母のタイムスリップ日記
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昨夜は 12時半と4時半にオムツ替え。 替えると母も私もすぐさま寝入る。 以前は これがうまく行かなくて 替えるとそれから暫くは寝付けなかったものだ。 母もわたしも随分図太くなったという事だろう。 ひょっとしたら 私があまり気にしなくなってきているという事なのかもしれない。
起床する時 母に声をかけたけれど ピクリともしなかった。 1人 階下におりて 夫のお弁当と朝食の支度。
夫を送り出してからも 時折様子見に上がっていたが 一向に起きる気配なしだった。 母の着替えの準備して 洗濯機を回してから声をかけて ようやく目覚めたようだ。 起してパジャマの儘階段を下りる。 私が後ろ向きになって介助しているので「ほら あぶないよ」と母が幾度か声をかけてくれた。 「ありがとう♪」というと頷いていた。 階段でのトラブルはなかった。
最初トイレ誘導。それから着替え。 母を見ていて 袖を通したりする時 母自身意識しているので棒に服を着せるような感覚はない。 まだ 状態としては良い方なのだろうと思う。
ふと気が付いたが 母とおしゃべりをする時ジェスチャーと言葉の両方を使っている。無意識の動作だ。 ジェスチャーも会話を補助しているように感じる。 母は言葉の出ない時は 頷いたり首を振ったりニコニコしたり...。 だから とても静かである。
母の話せる頃は 拒否もありこちらのトーンも上がって 大きな声が近所に響き渡っていたと思う。 母の全てを受け止め切れなかった頃の事である。
施設入所以来 母との距離が出来 声のトーンが上がる確率は激減した。 母の言葉の中で 聞き流した方が良い事と聞きとめておく事の選別が出来るようになったからだと感じている。
入所前だって いつも声のトーンが上がっていた訳ではなくて「帰宅願望」と食事拒否を繰り返す時が声のトーンが上がっていくのだった。
じゃ 今 母の意思に沿って介護出来ているかといえば いささか自信がないのだ。母はおしゃべりできない分 こちらの意向で突き進んでしまっていると思われるから...。 言葉が出ないという事は どうしてもこちら優先になってしまう。 それでも きっと母は仕方なしと思ってくれているだろうとは思うけれど。
あれれ 脱線してしまった。
母が家にいても サイレントの意思伝達の方が多い。 だから たまに訳の判らない言葉が出ただけでも嬉しくなってしまう。 が母にしてみると違う。 弾んでおしゃべりしようとする時 言葉が適切でないと気が付いたりして考え込んだりするのだ。 そして 諦める。話しかけたことさえ忘れてしまっているようにも見えるが...。少なくとも話そうと違う言葉になった時の表情は 辛そうである。 こちらとしては 違うという事が判って偉いと思うのだけれど...。 母の心の内は そう単純でない事は明白なのである。
怒りの言葉なら表情からある程度判断できるけれど 楽しい事を話したかったのだなと感じた時の落胆振りには こちらも切ない思いに襲われてしまう。 今日の1日の中で 幾度もそういう場面があった。
朝食も昼食も入れ歯を外すことなく食べていた。
施設に戻ろうと外に出て 3階分の階段を下りている時 通っていたデイに立ち寄ってみようと思った。 長く緩い下り坂の橋を歩いている時 母の記憶が甦って来た様だ。 「そうだよ 毎日お買い物に出かけたよね」というと頷いていた。 河原の道に降りた時もそうだった。 デイへの橋を渡る時もボンヤリとした記憶の中にいる事が判った。 でも 中に入った途端 状況が一変。
ぷいと怒り気味。 何故 そうなったかも判らぬまま デイの誕生会に仲間入り。 職員は定年で入れ替わり 母の事を知っている職員も少なくなっていた。 折角 母に話しかけてくださってもあっち向いた儘。 介護仲間だった方が デイ通いなさっており 目ざとく見つけてそばに来てくださった。 母より2歳上の方である。 母はおへそが曲がった儘 出されたお茶すら拒否。 暫く立って ふとトイレだったかと思った。 出かけにトイレは済ませたのだが...。 誘っても拒否。ひょっとすると少し出たので嫌なのだろうと思い当たる。
「食事の時間になるので...」と帰ろうとしたら 職員が「エッ!」と聞き返すので「5時前には夕食が始まるのです」と言うと「エッ!」と言われた。 大分前に指導が入って それまで5時半だったけれど 更に遅くなったという事だった。 「だって 食事はねぇ〜」と言われ「そうですね」と頷くしかなかった。 施設は それぞれいろんな事情を抱えているだろうから...と思うし一長一短 あるものだから...と考えるしかない。
皆さんにさよならして玄関に向かった。 すると 出かけていた職員が次々戻ってきて 母を取り囲んでくれた。 少し機嫌が落ち着いた様子だった。
車に乗り込み施設に向かう。 施設に付いてトイレ直行。 やはり大が少量付着していた。 後始末をして 着替え手洗いを済ませて 家から持参した蒸かし芋を食べてもらう。お茶はないのでお水で...。
ホールに移動したら 職員がお茶とおやつを運んできてくれた。 施設長に薬を渡して確認をとり家で気になったことを伝え経過処置を依頼した。
居室にいる時 今日も気になる言葉が...。 ご家族の面会があって外出なさった方があり「良かったわね」と言う職員の声と「清々した」という入所者の笑い声。 「ひょっとして 母もそう言われているの?」という思いが頭を掠めた。 認知症患者の受け入れ施設として ほんとにそれで良いのかなぁ〜。 言葉狩りをする気は毛頭ないが 頻度として多く感じるこのごろである。
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