった。 きっと この体験がこの数日のうちにあったという事だろう。 昨日かもしれないし 今日かも知れない。 自分の体調の悪さを訴える事は殆どないが こうして 人形に話しかける言葉でも 母の体調は読める時もあるのだ。
トントンとドアをノックする音がして「おトイレ貸してください」とやってきた別のフロアの入所者。 「どうぞ 遠慮なくお使いください」「ありがとう」とやり取り。 その後 ホールの方で「トイレなら...」と言う声が聴こえてきた。 「トイレを探している人がいるんだな」と思い ドアを開けた。 トイレを探していたのは その昔 テレビのニュースをみて「息子が波にさらわれて死んでしまった」と言ってたことのある知り合いだった。 私の顔をみて「あなた ここにいたの 久しぶり。良かった あなたで...」とウルウル(施設に入ってから 随分 涙もろくなってしまった)
母の事で目いっぱいで 彼女の状態が判らないので トイレに案内した後職員の所に飛んでいき「自力排泄は大丈夫か」と確認。 何とか 自力で出来た様子。職員が後を確認していた。
暫く 居室で遊んで貰う。 ユメルを抱いてもらったら おしゃべりするのに驚いて ユメルが話すたびに 話しかけていた。 歌を唄っていると驚いてもいた。 「誰も教えていないでしょうに こんなにいろんな事覚えているなんて...」 と感心していた。 すると 途中から遊びに来ていた入所者が「ちゃんと教える人がいるから 話せるのよ」と話に加わる。 「そうよね。誰かが教えないとねぇ〜」と子育て談義が始まる。 母ともう1人の方は 思うように話せないので ニコニコと聞いている。 更に 遊びに来た人もいて「そうよね。一から教えないとねぇ〜」と。 私と入所者5人でワイワイおしゃべりが始まった。 母を含む3人が 教職者なので それぞれを紹介すると母の手を握る人もいた。仲間意識とでも言うのだろうか? そこで また 教育談義。 指人形をみて 「父兄参観日や行事の時はねぇ これを使ってねぇ〜」と言えば みんな頷く。 「家庭訪問もあったでしょ」と私が振ると...。 「そうよね それぞれの考え方があって 皆さん 良き父兄でしたわ」 「そうですね 何処の家もね」 人の話に耳を傾け 反応できる...ってほんとに素敵だ。 いつも 目許をピクピクさせる方も 心底の笑顔でお話していた。 30分以上の時間 そんなことをして過ごした。 「それじゃ そろそろ夕食が始まるので 失礼しますね。久しぶりに楽しかったわ。ありがとう」と1人抜けていかれた。 数分も立たないうちに戻っていらして「〇〇さんって呼ばれました?」と聞きに見えた。「いえ」 「あそう 聴こえたような気がしたから...ほんとにありがとう。では また」と再度出て行かれた。
ホールがザワザワとしてきた。 今度は 母のフロアのお掃除が始まるのでみんな移動始めた様子。
みんなが移動した後 母を連れてお散歩に出た。 今日は4月の陽気とかで 手袋も要らないお散歩日和だもの...このまま帰ったら勿体無い。 連れ立って 歩く。 「寒い?」と聞くと首を振った。 「今日で一月は終わりなのよ。雪も無いでしょ。温かいよね」と言うと「そうだね」と返事が返ってきた。 今日は きっと理解できる日なんだろうな。
川べりのベンチに腰掛けておやつタイム。 「おいしい」と自力で食べていた。冷たいけれどお茶も美味しいと自力で飲む。安心しきっている姿を見ているとこちらの心も癒されてくる。
ベンチを立って また歩き出す。 今日は 小さな田んぼのあぜ道を歩いてみる。 舗装された道と違って ちょっとぬかる。 でも平らなので腕をしっかり組んで歩く。 この冬 このあぜ道の草は 緑色のままだった。 田んぼの真ん中には 穴が掘ってあり 堆肥が埋めてあった。 そうだ もう 次の季節の準備が始まっているんだ。 家の畑 行ってない。上から眺めてはいるんだけれど...。 庭の木々達にも 寒肥を上げなくちゃと思ってはいても なかなかだ。
あぜ道を歩いて 良かったわ。 仕事思い出せた。
母は 少し疲れた様子なので 心地よい所で散歩を切り上げ施設に戻る。 施設は おやつが始まっていた。 職員に託して施設を後にした。
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